玉川学園・玉川大学
ここは日本のお友達との交流の広場です.ゲンボー先生とのやり取りもここで行います.
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初めまして。サクラです。私のクラスで、バケツ稲を育てています。すずめの対策方は、図書館や、親せきに聞いたり、インターネットで調べたりして、だいたいはわかったのですが、どうしても、広い田んぼのすずめの対策がわからないのです。どうぞ教えてください!
ゲンボー先生
メールをありがとう.
雀はかわいいけど農家にとっては敵なんだよね・・・
1.ネットを張る.(あまり広いとできません)
2.音を出す.(炭酸ガスやアセチレンガスをためて自動的に鉄砲のような大きな音を出す)
3.かかしを作る(あまり効き目はない)
4.光やヘンな物体で驚かす(きらきら光るテープやデカイ目玉を見たことがありますか?)
こんなところです・・・一番効果があるのは1です.
ゲンボー先生
ゲンボー先生
メールをありがとう.
お米には様々な病気があります.虫からうつされる病気.カビのように風にのって運ばれる病気があります.
一番コワイのが「いもち病」でこれはカビによっておこります.これがつくと葉っぱに黄色い点々がつき葉が枯れてやがて稲全体が枯れてしまいます.ひと昔前では,いもち病が出るとそのまわり一体の稲をぬいて焼きました.今は良くきく農薬ができたのでそれをまきます.
「紋枯れ病」(もんがれびょう)は葉っぱの元の部分がくさって枯れてしまう病気です. 「ごま葉枯れ病」はゴマのような点々ができて枯れてしまう病気です.
虫によって運ばれる病気としては,「萎縮病」(いしゅくびょう)があります.ウンカという小さな羽虫から病気の元のウィルスがうつされ,穂が出なくなってしまう病気です.
稲の長さは品種や気候によって少しずつ違いますが,日本の稲はだいたい70センチから1メートルくらいです.
ゲンボー先生
質問1:水田が水をきれいにすると言われているのはなぜですか?
質問2:苗が発散する水蒸気は何に役立つのですか?
質問3:水の入っていない田圃と入っている田圃では、土に違いはあるの?
質問4:1本の稲穂からは何粒くらいのお米がとれるのですか?
ゲンボー先生明日香さん,メールをありがとう.
1.水は養分を運ぶだけでなく,稲にとって不要な成分を流してくれます.水田だと毎年稲が作れるのに畑だと数年でダメになってしまうのはそのためです.
2.稲の温度を下げています,稲は植物の中でも最も多く気孔をもっています.それは暑すぎるとエネルギーがそちらにとられ,自分自身の生育や米の実の付くのにわるくなるからなのです,ちなみに「のげ」という穂から出ているひげのようなものも,温度を下げる役目を果たしています.つまり車のラジエターと同じですね.
3.土に違いはありませんが1に書いたようになります.田んぼの土は良く耕されて目が細かくなっています.沈殿といってこれが底に沈むと水がもれなくなります.そうして大切な水を無駄づかいしないようにしています.
4.一つの穂には約80〜90粒のお米がつきます.
また質問があったらメールをください.
ゲンボー先生
米が余るの解決方法を教えてください。詳しいしりょうを送ってください
ゲンボー先生(この内容は平成16年4月1日に食糧法が改正される前のものです.新しい仕組みはこの説明の最後からリンクしています)
なおきくん.ひろき君,メールをありがとう.
たいへんに難しい問題ですね.
というのも,昭和30年代の後半頃まで日本の国はお米が不足していました.そこで政府は「お米を作る農家」を法律でまもって,お米をどんどん作らせました.
1.作ったお米は全部政府が買い上げる.
2.お米の値段は政府が決める.
つまり,農家はお米を作れば「毎年」「決まった収入が得られる」のです.これは農家の生活が安定することにすごく役立ちました.
しかし,今度は作りすぎになってしまい,まずい点も出てきました.
1.余ったお米は家畜の飼料やお菓子の原料にもなったが,それでも大量に残ってしまった.
2.捨ててしまうようなお米も国民の「税金」で払っているので,国の損になってしまった.
もう一つ,お米を作る国から注文が出ました.
1.日本も外国のお米を輸入するべきだ!
消費者からも批判されました.
1.日本のお米は高すぎる!
※政府が毎年お米の値段を決めているうちに少しずつ高くなり,気がついたら世界のお米の7〜10倍も値段が高くなっていたのです.
そこで,平成7年に政府はこれまでの法律を改めました.
1.お米の値段は自由にする.ただし最低価格だけは政府が決める.(これは不利な条件でお米を作っている農家を保護するためです.不利な条件とはブランド米ではない.高値で売れない.数量が少ないなどです.)
2.外国からもお米を輸入する.(いきなり安いお米が大量に入ってくると,日本のお米が売れなくなるので,初めのうちは高い税金をかけて,少しずつ安くしていく.)
3.お米があまり始めた頃から続いている「減反」(げんたん=市町村単位でお米を作る田んぼを減らすこと)をそのまま行うこと.
などです.
さて,なおき君.ひろき君,こうしたことが行われている中で「米あまり」を解決する方法はとても難しいと言うことが分かりますか.しかし,中には米あまりを解決して,さらに日本の米作りを守ろうとしている人たちも数多くいます.その人達の努力をいくつか紹介します.
