玉川学園・玉川大学
ここは日本のお友達との交流の広場です.ゲンボー先生とのやり取りもここで行います.
今、ゼミで日本がFTAを結ぶ場合において米をどのように扱うかということを論文にまとめています。FTAを締結している国々の多くが農産物は例外とし、特別に決まりを設けたりしています。日本において、輸入米から米を作る農家を守るということはいいことなのだろうと思いますが、経済的に考えてどうなのだろう…と考えると難しくなってしまいます。やはりこのような問題は机上論だけでは解決出来ないですよね…私の実家でも祖父がお米を作っているので、やはり農業は保護して欲しいと思ってしまいます。
質問なのですが、1995年の食糧法がどのような法律なのかよく分かりません。
農家が出荷数量を食糧事務所に届けるだけで直接消費者に販売できるようになったと、あるHPにあったのですが2004年の改正食糧法との違いがよく分からないのです。
御教授頂ければ幸いです。お願いします。
ゲンボー先生
金子さん、メールをありがとう。
1995年の食糧法改正は1942年に制定された食管法を改正したものです。1942年(昭和17年)に制定された食管法は米はすべて政府買い上げとし、価格の決定配給の量などすべてが政府の管理下におかれるものでした。国民は一月に食べる量が決められ決まった量だけを配給されました・・とはいってもお金は払うのですよ・・・戦後間もないころは食糧が不足して国民すべてが餓えていましたから、食管法は必要な法律として生き続けました。
当時はどの家にも「米穀通帳」があり、月々の配給分が記入されるようになっていました。旅行に行くときは「外食券」を発給してもらい、それがないと旅館でご飯も出ないという仕組みになっていました。
しかし、昭和25年の朝鮮動乱をきっかけに日本経済が立ち直るにつれて配給制度もゆるみ次第に形骸化してきます。
政府は米の増産を図るために土地の改良・新技術の振興・品種の改良を行いましたが、同時に稲作農民の経済的な保障を行うために「政府による買い上げ」つまり安定した価格維持をおこなうために食管法を堅持してきました。
それまでの食管法は消費者のためにあったものですが、昭和30年代以降の食管法は生産者保護の法律になっていきました。しかし、それまで慢性的な米不足だった日本にはある意味で必要な法律だったのです。
お陰で昭和37年頃からお米の自給率は100%に近くなり、「米不足だった日本の歴史」に終止符を打つことになりました。
ところが、こんどは「米あまり」の状況になってしまいました。100%政府買い上げが原則ですから、政府の米倉には古米があふれ赤字は国家の財政にも影響を与え始めました。ちょうどこのころ日本人の食生活にパンやパスタなどの米以外の食文化が広まりはじめ、米の消費量は減少し始めました。生産者は増産しているのに消費者は米離れをするという皮肉な状況になってしまったということです。
やがて、二つの要因が食管制度を揺さぶることになります。その第1は「米作農家の反乱」です。反乱というのは大げさですが、「自分の作りたい米を作り、食べたい人に食べてもらう」という農家が出始めたのです。つまりそれまで米の価格はほぼ一律でしたが、うまい米を食べたいという消費者のニーズから、いわゆるブランド米を栽培する農家が出始めたのです。「あきたこまち」「コシヒカリ」「ササニシキ」などですね・・農家は特別に手をかけてうまい米を作ったのだから当然高く売れて当たり前と考えます。そこで今まで農協に納めていた米を直接販売したり通販で売る農家が現れました。政府は躍起になって禁止しました。裁判も行われましたが時代の流れに逆らうことはできずに「自主流通米」を認めることになったのです。ここにいたって食管法は全く形骸化したものになってしまいました。
政府はこの後も価格維持を守るために生産調整を行い、いわゆる「休耕田」を一律に設けることを生産者に求めました。この制度は今も続いています。
第2に、海外との価格差です。長い間保護し続けてきた米価は国際価格の7倍から10倍という高価格になってしまいました。これに気付いた消費者が米の輸入自由化を求めたのです。この動きに敏感に反応したのが米輸出国で中でも米国は強力に輸入自由化を迫りました。これがご存じのウルグアイラウンドです。日本は当初総量規制を行っていましたが、海外からの圧力で関税化に切り替えました。これでいくと年ごとに輸入米価が下がり、やがて国産米より安く流通ルートに乗ることになります。(現在は量が少ないですから原料米や飼料、それに備蓄米にまわされ一般消費者の目にはとまらないようになっています・・ま、これは時間の問題です。)
というわけで1995年に食管法の大幅な改正が行われ、ほぼ現行の制度に近いものになりました。その要点は・・・・
1.自主流通米を認める
2.価格は政府でなく、価格形成センターで決める
これらは「計画流通米」とよばれ政府が把握できる米です
3.「計画外流通米」を認める
計画外流通米とは農家が直接消費者に売るお米で主にブランド米と言うことになります。これは政府に把握されないお米です。
このように、配給に頼らなかければならなかった時代の食管法は1995年に無くなりました。以後は比較的自由に米の売買が公に認められるようになったのです。ところがこの制度も実態にそぐわないと言うことで2004年に再び改正が行われました.
