玉川学園・玉川大学
ここは日本のお友達との交流の広場です.ゲンボー先生とのやり取りもここで行います.
質問は、稲を、食べてしまう虫を、どうやって、退治しますか。農薬を、使うと、消費者に被害を、あたえます。どんな工夫を、していますか。それとも、農薬を、使ってしまうのですか。
教えてください。お返事待ってます。
ゲンボー先生
今のところ「農薬」以外に害虫を退治する方法はありません.最近になって「害虫を食べる虫」を放す方法や,害虫自身の遺伝子をかえてしまい「子孫が産まれない」方法などの研究が進み実用化されはじめたようです.温室などと違い広い範囲なのでなかなか難しいようです.
「昔の人」は「虫追い」などといって煙を炊いたりしましたが,現在ではやはり農薬に頼っています.ただ以前のように強くて人にも影響を与える農薬は使われなくなりました.また低農薬といって「稲自身」を強くして虫がつきにくくしてわずかな農薬で害虫を退治しています.
新聞などでは農薬や化成肥料は「人類の敵」という扱いを受けていますが,実際に肥料や農薬を使わないと生産量はものすごく減ってしまうのです.日本は米が余るほど食糧が豊富な国ですが,世界のほとんどは「飢えている」状態なのです.農薬や肥料,それに保存料などをうまく使うことがたいせつなのですね.
ゲンボー先生
お米の中に虫が発生しました。白くて、先端が赤い虫です。ぐにょぐにょしたかんじです。なんという名前なのですか?どうしたら発生しないのでしょうか?
ゲンボー先生
メールを有難う.お米にはいろいろな害虫がつきますが,質問の虫は「穀象虫」(コクゾウムシ)か「小穀象虫」(ココクゾウムシ)でしょう.先端が赤いというのでコクゾウムシにまず間違いないと思いますが,つぎの事を確認してください.
幼虫の段階ではコクゾウムシはお米の大きさより1まわり小さい程度ですが,ココクゾウムシは1ミリほどしかありません.
その虫はたくさんいるのですか?いくつかを飼って成虫まで様子を見たらどうでしょうか?コップに幼虫の入ったお米を他のお米とともにいれておけば,しばらくするとゾウの鼻みたいに長い口を持った成虫になると思います.そのときの大きさが3.5ミリ〜4ミリだったら,コクゾウムシ,2ミリ程度だとココクゾウムシです.
コクゾウムシがたくさん発生したときには,お米を全部捨ててしまうことです.もったいないけど,こうしなければ次々に発生する可能性があります.で,空になった米びつの中を良く掃除します.お米の破片や糠(ぬか)が四隅に残っている場合がありますが,こういうのが一番アブナイのでここも良く掃除しましょう.
コクゾウムシは暖かいほど多く発生します.北海道・東北では年1〜2回,関東で3〜4回,九州では4〜5回といわれています.今年の夏は暑かったからいつもの年より多く発生している可能性があります.
ゲンボー先生
お米には、どんな栄養がありますか?
ゲンボー先生
美咲 さんメールを有難う.
お米には様々な栄養があります.主なものは「でんぷん」と「たんぱく質」です.
お米のでんぷんは,ご飯にして炊くとアルファ化といって,ふくっらしてとても食べやすくなります.このでんぷんが身体の中で「脂肪」になりエネルギーの元になります.
たんぱく質には良質なアミノ酸が含まれており.筋肉やその他の体を作る元になります.
また,胚芽米や玄米にはビタミンBが多く含まれていて,身体を動かす上でとても大切な役目を果たしています.白米にも少し入っています.
お米は長い間「太ってしまう」とか「栄養がかたよる」といわれて,誤解されていましたが,最近の研究ではお米を主食にバランスのとれたおかずを食べるというのが,最も健康的な食事だといわれるようになりました..
特に,「わかめ」「ひじき」「昆布」などの海草類,「いわし」「さば」「さんま」「あじ」などの青身の魚.それに「納豆」などの醗酵(はっこう)食品.新鮮な野菜.
これらが病気をふせぎ,長生きするための食品としてアメリカやヨーロッパでも食べられるようになりました.(納豆はまだまだですが,お豆腐はかなり多く食べられるようになりました)その中心が主食のお米なんですね.
お米の事を考えて,もう一度お米を見なおすときが来ています.美咲さんも勉強を頑張ってくださいね.
ところで,八街は落花生の産地ですね.落花生も身体に良いんですよ.
ゲンボー先生
初めまして。私たちは、三重県員弁郡北勢町立山郷小学校、5年生の瑛子、志帆、夏未です。今、総合学習で、米について調べています。そこで、お聞きしたいことがあるのですが、教えてください。
質問1.米を最初に食べた人は、だれですか。
質問2.米を最初に食べた人のことについて、くわしく教えてください。
どこの国の人ですか。どういうふうにして食べたのですか。
ゲンボー先生
君たちの質問ですが,とてもむずかしい質問です.なぜなら,古い時代の記録が残っていないからです.ここから先は今までにわかっていることを元に先生が考えたものです.