1.今まで家ごとに分かれていた田んぼの境をなくす.さらに,農家ごとに持っていた機械はみんなで1台を共有する.こうすれば機械にかかるお金も安くなり,しかも少ない人手で一度に大量に作れるので安くできる.こうして労働力を減らし,直接お米作りをしない人は他の作物を作ったり会社や商店で安心して働くことができる.
2.有機農法といって化学肥料や農薬をできるだけ使わずにおいしいお米を作る.(おいしいお米)
3.ロボットやハウスで自動的にお米を栽培する.(安くできる)
などです.
しかし,これから安い外国のお米が大量に入ってくることはきまっていますから,それとの競争がなかなか大変ですね.特に田んぼの面積がせまい山間部や,老人が多い地域では今説明した取り組みもなかなか思うようにはできません.君が大人になる頃は日本のお米作りは大きく変わっていると思いますよ.
あとは君たちが名案を考えてください.良い案が出たら先生にもメールをください.ホームページで紹介しますよ.
ゲンボー先生よ
1、稲は、長雨や、低温に弱くたおれやすい。
解決法!「ビニールハウスで、温度を調節する。」
2.害虫の被害ある、こしひかりは、いもち病に弱い。
解決法!「農薬をうまく使えばいい、改良すればいい。」
これでいいですか?返事まってます。
ゲンボー先生
メールを有り難う.「梅組」ですか・・1組みたいな番号でないところがすごくいいですね・・・
1.広い田んぼをビニールでおおうのはとてもたいへんです.農家の人は倒れにくいように強い稲を育てるための工夫をしています.しっかり栄養をあげて茎を強くする.苗の間隔を考えて互いに倒れないようにする.
それでも倒れることがあります.その時,自然に元に戻らないときはひもでしばったりします.
2.いもち病は怖い病気です.ほおっておくと稲が全滅してしまいます.昔はいもち病が出るとその稲はもちろん周りの稲も根こそぎぬいて焼きはらいました.農家の人にとってはつらいことですね.
いまは君たちが書いているように「農薬」ができていもち病も少なくなりました.しかし,最近では強い稲を作って,農薬をできるだけ使わないようにしようというふうになってきました.
ゲンボー先生
ゲンボー先生
上原さん.メールをありがとう.
一般の農家は苗ではなくて,保存しておいた「前年度収穫籾米」を苗箱にまいて,それを育てて機械で田植えをします.
新しい品種の稲を育てる場合は種籾を種苗会社や農協(JA)から買い求めます.だいたい4キロ単位で2600円程度です.
最近では兼業農家のために農協が苗を育てて農家に販売するところも出てきました.これは箱単位です.なぜならそのまま機械にセットして田植えができるからです.こちらは資料がないために分かりません.農協に問い合わせてみてください.
ゲンボー先生
ゲンボー先生
メールを有り難う.
もともとお米が初めて作られたインドのアッサムという地方は,昼は暑いのですが夜になると涼しくなります.つまりお米の中にはもともと寒さに強い性質があったのです.日本の場合お米というと南の方からやってきたので,ついつい暖かいところの作物と思われがちですが,そうでもないのです.
もちろん,東北地方や北海道地方の人たちがどりょくしてがんばったということもあります.このことはあとで説明します.
東北地方の特に日本海側は冬に雪が積もるために,暖かいところや太平洋側のように冬場に作物ができません.ですから1年に一度,お米をつくることにとても力をそそぎました.
田んぼを広くしたり,寒さに強い種類のお米を作ったり(品種改良といいます)もしました.また雪が残っているうちから油紙で苗代というお米の苗を育てる場所を囲って,寒さから守るための「保温苗代」も考えだしました.
冷たい水は,田んぼの周りや中に水路を作って水をゆっくり温めながら入れる「ぬるめ」という工夫もしました.
こうして夏の短い東北地方でもお米が安定して作られるようになったのです.
しかし,なんといっても日本の国が「お米作り」をさかんにしようと,農家を「ほご」したことが大きな原因ですね.お米は他の作物とちがって,国が「決まった金額で」「全部を」買ってくれました.他の作物はできたりできなかったり、年によって値段がかわりますが,お米はいつも決まった収入があったのです.
これは農家にとってはありがたいことですね,家の収入が安定すると言うことはとても大切なことです.それで日本中の農家が頑張って水田を広げていったのです.
中でも東北地方の日本海側(秋田県・山形県),中部・北陸地方の(新潟県・富山県.福井県)はさっきも書いたように雪が多いので,夏のお米作りにがんばりました.特に秋田県と山形県は大きな水田が多く,大きな機械も使えます.しかもお米は昼が暑くて夜が涼しいところほどおいしくなります.もう,これらの県にもってこいの気候条件ですね・・・それで,これらの東北や北陸でたくさんのお米が作られるようになったのです.
四国地方は平野部が少ないのと,お米以外の作物も沢山とれるので,これらの県とはちがうのですよ.四国の県で何がいつ作られるかは地図帳にも出ていると思います,それで調べてごらんなさい.
また,香川県の讃岐平野では独特の方法でお米作りが行われてきました.このことは先生のページに詳しく出ていますから参考にしてください.