ここからは、私のページを見てください「改正された食管法」です。かなり分かりやすくまとめてあるつもりですので、よろしいでしょうか?
消費者にとってはできるだけ安くてうまい米を望みます。しかし稲作農民にしてみれば「今までの苦労」「経営の安定」という意味から「完全自由化」はとてものめるものではありません。さらに環境保護という観点からも水田の消滅は望ましいものではありません。日本人の歴史は米によって支えられてきたもので、米は日本の文化といってもよいものです。どうすれば両立できるのか・・これは大変に困難なことですが否応なく訪れるものでもあるのです。
私見ですが、日本が米輸出国になる方策のみが稲作農家を守る唯一の、しかも永続的な道なのではと思っています。・・・・ここから先は書いてしまうと差し障りがあるのでやめますが、興味があるようでしたら連絡ください。
ゲンボー先生
穂先もたれてきており、ほとんど収穫も近いように思えるのですが、どう対処して良いかわかりません。黒くなった実の部分をむいてみると、中はどうもないようですが、これは食べられるものなのでしょうか?それとも処分してしまうしかないのでしょうか?
今から殺虫剤をまいたり、木酢液などで殺菌したりしても意味がないのでしょうか? 子どもは収穫を楽しみにしておりましたので、なんとかならないものかと思っております。どうかお知恵を拝借させていただけませんでしょうか? 佐藤
ゲンボー先生
佐藤様
白い虫とはどのような虫かもう少し具体的に教えてください。できれば写真があればイイのですが・・・
虫にもよりますがオルトランのようなある期間滞留するものは収穫期が近いだけにおすすめできません。芋虫程度でしたら市販の殺虫剤(薬局で売っているような)を1メートル以上離した風上から、葉の裏側にもつくような角度で一回だけ噴霧してください。薬液が葉についているのが分かるほど噴霧してはいけません。まんべんなくしかもサッとです・・・
黒いのはイモチではなくカビだと思います。一般的に穂イモチは白に近いネズミ色になります。今年は全国的に日照時間が少なく各地でイモチ病やカビが発生しています。
黒くなっていても籾の中はどうもなっていないと言うのであればそのまま収穫しても差し支えありません。しかし、そのままだとカビが中まで進行するおそれがありますので、とにかく日当たりのよい風通しのよいところに出してください。木酢液はカビに効果があると思いますがあまり何度もかけない方がこの場合良さそうです。
穂がたれて黄色っぽくなったら土は湿っている程度にしてください。とにかく日照時間を稼ぐこと・・これがとても大切です。
ゲンボ−先生へ早速のお返事ありがとうございます。
虫ですが、始めは1〜2匹ほど、茎の部分についていて、その度にとっていましたが、今日、風通しを良くした方が良いと思い、2個ある入れ物を離して枯れた葉を取ってみたところ、根元の部分に大量に発見しました。今まで入れ物がくっつきすぎていて気が付かなかったのですね。黒いものがカビということで、原因もここにあると思いました。
大きさは1mmぐらいのものから、大きいもので3〜4mmぐらいでしょうか。白くて、羽はあるんだかどうか、つかまえようとするとはねるのでよくわかりません。葉をゆさぶると下にぽろぽろ落ち、ひっくりかえってじたばたしたり、そのまましばらく動かなかったりするのですぐにつぶせそうですが、いざつぶしにかかろうとするとはねてどこかへ逃げてしまいます。どんくさいんだかすばしこいんだかわからない不思議な虫です。
下に落ちたところは、一見何かの草の種のように見えます。このような説明でおわかりになるでしょうか?本来ならすぐに写真を送りたいところなのですが、虫が小さくて、主人のカメラでなければ恐らく判別できるような写真が送れないことと、パソコンの扱いにくわしくないもので、主人の手の空いた時に頼まなければならない為、少々時間がかかるかもしれません。
