みんなの広場「日本のお友達11

玉川学園・玉川大学

ここは日本のお友達との交流の広場です.ゲンボー先生とのやり取りもここで行います.

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@mb.infoweb さんより

お米を たくさん作っているのは、日本の北のほうにおおいと思うのですが それは何でですか。ぼくは、降水量がおおいからだと思うのですが、そうですか。どうして新潟ではおいしいお米ができるのですか。(平成12年5月)

ゲンボー先生

メールを有難う.くわしい答えは お米のページの「みんなの広場」「日本のお友達8」の三鷹市立第六小学校 5年生沙紀さんの質問に,ゲンボー先生が答えていますから.そちらを良く読んでください.それでも良くわからないときには,またメールをください.降水量とは直接関係はありません.

簡単に言うと,お米の中にはもともと寒さに強い性質があったこと.それに昼と夜の温度の差が大きいこと.次に水が良いこと.そして品種の改良です.新潟ではこれのことがうまくいっているからおいしいお米ができるのです.

それから,宣伝がうまいということもあります.いくらうまいといっても.とれたての新米はどこのものでもおいしいものです.特別,新潟のお米がうまいというのは,新潟=こめどころーうまい!というイメージも大きく関係しています.

ところで,君はどこに住んでいるのですか?君の家の近くに田んぼはありますか?あったら,農家の人がどんな努力をしているか聞いてみてください.

ゲンボー先生より


金沢市立犀川小学校5年の美里です。

こんばんは庄内平野の米作りが盛んな理由を教えてください。おねがいします。(平成12年5月)

ゲンボー先生

美里さん,メールを有難う.

庄内平野のことは「お米の学習」ホームページの「みんなの広場」「日本のお友達10」の宮城県仙台市立北中山小学校の涼人君からの質問に,先生が答えていますから,そちらを見てください.

それで分からないことを,具体的(ぐたいてき=はっきりとした)に質問してください.例えば,「なぜ防風林が必要なのですか?」「湿田だと田植えや稲刈りはどうするのですか?」などです.新しい質問を待っています.

ゲンボー先生より


ゲンボー先生へ

こんにちは。

ぼくは、貴大です。今、米について勉強しています。「米作りのなやみ」についてぼくは、調べています。そして、資料を集めています。もし、よろしければ、なやみについて教えてください。(平成12年5月9日)

ゲンボー先生

お米作りについてお百姓さんは色々な努力をしなくてはなりません.うまくいけば良いのですがそうでないこともたくさんあります.ここでは,簡単に農家の「なやみ」を説明しますから.その中でもっとくわしく知りたいことがあったら,また先生にメールをください.

米作り農家のなやみ

1.田植えの準備をする時は,あらかじめ種籾(たねもみ=お米の種)を水につけなくてはなりません.一度水につけると発芽(はつが=芽が出ること)がはじまります.今では田植えには機械を使いますから,水につけた種籾は素早く苗箱(なえばこ)にまきます.こうして苗が15センチくらいになった時に田植えをするのです.あたたかい地方ではそれほど気にすることのない作業ですが,寒い地方ではその年の天候によって,早く田植えをしても大丈夫な年と,早くまきすぎると冷害(寒さで苗がやられてしまうこと)にあう危険があります.つまり,田植えのだんかいから農家のなやみははじまっています.

2.冷害以外にも「いもち病」「黒斑病」などの病気.あるいは害虫によるひがいがあります.最近では農薬も以前のようにたくさん使わなくなりましたから,土そのものを深く耕す(たがやす)ことや自然の肥料を多くあげて丈夫にしようという方向にむいています.ですから稲刈り後の作業も大変です.それでも病気は出ますから「どのくらい薬をまこうか?」と,こうした悩みもあります.

3.お米は成長期に水をたくさん必要とする植物です.ですから5月から8月ごろの間に水が不足すると大変なことになります,今は水路が整備(せいび=ととのうこと)されていますから,昔よりは心配はへりましたが,それでも異常に雨が降らない時などは大変です.このことに関しては讃岐平野「平成6年の大干ばつ(人々はどのように干ばつを克服したか)のページ 」に,香川県の水不足についてくわしく書いてありますから,参考にしてください.