ところで,最近はお米が作られすぎて農家を守る法律が少しかわりました.あまりおいしくないお米は国が買い上げるけど,それ以外のお米は自由に売ってもいいよ,ということになりました.と,同時に外国からも安いお米を輸入して良いことになりました.
そうなると日本の農家は困りますね..しかし,さっきも書いたようにこれらの地方のお米はおいしいのと,沢山作ることができるので値段も安くできるので,なんとか外国お米に負けないように,おいしくて安いお米を作ろうといま準備をしているところなのです.
ゲンボー先生より
わたしは、お米のめしべとおしべの、ちがいを知りたいです。できれば、絵でくわしく教えてください。
ゲンボー先生
菜緒さん,メールをありがとう.
お米の花は一斉に開きます.不思議ですね・・そして自家受粉(じかじゅふん)と言って自分の花の中のオシベとメシベで受粉して実を付けるのです.
ですから他の稲とかけあわせて新しい品種を作るのは大変なのです.
大勢の人が小さなはさみを持って開いたばかりの稲の花のオシベを切り取っていきます.そこに他の稲の花粉を残ったメシベに付けて受粉させるのです.
最も今ではバイオテクノロジーといって,遺伝子だけを交換する方法が主流になりました.
さてメシベとオシベの写真ですが,残念ながら先生のところにありません.他のページで調べて下さい。
ゲンボー先生
1・外国のお米の育て方に、味は関係あるの?
2・外国のお米の育て方にお米の色も関係あるの?
3・日本のお米と外国のお米の味のちがいは?
以上です。おいそがしいところすみませんが、どうぞよろしくお願いします。
P.S.お返事楽しみに待っています。
ゲンボー先生
美穂さん.メールをありがとう.
1.ありますよ.どこの国でもおいしいお米を食べたいと思う気持ちは同じですね.タイには「かおり米」という良いにおいのするお米があります.同じように世界中においしさの基準があって,それをめざして各国の農家はがんばっているのです.
2.お米は基本的には「白」ですが,国によって色の付いたお米に特別な意味がある場合があります.中国の雲南と言うところではお正月や,収穫の祭りに「赤米」を食べます.これは日本のお赤飯のルーツといわれています.
3.お米の味は日本も外国も似ています.ただし強さがちがいます.お米の場合は味もそうですが食べたときの感じが大切な要素になります.日本では粘りけのあるお米が好まれますが,ほんとんどの国ではパラパラした感じのお米を好みます.
世界のお米は町田でも売っています.一度試してみたらどうですか.その方がよくわかるよ.
ゲンボー先生
質問
1.どうしておこめから、のりができるのですか??
2.どうしてお米をたくとねちゃねちゃするのですか?
3.どうして、田んぼに植えるのですか?? 3つ教えて下さい
ゲンボー先生
りかこちゃん,メールをありがとう.
1.と2.お米にはアルファでんぷんという「でんぷん」がありますが,ご飯をたくとこれがベータでんぷんにかわります.このベーターでんぷんがベタベタのもとです.
「でんぷん」はジャガイモなどイモ類にも多く入っていますね.「かたくりこ」はそのイモから作ります.(むかしは「カタクリ」というしょくぶつから作りました)おうちに「かたくりこ」があったら,それを水にといてから火にかけてみてください.「どろん」としたベタベタの「のり」のようになります.
お米の中でもおなじように「でんぷん」がへんかするためにネチャネチャして「のり」になるのです.
3.田んぼには水がありますね. あの水によってお米のえいようがはこばれてくるのです.また,水はお米にとっていらないぶっしつを流してくれます.だから,畑でものを作ると何年かすると作れなくなりますが,お米は毎年同じばしょで作ることができるのです.
ゲンボー先生
神奈川県産のお米より東北のお米を 皆買うのはなぜですか?教えてください。
ゲンボー先生
美貴さん.メールをありがとう.
それはね,神奈川産のお米より東北産のお米の方が量も多いし,おいしいと思われているからです.
お米は昼と夜の温度に差があるほどおいしくなると言われています.昼にたっぷりお日様の光を浴びてどんどん成長して夜は休む・・・これが大切なんです.夜もエネルギーを使うとお米に必要な養分が少なくなってしまうのです.人間も昼にはたらいたら夜は休みますね.それとよく似ているところが面白いですね.
しかし,最近では暖かい地方でも東北に負けないおいしいお米が作られるようになりました.
「あきたこまち」「コシヒカリ」「ひとめぼれ」「ササニシキ」などおいしいと言われる北国のお米は,暖かいところで作ると,どうしても東北で作っているのとはちょっと違ってきてしまいます.そこで,味を落とさずにその地域にあったお米が次々につくられていきました.たとえば「〜ヒカリ」とつくお米はすべてコシヒカリの子供や孫たちです.「ゆきひかり」「ひのひかり」「きぬひかり」などがそうです・・このように植物や動物の性質をよくして新しい種類をつくることを「品種改良」(ひんしゅかいりょう)といいます.