それから、穂は、すっかり茶色になって収穫できそうな状態のようにも見えますが、下の方には数本、まだ緑色のものがあったりもします。このような場合でも水を減らしてしまって良いものでしょうか?また、収穫は、どういう状態になるとできるものでしょうか?(佐藤)
ゲンボー先生
お母さん、お早うございます。
写真がないので特定はできませんが多分セジロウンカという稲独特の害虫のようですね・・茎から養分を吸いとって稲を枯らしてしまいます。セジロウンカは黒い分泌物を出すので葉や茎が黒く汚れます・・カビと思ったのはこれかもしれません。いずれにせよ一刻も早く殺虫剤を軽く噴霧して殺虫しましょう。
十分に実れば穂が垂れ下がります。茎も葉も黄色くなっていますが多少緑を残していることもあります。お話を伺う限りではもう収穫期のようですね。佐藤さんのお宅でどれだけの量を栽培しているのか分かりませんが、テスト的に穂の一つをとって籾すりをしてはいかがですか?それでお米が十分に育っていたら収穫です。収穫後1週間は稲ごと干してください。
分からないことがあったらまたメールをください。ところで佐藤さんのお宅はどちらですか?
ゲンボー先生
ゲンボ−先生、おはようございます。今朝、主人が写真をとってくれたので送ります。セジロウンカのようだということですが、確かに葉の黒い部分にさわってみるとべと付くような感じがしてとれません。でも穂のお米の部分で変色しているものはちょっと違うような感じもします。いずれにしても今日、これから殺虫剤を買って、早速まいてみます。市販の殺虫剤のようなものでいいんですよね?
それから、穂は垂れていますが、葉はまだ緑色です。もう少しおいた方が良いということでしょうか?中の方にはまだ緑の穂が育ち切っていないものもありますが。籾すりというのは、籾がらをとることですよね?すみません。何ぶんすべてがはじめてなもので、よくわからないことだらけです。
でも、こうして毎日ベランダで成長する稲と格闘してみて、いかに農家の方が大変な思いをされているのかがよくわかります。同じ入れ物に植えていても、壁側と道路側とでは成長の仕方が異なるし、ほんのちょっとしたことでこれだけ差がわかるのですから、、、、。ほんとうは子どもにこういうことを理解させなければならないのに、親のほうがこの年になって始めて実感している有り様です。
そうそう、我が家は、横浜市のJR東戸塚駅から15分ほどのところにあります。交通量の割合多い道路に面したマンションの7階なので、こんなところにどうやって、お米に付く虫がやってくるのか不思議です。彼らはどこからやってくるのですか?では、ともかく殺虫剤を買いにいって来ますね。
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佐藤さん
こんにちは・・トビイロウンカみたいですね、それと3は虫ですか?分泌物ですか?カメムシみたいにも見えるなあ・・・いずれにせよ、掃除機で吸うという手もあります・・虫を吸ってからすぐに殺虫剤をノズルから吸い込み完全に駆除する・・あとはゴミバッグをゴミ袋に入れてポイ!(笑)それから、前のメールにあるように稲に殺虫剤をまく・・・・株もとに多くいるようですからそこを特に入念に・・・
プランターはベランダの最も陽当たりの良い風通しのよいところに置いてください。
お母さんの説明の様子からすると収穫はまだですね・・
干し終えた稲は、穂からモミ米をとりはずします。少ないようでしたら手で十分・・そのあと板と板の間にモミ米をおいてゴリゴリこするとモミがはずれて玄米が出てきます。これを更に精白して白米のできあがりです。精白機はストアに置いてるところもあります。量が少ないでしょうからちょっと拝借で宜しいのではないでしょうか(笑)無ければ戦争中のように瓶に入れて棒で突く・・・いいなあ!!!