4.土地の質の悪いところでは客土(きゃくど=他から良い土を運んでくること)をしなくてはなりません.石狩平野(北海道)は客土の歴史です.遠くの山や川のふちから大量の土を運んで,ようやく田んぼにすることが出来ました.今でも客土をしているところはあるのです.

5.台風はせっかく実ったお米を倒してしまいます.稲は実が出来てその実が成熟(せいじゅく=成長すること)する頃は,乾燥させなくてはならないのです.稲が黄色くなるころに田んぼには水がないでしょう・・ところが台風などで稲が倒されると,結果として水につかってしまいます.こうなるとお米の質が落ちたり,稲刈りの時にこまったりします.場合によってはモミから根や芽が出てしまうことがあります.それで,風でも倒れない稲の品種改良が行われているのです.ところがおいしいお米ほど倒れやすいのです.こまっちゃうね・・・

6.さて,最後にして最大のなやみです.お米は昭和40年代まで不足していたため,政府が値段を決めて農家から買っていました.それを決まった値段でうっていたのです.ですから他の作物のように年によって値段が変わることもなく,農家にしてみれば「作れば必ず決まった値段で売れるお米」は,収入の安定した最高の作物でした.このことを決めた法律が「食糧管理法」(しょくりょうかんりほう)です.このことについてはこのコーナーの2ページ3ページにくわしくのっています.

ところが,お米が余ってきたり,外国から「安いお米を買ってくれ」という要求が出てきたため,政府はそれまでの食糧管理法をなくして新しい食糧管理法を作りました.

新しい食糧管理法によって,年ごとにお米の値段を下げるようになってきました.更に「自由にお米が作れるようになる」と,地域によっての味や値段の競争が出てきたのです.そうなると「安くて」「おしいしい」お米を作らなければ,収入がどんどん減っていくことになりますね.この競争がどんどん激しくなってきます.ですからお年寄りだけが細々とお米を作っているようなところでは,自家米といって自分の家だけで食べるお米をつくる程度になると言われています.自動車や電車にのると一面に広がっている田んぼの風景も,君が大人になる頃にはずいぶん変わることと思います.

日本の国で100%まかなえる食べ物は「お米」だけだったのですが,外国からお米がどんどん輸入されて,そうでなくなる日が近付いています.

このことについて君はどう思いますか.どうなればいいと思いますか・・そしてどうすればいいと思いますか?考えてみてください.君がやっている「お米作りのなやみ」はすごく良いテーマだと思います.そのテーマをぜひ発展させてください.

ゲンボー先生より 


ゲンボー先生へ

先生、このまえは、どうもありがとうございました。米のなやみについて質問した、山梨県御坂西小の貴大です。このまえの資料は、とてもやくにたちました。

あの資料を読んでいたらほかの人も集まってきました。「次かして」「ちょっとそこみせて」という人もいました。とても、やくにたっています。先生にいったら、「この人は、お米のことについて、よく知っているね。」といいました。みんなにわかりやすいように、説明文をがんばって、書いています。また、疑問があったら質問したいと思います。その時は、またよろしくおねがいします。

ゲンボー先生

貴太君 メールを有難う.

君の役に立ててとてもうれしいです.これからの学習は君がしたように,他の学校や学年をこえて勉強しあうようになります.とても便利ですね.コンピュータを上手に使えるようになると,もっともっと便利になりますから,がんばって練習してください.

しかし,コンピュータばかりがうまくなってもダメなのです.実際に物が作られたり本物を見聞きすることも大切です.身体を動かして汗を流すことはとても大切です.ですから,こんどはお百姓さんに直接話を聞いたり,実際に田植えや草取りが手伝えると良いですね.そうすれば君の学習は「ほんもの」になります.

お友達や先生によろしく伝えてください.先生はもと中学校の社会科の先生で,今は大学の研究所にいて今回のようなコンピュータをつかった学習の研究をしています.鎌倉時代の学習ページも作ってありますから,6年生になったらそこも利用してください.質問はいつでもOKです.社会科のことでしたら答えられると思います.

ゲンボー先生より

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