先生がこのあいだ行った東京の農家では「ユキヒカリ」という種類のお米を作っていました.「コシヒカリ」を品種改良したものですね・・・そのおうちではできたお米は自分の家と娘さんの家で食べるそうです.先生も毎年茨城県の知り合いからお米を送ってきてくれるのですが,それはとてもおいしいです.自分の家用はていねいに作るからよけいにうまくなるんだそうです・・・(ちょっとふくざつな気持ち・・・)
ですから神奈川産のお米でもおいしいお米はあるのです.しかしもともと東北地方に比べて作っている量が少ないのと,自分の家用に作る人が多いのでお店にはあまり出てきません.
お米の袋の「原料玄米」のところに○○県産と書いてあれば,それは純粋に○○県のお米です.原料玄米のところに2つ以上書いてあったらそれは,「いくつかの県のお米を混ぜていますよ」ということになります.
ゲンボー先生
なぜ、アメリカは、日本に、米をかってもらいたいのか、教えてください。
ゲンボー先生
メールをありがとう.
アメリカは世界最大の工業国でもあり,世界最大の農業国でもあるのです.アメリカの小麦やトウモロコシ,それにお米や大豆の生産は自分の国の人が食べる分をはるかに超えています.
日本で作っているお豆腐のほとんどはアメリカの大豆が原料です.お醤油だってアメリカから輸入が止まれば作ることはできないのです.もちろんパンだってほとんどがアメリカの小麦です.
アメリカの農民は広い土地で機械を使って農業をします.どんなに広くてもはたらく人の数は多くありません.少ない人数で大量に作る.当然やすくできますね.
お米も同じように作っています.いままでは他の国に輸出していましたが,日本をはじめいくつかの国では自分の国の農民を守るために,輸入をしてこなかったのです.
ちょうどそのころ日本では「お米の値段が高い!」と消費者が政府に反発していました.それまでお米の値段は政府が決めていたからです.
それを良いタイミングだと思ったアメリカはタイやオーストラリアなどとともに「日本は他の農産物と同じようにお米も買ってくれ!」と言ってきたのです.
ゲンボー先生
「改正食糧法」のページに行く.平成16年4月1日からお米の流通が大きくかわりました.必見のページです.
韓国の、米の作り方について、教えてください。
ゲンボー先生
晴信君.メールをありがとう.
詳しいことはわかりませんが.韓国も日本と同じように川や池から水を引いて水田を作っています.
作り方は日本とよく似ていて,苗代を作り苗を育て,それを田植えします. 機械化も進んでいますが,いまだに水牛を使ってたんぼを耕しているところもあります.
国の政策も日本とにていて農民を保護するためにお米の値段を決めています.そのため韓国のお米の値段は世界平均の6倍になっています.
先生は以前に韓国を旅したことがありますが,田んぼの風景は日本によく似ていました.というより先生が子供の頃の日本の風景に似ていたのです.今の日本は減反政策で(げんたんせいさく=お米の値段を安定させるために,お米を作る量を少なくおさえること.つまりお米を作らない田んぼがあるということ)稲を育てている田んぼとそうでない田んぼがありますが,韓国の場合は一面の田んぼ風景です.
ごめんね.これ以上詳しいことは先生にもわかりません.どなたか知っている人教えてください.
ゲンボー先生
こんにちは。私は札幌の宮の森小学校5年の楓です。
教室でペットボトルで稲を育てることになりました。前の5年生も育てたのですが、虫にやられて稲が全部だめになったそうです。今年はきちんと育てたいんですけれど虫がつかないにはどうしたらいいか、教えてください。
それから、稲には肥料は与えた方がいいのですか?
教えてください。
ゲンボー先生
楓さん.メールをありがとう.
ペットボトルですか..ちょっと小さいですがちゃんと面どうをみれば育てることはできます.
1.虫ってどんなのだろう・・写真があればわかりやすいのですが・・ふつう,農家の人は稲を虫や病気から守るために「農薬」をまきます.でも君たちにはこれはできないし第一体に良くないよね.そこで,つぎのことをしてみてください.
・ペットボトルの間かくをあけて風通しをよくしてください.
・晴れた日にはお日様の光をたくさんあててください.
・穂がでて黄色くなり始める前まで水を十分に与えてください.途中でカラカラにしたりすると稲が弱ります.土の表面から2〜3センチはいつも水があるようにしてください.
・穂がたれはじめたら今度は水をひかえてください.(カラカラはだめだよ・・しめっているていど)
これで強い稲が育ちますから.虫や病気に強くなります.
それでも虫が付いたり病気になることはあります.・・そんなときは・・
・虫が付いたら早いうちに手で取ってください.
・虫がふえちゃったら,先生に頼んで「殺虫剤」を軽くまいてもらってください.(薬局で売っている蚊やハエ用のでも大丈夫です.そのときにまきすぎるとダメなんですよ.)
2.肥料はあげてください.ふつうは2〜3回あげますがペットボトルですと1回でいいと思います.これもやりすぎると枯れたり,体ばかり大きくなって実が付かなかったり・・と失敗の原因にもなります.人間だって食べ過ぎると太ったり,体に負担がかかったり,病気になったりするのと同じです.ほんの一つまみでいいと思います.30センチ位に成長したらあげてください.