頑張ってください。
戸塚の周辺には田んぼがあります・・彼らは風に乗って羽ばたいてやってきます・・そしてめざとく稲を見つけると・・佐藤さんお家のようになってしまうのです(笑)
ゲンボー先生
3は、株の根元を分けた所にころころとはさまるようにしてついています。まったく動かないけれど、裏側になんだか足のようなものが見えてちょっと気持ち悪いです。(だんご虫の足のようです)
今日殺虫剤をまいてみましたが、やはり根元のほうは茎が密集していることもあり、駆除しきれないようです。どれくらいかけて良いものか、勇気がいりますね。先生がおっしゃるように掃除機で吸い取る方法が一番かもしれません。明日早速やってみます。
ベランダは南向きなので陽当たりは良いのですが、布団を毎日干すので、今までは一番はしに置いていました。でもこれからは、布団を干すのも少し回数を減らし、それ以外の時はまん中へ移動させて容器も離して置くようにします。ここは比較的高台にあるマンションの7階で、周囲には田んぼはありません。それでもこんなところまで飛んでくるなんて、物凄い根性にびっくりです。本当に農家の人は大変なんですね。
収穫の仕方まで教えて頂いて、本当にありがとうございました。収穫まではもう少しのようなので、それまでもうひとふんばり、がんばります。収穫できたら”瓶に入れて棒で突く”方法でやってみますね。テレビで見ていて、一度やってみたかったんですよね、実は。
本当にお忙しい中、大変お世話になりました。ありがとうございました。佐藤
ゲンボー先生
主婦もお米も新米は水分が多く水をやや少なめに炊くのがコツです(笑)しかし、生煮え状態というのは尋常ではありません・・・質問ですがご飯は何で炊いていますか?電気釜・・ガス?・・薪?
考えられることは・・・
1.水の分量を間違えている
2.炊飯器が壊れている(サーモスタットが壊れている・・・)
このどちらかですが、たぶん1でしょう・・・(と思います)計量カップや目盛りでやるのは分かりやすいですが、冒頭に書いたように新米と古米では水分量が微妙に異なります。
僕はこどもの時に「手のひらをあてて、中指のこぶしの出っ張りのところ」と習い、以後はず〜っとそのようにしています。時々柔らかくなったり固くなったりしますが、まあ失敗と言うことはありません。
何事も経験ですから、いろいろ試してみてください。
ぐちゃぐちゃライスねえ〜〜(笑)・・おかゆという手もあるがドリアという手もあります。正式なドリアは半生ですがこの際グラタンでごまかす・・他にはコロッケ・・・タマネギのみじん切りと挽き肉を炒める・・茹でたジャガイモをマッシュする・・これを混ぜ合わせ衣つけて揚げる・・具の味付けはシンプルな塩胡椒でもいいし、醤油味とかカレー味もある・・・とにかくおかずにしてしまう・・いろいろな材料を工夫してやってみてください。あなたのオリジナル「ライスコロッケ」ができると思います。生煮えだったらリゾットもできるかも・・
2だったら・・というかあまり考えられませんが、即修理です・・
そうそう、生煮えだったらもう一度炊けば炊きあがりますよ・・そのかわりすぐにですが・・・
頑張ってください!