7000年以上も前にインドのアッサムという地方の人が,野生のお米を栽培するようになったと言われています.また,6000年前にはタイのチャオプラヤー川のほとりで,本格的なお米の栽培が始まったようです.また最近の研究では中国の長江下流地域からも同じくらい古い稲の栽培が確認されています.
日本には縄文時代前期の6000年前くらいからお米はあったようですが,栽培されていたかはまだ????です.はっきりしているのは縄文時代後期から稲作があったことです.(水田になるのは弥生時代からで,それまでは畑でお米を作っていました)
つまりお米を最初に食べたのは,インドのアッサム地方に住んでいた人ということになります.ただし,その時代の人は今のアッサム地方に住んでいる人たちとは違います.詳しい事は分かっていませんが,今のインド人はヨーロッパのほうからやってきたといわれています.それまではタミール人と呼ばれる人の祖先がいたそうです.つまり初めてお米を食べたのは,タミール人の祖先かな・・・というところです.※「世界最古の栽培稲発見される」にいく
さて,その当時栽培されていたお米はインディカ種という「細長い」お米です.その後アジアに移ってくる途中でかたちの丸っこい種類が生まれました.現在日本で栽培されているのがこの「ジャポニカ種」です.
食べ方は,さらに分かりません.ただ古い食べ方を調べてみると共通点があります.その時代の人達は玄米を食べていましたからお米を「蒸して」たべたらしいのです.なぜなら精白というお米の皮を完全に取る技術が未熟だったからです.
日本でも弥生時代から古墳時代にかけて(2300年前〜1500年前)は「甑」(こしき)という土器の底に穴があけてある蒸し器がたくさん作られています.甑は今の蒸し器です.ですから,やはり蒸してたべていたということが分かっています.
ではその前の縄文人は,というと,これまた??????です.おそらく,ヒエやアワなどの雑穀と一緒にゆでたり,粉にしてからお団子にして食べていたのだと思います.
ゲンボー先生
社会の授業でお米づくりをやっています。私は、種の栄養について調べることになりました。種の栄養について教えて下さい。
ゲンボー先生
育子 さんへ
お米の種というのは,お米のことです.私たちはお稲の種を食べているということになります.秋に実るお米は,つぎの年に田んぼにまく種の分をのこして,食べる分に回します.
お米のおもなえいようは「デンプン」と「タンパクしつ」です.デンプンはおなかの中で「しぼう」(つまりアブラ)になります.これがからだを動かすエネルギーになります.タンパクしつは「きん肉」などのからだを作るえいようになります.お米にはからだを作り,からだを動かすえいようが両方とも入っているのです.
お米を良く見てください.あたまの部分がすこしへこんで,黄色っぽいところがあるでしょ.それは「胚が」(はいが)といって,イネの葉や「くき」になる部分です.そこにはビタミンBという,からだを動かすときの大切なえいようが入っているのです.
いちばんえいようがあるのは「うすい皮」と「胚が」が両方残っている「げん米」で,つぎが「胚が」だけが残っている「胚が米」,さいごが,みんなが一番おおく食べている「白米」です.
ちょっと前までは「お米を食ると太る」とか「えいようがかたよる」といわれましたが,それは大きなまちがいであることがわかりました.ご飯は「おかず」とえいようのバランスをうまくとって食べれば,世界でもいちばんからだにいい食べ物になることがわかりました.
育子さんの住んでいる北海道でたくさんとれるコンブ,それにおいしい魚,ナットウやおとうふなどは,長生きするための食事として世界からもみとめられているのです.
岩見沢は新篠津(しんしのづ)のちかくですね.そこは明治じだいからのうみんが大変な「ど力」をして田んぼを作ったところです.今はどうなっていますか?
そういうこともしらべるとおもしろいと思います.頑張ってください.
ゲンボー先生
自分たちで作ったお米を利用して、簡単な料理を作りたいのです。カレーや、チャーハン、おにぎり、おすしなどは、だめなのです。おやつみたいな、おいしい、お米料理を教えてください。お願いします。
ゲンボー先生
頼子 ちゃん へ おやつみたいなお米料理ですね・・・
アツアツのご飯をつぶします.そのときつぶれてベタベタになったお米とツブツブの米が半分くらいになるのがコツです.
つぎにそれを丸めてお団子にします.大きめだったら2個,小さめだったら3個くらいを串にさします.さしてからお団子をすこしつぶして,すこし平にします.
それを炭火で焼いて(炭がなかったらガスでもいい)外がパリパリ,中がふっくらしたら「クルミ味噌」をぬってまた焼きます.
こうするとおいしい御幣餅(ごへいもち)ができます.おいしいですよ.
クルミ味噌の作り方.
赤みそ(八丁みそがいい)+砂糖+お酒少々+クルミ+ユズの皮をすったもの少々
クルミはあらかじめ「すり鉢」ですっておくこと.少しだけツブツブがのこっていたほうがおいしいよ.
これにちかい方法で「きりたんぽ」というものも作れます.
竹串のかわりに「わりばし」(杉でなくてはなりません)のまわりに,「ごへいもち」のときに作ったお米をにぎるようにつけていきます.ちょうどかたっぽだけ穴のあいた「ちくわ」みたいなものができると考えてください.