うまくいくといいですね.がんばってください.農作物はなんでもそうですが手をかけてあげればあげるほど良くなります.夏休み中が一番手が抜けてしまうのでここを注意してください.おうちに持って帰るのが一番いいと思います.そのときに折らないでね・・
うまくいったら写真でも送ってください.ホームページで紹介します.
ゲンボー先生
注意することもあったら、おしえてください。
宮の森小学校のかわいい田んぼです. きれいに苗が植えられていますね.・・でも,ちょっと土が凸凹かなあ・・
楓さん.ご返事ありがとう.写真付きだね・・・君が言うように,凸凹がありますね.写真で見る限り苗はまだ小さいようですから,ほんとうは平にした方がいいと思います.5センチも深いところは土を足さなくてはなりませんが,その部分だけ苗を植え直さなくてはなりません.しかし植えかえた稲は少し成長が遅れます.その判断は先生にお任せした方がいいでしょうね.
それともう一つ,もっと全体に水がはれていなくてはなりません.2〜3センチは水が入っているじょうたいですね.これは穂がつくまでです.その後黄色くなり始めたら水を抜きます.土はしめっているていどにしてください.
夏休み中の水やりが大切です.このとき水をちゃんとやらないとお米はできません.がんばってね・・・
ゲンボー先生
ゲンボー先生
それは藻です。早速手で取ってください。農薬もありますがバケツ稲の場合は手のほうが早いよ。
ゲンボー先生
学校の田んぼの稲は、こんなに大きくなりました。稲には、「ほ」や花がついてきました。ペットボトルの稲も、花が咲きました。元気です。
ゲンボー先生
楓さん.メールを有り難う.
やあ,すてきだね・・立派に育って花までついているじゃないか.君たちがしっかり育てた結果だね.あと,黄色くなって実がしっかり育つまでめんどうを見てあげてくださいね.今日は写真を本当に有り難う.すごく嬉しいよ.
ゲンボー先生
8月28日の稲です。これからの水の管理は、どうしたらいいですか?まだ、いねは黄色くなっていません。小さな黒い虫が、ついているんですけど・・・いい虫や悪い虫はいるんですか?それから、どのようになったら稲の収穫をしたらいいのですか?おしえてください。
ゲンボー先生
楓ちゃんメールをありがとう.
写真で見る限り水はまだ必要です.稲穂が完全にたれたら水をぬいてください.それから虫ですが稲に付く虫で「いい虫」はいません.全部悪い虫です. ですから殺虫剤を軽く(それでもじゅうぶんに)まいてください.(薬局で売っている殺虫剤でいいです)そして3日後にまた薬をまいてください.これで虫はいなくなるはずです.それでもいるようでしたらもう一度だけまいてください.まくときは根本から葉の裏がわまで薬がいくようにしてください.少し風のある日に風上からあげるといいですね.口と鼻はタオルでガードしてください.できれば先生などの大人の人にたのんでくださいね.
稲全体が茶色くなって穂がたれたらかりどきです。ワラもいろんなものに使えますから根本から5センチくらいでかってください。
では,がんばってください.
ゲンボー先生
稲(米)は、田んぼ(泥土)でしか育たないのですか?バケツ(水だけ)ではだめですか?
どちらがいいですか?それはなんでいねがそだつのにいいんですかおしえてください
ゲンボー先生
貴子さん.メールをありがとう.
バケツでも十分に育つから大丈夫ですよ.もともと稲は水辺で育っていた植物ですから水をちゃんとやれば,すくすく育ちます.稲の栄養は水によって運ばれてくるのです.
気を付けなくてはいけないこと.
真夏に水を忘れるとカラカラになって枯れちゃう.
穂がついて実ができたら,今度は水を少なくする.でもカラカラはだめ.
これは稲が野生で育っていた頃の気候にあわせているのですよ.その気候をモンスーンといいます.モンスーンには雨季と乾季があります.日本や韓国・中国・東南アジアや東インドはこのモンスーン気候帯で,これらの地域では米が主食になっています.
6月の今,日本は梅雨ですがこれはモンスーンの雨期にあたります.秋は乾季ですね.
ゲンボー先生
お米を食べる国はどこですか。教えてください(すべて)よろしくおねがいします。
ゲンボー先生
メールをありがとう.
お米を食べている国は沢山ありますが主食にしている国はアジア地域にかたよっています.
日本・韓国(北朝鮮も)・中国・台湾・フィリピン・インドネシア・ベトナム・ラオス・カンボジア・ビルマ・タイ・バングラディシュ・インド(東部)・スリランカ
などです.
それはこれらの地域の気候が「モンスーン気候」とよばれ,雨季と乾季がある地域だからなのです.稲は元々モンスーン気候の植物で,生育中は水をたくさん必要とし,実ができて成熟するときには乾燥していなければならなりません.
日本でも梅雨(雨期)の時期に田植えをして,穂ができて実が入るまでは田んぼに水が入っているでしょ・・その後は田んぼの水を抜いてお米を成熟させます.刈り取りの秋は乾燥していますよね・・日本もモンスーン気候なのです.
ではそうでないところは,といいますと主に麦が主食になります.
インドの西部は乾燥しているので小麦を作りそれを「チャパティ」とか「ナン」というパンにして主食にしています.それより西の中近東やヨーロッパも小麦が中心ですね.