お返事ありがとうございます。理由はハッキリと分からないままなのですが、これからはもう少し慎重に炊きたいと思います。電器釜です。しかし、沢山のリメイク法教えて頂き参考になりました。ありがとうございました!
ゲンボー先生
メールをありがとう・・それは学校で作ったお米ですね?・・・・・・・白いのは十分に熟したお米で、黄緑色のはちょっと早く収かくしてしまったお米です。もちろん食べても大丈夫ですよ。
中国での雲南というところには、青さの残るお米をわざと収かくしてから、炒って(いって)食べる食べ方もあります。これは日本にもあるようで、それはそれで美味しい食べ方なのだそうです。
ゲンボー先生
農薬を使うと、病気もでにくくなり、お金もそこまでかからずに楽にお米作りが出来ます。農林水産省、その他色々なHPで農薬は色々な検査をしているので人体への害は、心配ないと書いてあります。
なのに、何故農薬をお金と時間をかけてまで減らすのでしょうか。本当に安全ならそんなこと必要ないと思います。中2 町田市 麻衣
ゲンボー先生
麻衣さん、メールをありがとう。
人間の薬も量を間違えれば毒になりますね。また、飲む時期を逃すと治りも悪いし、たくさん(長い間)飲み続けなければなりません・・農薬もそれと同じで「やりすぎ」たり「タイミング」を逃せば必然的に量が増えて害がおきます。
昔の農薬は毒性が強く人体にも影響を与えるものがありましたが、最近では効果的に使うために「時期」をよく見極めて少量を使うようになってきました。
たとえば「いもち病」は稲の葉っぱや茎などにつく怖いカビですが、天候が不順になって「あ・・今年は危ないな・・」と思うときに少量をまけばそれで防ぐことができます。優れた農家ではそういうことにたいへん気を使って「少農薬」に心がけています。
ところが、全部が全部そういう農家ばかりではありません。手遅れになって大量にまいたり、これだけまいておけば大丈夫だろう・・などと、安易に農薬に頼る農家も多いのです。
そういうことなので、今では農薬の会社も人や動植物に優しい農薬を作ろうと努力しています。しかし、そうした農薬だって最初に書いたように使い方を間違えば害が出ます・・ようは、使い方の問題だし、農家の意識の問題も大きいのです。
では、まったく農薬を使わないとするとどうなるかと言えば、世界の農業生産は半分以下になり、世界中・・とくにまずしい国で大量の餓死者がでることになります。日本人だって今の価格より何倍も高い農作物を食べなくてはならないようになるし、もし、外国からの輸入止まるとなると半分の人・・つまり5千万人くらいの人が飢えると言うことになるのです。つまり、君のクラスの半分が飢えたり死んだりするんだよ・・・ 農薬や人工肥料をまったく使わないという農業もありますが、そればかりでは食べていかれません。
良くも悪くも、現代の農業は農薬や人工肥料に支えられて成り立っているということなのです。
農薬=悪、と思っている人がけっこう多くいますが、こうした問題は感情にとらわれず広い目で見ていかなければなりません。
ここから先は皆さんで考えてください。ゲンボー先生
ゲンボー先生
メールをありがとう。
昔ってどのくらい前だろう・・・正確な数字が残っている昭和10年からの10年ごとの数字です
昭和10年 8,619,000トン
昭和20年 5,872,000トン
昭和30年 12,385,000トン
昭和40年 12,409,000トン
昭和50年 13,165,000トン
昭和60年 11,662,000トン
平成7年 10,748,000トン
平成17年 9,062、000トン
昭和10年代の人口は6,900万人で、農業技術も低く生産量は多くありません。日本人のすべてがお米を食べられるという状態ではありませんでした。
昭和20年は日本が戦争に敗れすべての生産量が減った年です。農村の若者も兵隊にとられていました。また多くの人も戦死しました。
昭和30年代は政府が高値でお米を買っていたために、お米の生産がとても延ました。また機械化も進み40年代には作りすぎになってきました。これは50年にも続いています。
しかし、お米を作りすぎないようにと言う政府の方針で減反が始まると徐々に生産量が減ってきます。このところは先生のホームページにくわしく書いてありますからそれを読んでください。昨年はついに1千万トンをわりましたね・・これには理由が二つあります。1つは外国のお米を買う量が増えているからです。しかし、もう一つは君が考えてください。ヒントは今日の君の食べたものです・・・
ゲンボー先生
ゲンボー先生
里奈さん、メールをありがとう。
有機農法とは「化学肥料を使わない農業」のことです。有機物というのは自然にある動植物のことで、昔の人は落ち葉や動物の糞(ふん)などで肥料を作っていました。2〜30年前までは人の糞尿(ふんにょう=ウンチやおしっこ)から肥料を作っていましたが、今ではさすがにこれはなくなったようですが、牛糞(ぎゅうふん)や鶏糞(けいふん=にわとりのフン)は今でもつかっています。
植物を育てるために「ちっそ」「りんさん」「カリウム」という三つの物質が必要です。これらの物質は化学工場でクスリとして作られています。ですからこれを直接畑にまいてもいいのです。これが化学肥料です。化学肥料ができたおかげで農業の生産量はとてもふえました。いまでも、世界の多くの場所で大量の化学肥料が使われています。もしこの肥料がなければ世界の人口の半分は食糧が無くなってしまうだろうとも言われています。それほど大切なものなのです。しかし、化学肥料では使い方を間違えると植物を弱めたり、栄養のかたよった野菜になってしまいます。君だってご飯の時にいつも同じものが三種類だけじゃいやでしょう?(笑)・・・それは、人間だっていろいろなものを食べるからじょうぶな身体ができるので、植物も同じようにちっそ、りんさん、カリウムだけでは強くならないし、おいしくないのです。
そこで、経済的にもよゆうのできた国では、少しぐらい高くなってもいいから化学肥料にたよらないで、おいしい野菜を作ろうと言う人や、そういう野菜が食べたいという人がふえてきました。それでうまれたのが有機農法です。
あたらしい有機農法は落ち葉や動物の骨やフンをまぜたもの、そうしたものを発酵(はっこう=目に見えない小さな菌(きん)が動植物を分かいしてべつのものにすること、チーズやヨーグルト、なっとう、などはその代表)させる菌をまぜたりして作っています。
こうして作られた有機肥料は自然の栄養がたっぷりまざっているので、植物も強くたくましく育つのです。そのために病気になったり虫もつきにくくなりました。
でもこの方法だと大変に手間がかかります・・肥料を作るのも時間がかかるし、耕した畑にていねいに肥料をまぜたり・・・・ですからねだんも高くなります。高いと買う人も少ないので作られる量も多くありません。君の住んでいる宮崎県はピーマンやさといも、ごぼうの大生産地ですね・・おいしい野菜をたくさん作るために農家の人はどのような工夫をしているでしょうか?ちょくせつ農家の人に聞いてしらべてみてごらんよ。
ゲンボー先生
1、一番初めに日本でできたお米の名前は何ですか?
2、一番、最近出たお米の名前はなんですか?
3、今、古代米はどうなっているのですか?