ただし,水がたくさんあって,比較的暖かいところではヨーロッパやアフリカでもお米が作られています.イタリアのポー川流域は有名な米の産地です.
またアメリカ合衆国では主に輸出用にお米を栽培しています.(先生のページ「世界のお米」にくわしく書いてあります)
ゲンボー先生
川崎市立菅生小学校5年2組より
菅生小学校では、米作りについていろいろ調べました。その結果、農家の人たちの努力や工夫がわかりました。しかし、努力や工夫をしているのにも関わらず、だんだんとお米の生産量が減っていることもわかってきました。跡継ぎの人も減っている現在、これから先、国内産のお米を食べていくことができるのでしょうか?
教えてください。
ゲンボー先生
メールをありがとう.
お米の生産量は「食糧管理法」(しょくりょうかんりほう)という法律によって守られていたために支えられていたものです.日本は長い間米不足の国でしたから,食糧管理制度はある意味で役に立ったといえます.
しかし,君たちが勉強したように「米あまり」と「高い米価」という問題をうみました.
新しい法律でもまだ米作り農家は守られていますが,外国からやすいお米がどんどん入ってくるようになると,それも効き目がなくなります.
確かに,生産量は減るし跡継ぎも少なくなりました.しかし,暗い話ばかりではありません.
今までにも牛肉やオレンジが自由化されて「国内の畜産農家」や「ミカン農家」がつぶれてしまう,と言われていたにもかかわらず,かえって前よりも元気が出てきています.それは外国の農産物と競争することによって「味が良くなった」ために,以前よりも売れると言うことがおきたからなのです.狂牛病は国の対応が悪かったからあんなことになってしまいましたが,やがて落ち着きます.
私たち消費者にとってみれば「やすくて」「おいしい」のですからこんなに良いことはありません.
お米だって必ず,価格で外国に負けないお米が作られるようになります.事実,日本の至る所で新しい試みが行われていて,味はもちろん価格面でも外国産に負けないお米が作られ始めています.
山間部の面積の狭い水田は後継者もいないためにむずかしいですが,平野部では水田の統合や大型機械の導入などが行われて,以前よりも活気が出てくるところが必ず現れます.
それは,じぶんたちで努力すればするほど,収入が多くなり,また人にも喜ばれるからです.いままで,政府が保護しすぎたために日本の米作りは弱いものになってしまいました.これからはアイデアと努力の時代です.温室栽培やロボット栽培の実験だって行われているのです.
農家が自分の意志で判断し自分の意志でやっていく時代がくるのです.やる気のある人が次々に出てくるでしょう.これからは農業が発展産業になります.君たちの中からも農業をやる人が出てくるかもしれませんよ・・・
これからの日本のお米は次のようになります.
1.やすくておいしいお米.
2.高いけど,ちょーうまいお米.
1.は耕地整理と機械がポイントです.
2.は手間ひまをかけて大事に作ることがポイントです.
※これができないところでも「自家米」といって自分の家や親戚に分けるお米が作られていくことでしょう.
ですから,君たちへの答え...これからも日本のお米は食べられますよ.それと,外国の珍しいお米やもっと安いお米も食べられます.選ぶ幅がふえるということなのです.
ゲンボー先生
「改正食糧法」のページに行く.平成16年4月1日からお米の流通が大きくかわりました.必見のページです.
ゲンボー先生
お礼が遅くなってしまってすみません。
先日は質問にお応えしていただき、どうもありがとうございました。頂いたメールを印刷したところ、子どもたちが食い入るように読んでいました。
今までもらうことが当たり前になっていた子どもたちですが大きな学習問題に向かって自分たちで学習問題を考え家庭でいろいろ調べてきて学校で話し合う学習スタイルに変わり、どのように学んでいったらいいのか試行錯誤している段階です。
どこまで何を調べたらいいんだろう、と子どもたちも悩んでいるようですが、自分たちでいろいろ追究していくうちに「生産者の思いや工夫」などに自分たちで何か感じることができるようになりました。
今日、「将来も日本のお米が食べられるのだろうか、自分の最終意見」を交換し合いました。その後、ゲンポー先生からのメールを提示したところ、自分たちの気づきとゲンポー先生からのお返事が合う部分がたくさんあり、子どもたちは大変満足していました。
学校行事などで学習進度が遅れ、内心焦っている状態ですが、子どもたちの追究心をしっかりと育てていきたいと思います。
お忙しい中、どうもありがとうございました。
もう一つ、夏休み、私はバスケの部活の前ちょくちょく学校においている稲を見に来てるんですけど、全部とても濃い緑色で大きい物は80gととても大きいんです。しかし家の方が楽と思って五年の三分の二の生徒は家に持って帰ったんですけど、その多くが学校においている稲よりもはるかに小さいと言います。なぜでしょう。先生はわかりますか。
ゲンボー先生
有輝子さん.メールをありがとう.
1.稲と稲の間をあけてもっと風通しを良くしてください.
2.農薬は危険ですから家庭用の殺虫剤を広くサッとかけてください.この作業は先生にお願いしましょう.
3.家よりも学校の方が稲にとっての環境が良いからだと思います.だれか当番が水をあげているのですか?この時期一番大切なのは水の管理です.乾燥させてしまったらおしまいです.