ありがとうございました。これで質問を終わります。できるだけお早めにご返答願います。
5年 夏希
ゲンボー先生
夏希さん、メールをありがとう。
1.縄文時代の終わりごろにも弥生時代にも、その次の古墳時代にもお米の名前はあったと思うのですが記録が無いためにわかりません。
奈良時代になると「白和世」「白稲」という種類があらわれます。現在分かっている一番古い品種がこれです。
2.一番新しいのはねえ〜・・・毎年のようにできるから難しいのですが千葉県の「ふさこがね」「ふさおとめ」なんか新しいですね。これは去年できた品種です。
3.ヘルシーブームで生産量は増えています。特に赤米は身体にいいポリフェノールが大量に含まれているために最近ではスーパーでも売られるようになりました。それ以外にも黒米や緑米も増えています・・・
ゲンボー先生
よろしくご指導をおねがいします 黒須
ゲンボー先生
日本におけるため池の歴史は古く、律令国家となるあたりから既に大和・讃岐・播磨の三国では多くのため池が造られてきました。これら三国に多い理由は気候条件によるもので、時代毎の支配者によって農業生産、主に米の増産を目的として作られたものです。やがて、江戸期になると農民の管理が行き届くようになり水の分配や排水時期、共同管理など細かなルールが決められていきました。
ため池管理の大きな問題は
1.ため池の管理・修理
2.水の分配
3.分配の時期
で、ご質問の内容は特に2と3に関わります。
通常ため池には水を取り込む掛水路(かけそ)と特定の地区・水田に水を通す送水路、一定の貯水量を保つためと堤防保護のために造られる除げ(よげ)と呼ばれる排水口、そして池底に通された樋菅には栓が設けられ、この栓を讃岐地方では「ゆる」といいます。「ゆる」から放水された水は水門で各水路に分配されます。水門は水の調節になくてはならないもので古来よりその管理は厳重に行われていました。
ため池の水門は「ゆる抜き」と称して、まさしく栓を抜くわけですが、一時に全てを放水してしまうわけではありません。
水量調節の方法は古代からあって、大きな水圧がかかる樋菅には池側にも水の出口になる栓がついています。讃岐地方ではこの栓の形がスッポンの頭に似ているところから「スッポンゆる」と呼んでいます。「スッポンゆる」を先端に着けた筆木を抜けば水が放水され、再度ユルを突っ込んでで出口をふさいでしまえば放水を止めることが出来ます。こうした放水方法のことを「加減抜き」といいます。平成6年の大渇水の時には全ての池でこの加減抜きが頻繁に行われたと記録されています。
讃岐平野の場合は親池から放水された水は複数の子池に分散され、子池の水はさらに孫池に回されます。それぞれの池では水田への放水が始まっていますから、大規模ため池の水は無駄なくそれぞれの池に貯水されるというシステムです。
ゲンボー先生
社会の宿題で困っています。米作りにかかる費用をおさえるための工夫を、まとめる宿題が出たのですが、インターネットで色々調べてもわからなくて・・・
ゲンボー先生
教えてください。おはよう!メールをありがとう。でも、この次からはお名前と学校名を書いてくださいね・・・
米作りにかかる費用は何か・・を考えればいいのですが、お米のねだんは野菜と違って、安すぎないように一定の値段が決められています。この仕組みは先生のページにある「改正された食糧法」を見てください。
お米は田んぼで作られます必要なものと手順は
1.田んぼを耕す
2.苗を植える
3.雑草を取る
4.肥料をあげる
5.水の管理をする
6.稲刈りをする
7.イネを乾燥させる
8.脱穀をする
9.イネを出荷する
です。細かく書くともっとあります。つまりイネを育てるには
1.種もみ
2.肥料
3.田植機
4.農薬
5.耕耘機(こううんき)田んぼを耕したりものを運ぶ
6.稲刈り機
7.機械の燃料代
そして 農家の人の賃金
が必要です。ところが1〜7はどれも必要でこれ以上けずることは出来ません。農家の人も会社つとめの人と同じくらいの収入が欲しいですね・・・となると安く作るのはとても大変なことだと言うことが分かるでしょ・・・
しかし、外国からは安いお米がどんどん入ってきます。日本のお米も価格の点で競争が必要です。そこで石狩平野や庄内平野あるいは大潟村や越後平野といったもともと広い水田地帯では、田んぼの境(畦=あぜといいます)を取り払って、広い面積にして大型機械で一度に作業をすることが進められています。小さな田んぼごとに機械を買ったり人手をかけずに済むからです。
こうした取り組みは日本中に広がりつつあります・・こうするのが一番効果的にお米の価格を下げることが出来るからです。
ゲンボー先生
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