がんばっておいしいお米を作ってくださいね.
ゲンボー先生
お米の事に、ついて、調べたいので、教えてください。
ゲンボー先生
美香子さん.メールをありがとう.一つずつお答えします.
1、お米は、どれぐらいの時間で、育つのですか。
約150日から180日間かかります
2、お米の種類は、どれぐらいあるのですか。
銘柄はたくさんありますが,日本お米のほとんどはコシヒカリ系で,外国の本には「日本の米は1種類しかない」と書いてあるものもあります.実際にはお酒用のおこめや,コシヒカリ系でないものもあります.銘柄だと100種類以上あります.
3、お米は、どれぐらいの長さなのですか。
種類によって異なりますが80センチから1メートルくらいです.
4、お米の、なえは、どんな所で、売っているのですか。
お米の苗は農家が自分で作るのです.前の年のお米を選別してよい種籾だけをまず水につけて,それから土を入れた苗箱にまきます.こうして苗が育ちます.田植えは苗箱をセットした田植機で行います.
新しい品種を作るときには「種籾」を種苗店(しゅびょうてん=種や苗を売っているお店)やJAで買います.
5、わたしは、お米の、なえを育てているのですが、どんなところに、気をつけて育てれば、よいのですか。
水の管理です.近くに田んぼはありますか?田んぼと同じように花が咲いて穂ができるまでは水をたっぷりあげなくてはなりません.しかし,実が付いて成熟するときには水はほとんどやらずに土が湿った程度にします.これは稲が野生のときの気候と同じ条件にするためなのです.
6、お米は、どれぐらい、昔から作られているのですか。
8千年まえインドで作られました.日本では6千年前の縄文時代にやってきました.水田が作られてたくさんのお米が作られるようになったのが今から約2千年前の弥生時代です.
7、お米について、ビックリ<おどろき>の、ニュースはありませんか。
お米のビックリは沢山あるよ.
1.だれも教えないのに一斉に花が咲く.
2.暑いところから寒いところまでもできる.
3,栄養価が高いからたくさんの人を養うことができる.だからアジアの人口密度が高い.
などなど...
もっと知りたいことがあったらメールをください.先生のページにも沢山いろいろなことが書いてあるから,まずそっちを読んでね・・・ゲンボー先生
ゲンボー先生
メールをありがとう.この次からはちゃんと名前を書いてください,
先生はお百姓さんではないので,本当の気持ちはわからないかもしれません.しかし多くのお百姓さんと話をしているのでそれを書きましょう.
1.稲が病気にならず害虫もつかず,すくすくと育ってほしい.
2.おいしいお米が沢山できて消費者に喜んでほしい.
3.とれたお米がよい値段で売れて,収入が増えてほしい.
4.外国から安いお米が入ってくるとこれから先どうなるか不安.
です.先生の住む川崎市北部や学校のある東京都町田市あたりの農家は,自家用米といって自分の家や親戚用に作っている人が多いので,
5.家族がおいしいと喜んでくれるといいなあ.
また,特別なお米を作って通信販売やお得意さんに売る人もいるので,
6.お客さんから沢山注文が来ればいいなあ.
もあります.
また,庄内平野や八郎潟のような面積の広いところでは,大型機械でお米を作りますから.
7.どうすれば安く作れて外国のお米と競争できるかなあ..と考えている人もいます.
立場によって少しずつちがうのですね.でも共通しているのは1.と2.です.
ゲンボー先生
ゲンボー先生
メールをありがとう.
1石は10斗 180.39リットル
1斗は10升 18.039リットル
1升は10合 1.8039リットル
あとは君の持っている計量カップで換算してみてください.
ところで,このように決められたのは江戸時代になってからで,それ以前は時代によって地方によって町によって少しずつ異なっていました.もちろん鎌倉時代にも何種類もの枡があって,それを換算するのが大変だったようです.単位を統一すると言うことはよほど進んだ文化を持たないとできないことなのです.
ゲンボー先生
ゲンボー先生
メールを有り難う.
大量の籾を扱う「種苗会社」(しゅびょうがいしゃ)では塩水では行いません.
1.まず網にかけて小さいものを取り除きます.
2.次に斜めにした板の上で籾を揺すります.こうすると重い籾は下にいきますね.この重くてしっかりした籾を種籾にするのです.
3.次にカビや虫から守るために消毒します.
4.最後に35度くらいで乾燥させて,袋に入れて出荷します.
これでいいですか?もっと知りたいことがあったらまたメールをください.
ゲンボー先生
また、どのような種類があるのですか?アメリカでも日本と同じ品種の米はあるのですか?あと、アメリカの米について、詳しく教えて下さい。
ゲンボー先生
メールをありがとう.
もちろんお米の品種改良は行われています.アメリカ合衆国は世界で3番目に多い米の輸出国です.ですから,売る国のことを研究して,その国の人が好むようなお米を作ったり,病気や害虫に強いお米を作ったり,収穫の多いお米を作ったりしています.もちろん日本人に好まれる種類のお米の品種改良も行っています.
コシヒカリは日本人好みのお米ですが,茎が弱くて機械で刈り取るのが難しい品種です.そこでアメリカでは茎のつよいコシヒカリを作りました.
ですからアメリカ産コシヒカリがあります.アメリカは将来アメリカ産コシヒカリを大量に日本輸出しようと考えています.
それ以外に有名のなのは「国宝ローズ」というお米です.他にも日本人好みのお米は数種類作られています.最近の日本食ブームもあって「お寿司用お米」なんて書いてあります.
しかし,一番多いのはなんといっても細長くてパラパラしているインディカ米です.世界の大部分で食べられているのがこのお米だからです.
ゲンボー先生
ゲンボー先生
まさき君 メールをありがとう.
田んぼを良くたがやすと土がとても細かくなめらかになります.この土が水の中で底にたまります.これを沈殿(ちんでん)といいます.この土が固まって水を通りにくくします.
四国のさぬき平野は雨が少ないので有名ですが,農民は昔からため池に水をためるのと同時に,田んぼを良くたがやしました.そうして水をむだにしないようにしたのです.
ゲンボー先生
すいません質問なんですけど白米はいつからできたのですか。おいそがしいなかもうしわけありませんが、よろしくおねがいします。
ゲンボー先生
詳平君,メールをありがとう.
お米にはいろいろな種類があって,白以外に赤米,黒米,緑米,紫米がありました.縄文時代や弥生時代はこれらのお米が混ざった状態で作られていたと言われています.しかし,奈良時代になるとそれぞれが分けられ,特に白いお米は何種類かに品種が分けられました.
このころから「お米=白い」というふうになりました.
もともと,お目出たいときに炊いていた赤飯は「赤米」で作っていましたが,平安時代頃からは白米に小豆やササゲ豆をくわえてたくようになりました.
つまり,奈良時代から平安時代に白米になったのです.しかし,一般には玄米の状態で食べられていました.玄米は皮がかたいので「こしき」という蒸し器でたかれました.
貴族たちはかたい玄米を嫌い,精白して「白米」を食べました.貴族は柔らかいものを好んでいたために顔が細長くなりました.白米は顔つきまで変えてしまったと言うことです.おもしろいでしょ.
つまり白米は奈良時代から平安時代にあらわれたというわけです.しかし,その時代でも武士や庶民は玄米を食べていました.一般に白米が食べられるようになったのは明治時代以後です.
さらに国民みんながご飯を食べられるようになったのは昭和30年後半以後のことです.日本はそれまで常に米不足の国だったのですよ.
ゲンボー先生
質問です。「何県のお米が最初に作られたのですか」
ゲンボー先生
直也君,メールをありがとう.
さて難しい質問だなあ・・・
日本で一番ふるいお米は岡山県で見つかっています.それは今から6千年前の縄文時代前期のことです.しかし,いきなり岡山県に稲が伝えられたわけではありません.たぶん,中国から北九州にやってきたと考えられています.このときのお米は畑で作られていたようです.(岡山県の朝寝鼻遺跡からは稲の細胞が見つかりました「プラントオパール」というガラス質の細胞です.プラントオパールは稲の仲間には共通している細胞ですが,それぞれ少しずつ形が変わっています.朝寝鼻遺跡から出た土器の土の中からは稲のプラントオパールが発見されました.)
その後,3千年前位になると水田の技術が日本に伝わります.これが縄文時代の後期です.これも北九州が始まりです.
やがて2千年前にさらに進んだ水田の技術と新しい種類の農機具が日本に伝わりました.これが弥生時代というわけで.これも北九州が始まりです.つまり昔の日本は外国からの物や人や文化はほとんど北九州にやってきたということになるのです.
それは中国や朝鮮といった進んだ国に近かったからなのです.
こうして考えてみると,日本で最初にお米を作ったのは福岡県か佐賀県ということになりそうですね.もちろん昔はそういう名前の土地ではありませんよ・・
ゲンボー先生.
質問を1つ。早生のコシヒカリが人気になり、ここ数十年間でも、お米の獲れる時期がかなり早くなっていると聞きます。一体どれぐらい、収穫の時期が早まっているものでしょうか?
ゲンボー先生
石丸さん。メールをありがとうございます。
稲作技術の進歩にともない「早稲」「短稈」(たんかん)「多収量」が昭和30年代後半からの目標になりました。
1.稲は幼穂(ようすい)の時期に台風などによる衝撃を受けると鞘が折れてしまい、収穫が出来なくなります。この時期を避けるために6月田植えから5月田植えに変わっていきました。そのために品種改良が行われたのです。また、田植機の普及は苗代作りを必要とせず、温室栽培で簡単に苗が作られるため、この点からも田植え時期を早めることができました。したがって収穫時期も2〜3週間早くなったというわけです。
2.現在の稲の葉は直立に近い付き方をしていますが、昔の稲は葉が横に開き気味でした。これは元々稲が日陰の植物だったために日光を受けやすくするためです。しかし、これですと株間を広くとらなければならず、密生させるためにはどうしても葉を立たせなくてはなりませんでした。そのために短稈種を作り出したのですが、そうなると稲の性質上穂も小さくなり収穫量が減ってしまいます。そこで「多分げつ」にして穂の数を増やしたという訳です。いずれも多収穫を目的とした技術と言うことですね。
ゲンボー先生