これをやはり炭火であぶって,表面がこんがり焼けたら「きりたんぽ」の出来あがりです.
「きりたんぽ」は斜めにきって,おなべの中にいれてたべるものですが,作りたてはおいしいです.スーパーでも売っていますが,おいしさがぜんぜんちがいます.
ゲンボー先生
ゲンボー先生、きりたんぽや、ごへいもちのお料理アイデアを教えてくれて、ありがとうございました。すごくびっくりして、とってもうれしかったです。先生の教えてくれたことをヒントに、12月8日、ごはんせんべいというものをつくりました。ごはんをこねこねして、ごまや、ちりめんじゃこ、ほしえびをいれて、ひらたくつぶして、油をひいたフライパンでこんがり焼きました。だいこうひょうでした。
先生の教えてくれた、ごへいもちは、お母さんが、大好物だといっていました。(旅行のお店で食べたそうです。)冬休みに家族で、つくってみます。
きりたんぽもたのしみです。わたしは、なんといっても、ごはんがだいすき。おもちは、もっとすきです。だから、お正月が今からまちどうしいです。毎日、おもちでもいいくらいです。
ゲンボー先生はどうですか?
頼子より。
頼子ちゃんへ
ていねいなお礼のメールをありがとう.「ごはんせんべい」はおいしそうですね・・・すごくステキなアイデアメニューだと思います.先生もすご〜く食べたい・・・ごへんじのメールは新年があけたら「お米の学習」ページにのせさせてくださいね.
さて,もうすぐお正月ですね.先生も頼子ちゃんのように「おもち」は大好きです.とくにおしょうゆでやいてノリでまく「いそべまき」や「おぞうに」がすきですよ・・・
先生の家ではお母さんが江戸っ子ですからおしょうゆ味の「とりぞうに」,お父さんが岡山の人ですから「ブリぞうに」,そして奥さんが京都の人なので「白みそぞうに」と3種類のおぞうにを食べることになっています.
一番好きなのは「ブリぞうに」かなあ・・最近では「カモぞうに」もいいなあと思っています・・・・「京都風」のときは白味噌がベースになって「まるもち」を煮て(にて)食べます.
日本では,静岡県をさかいにして西が「まるもち」東が「切りもち」です.一口に「おぞうに」といっても地方によっておもちの形もちがうし,具の中身や食べ方もがちがうようです.頼子ちゃんの家ではどうやって食べますか?
ゲンボー先生より
※よいお年をおむかえください。
1.中国独自のお米の種類
2.白米になったのはいつからか?
ゲンボー先生
1.これはわかりません.ただ,中国で作っている多収穫米のもとは日本のお米ということです.以前,琉球大学で品種改良によって作られましたが,当時は米あまりで農水省(当時,農林省)は「そんなもの,とんでもない」といって,日本では作らせなかったんです.
そのお米はアメリカにわたり,それから中国にわたり,さらに品種改良されて,人口の多い中国で急速に広まりました.
目先の事しか考えていなかった日本は大きなビジネスを見逃してしまいました.
先生も中国に行ったことはありますが,日本人好みの「美味しいお米」は無かったように思います.とりあえず食えればいいというかんじです.
2.平安時代までさかのぼります.当時は精白の技術が低く一般庶民はとても口にすることは出来ませんでした.
白米のことを「姫飯」(ひめいい)といいます.
鎌倉時代になっても武士は玄米を食べていました.こちらのほうが噛むのは大変ですがビタミンBも豊富だし食物繊維も多く,とてもヘルシーです.
ところで貴族の顔が面長なのはこの「姫飯」を常食にしていたからだといわれています.つまり噛む力が必要ないので顎の骨が退化して面長になったというわけです.
これは江戸時代の将軍にも言えて,初代家康から3代目くらいは結構ごつい顔をしているのですが,終わりのほうにちかづくと,面長が増えてきます.
機会があったら絵や写真を見てごらんなさい.
ゲンボー先生
お米作りについて調べています。お米作りに必要な道具、そのことが書いてあるホームページとかあったら教えてください。道具、機械の名前や使う機械などを教えてください。あと、お米はたくとなんでふんわりするんですか,白くなるんですか。教えてください。それが詳しくのっているホームページもよければ教えてください。
おいしいお米の炊き方のコツなんかありますか。あれば教えてください。それが詳しくのっているホームページもよければ教えてください。よろしくお願いします。
お米で作れる料理、または作れるものありますか。それが詳しくのっているホームページもよければ教えてください。よろしくお願いします。
4つも5つも質問しちゃってすみません
ゲンボー先生
お米作りに必要な道具、機械の名前や使う機械などを教えてください
いつの時代の農機具ですか?それによって違います.
現在でしたらトラクターで田んぼを耕し,田植機で稲を植え,コンバイン(トラクター兼用もある)で稲刈りをします.
別にもっと小さな機械で「耕運機」というものがあります.田舎に行くとリヤカーをひいてバタバタ音をたてながら走っている姿をみたことがあると思います.あの機械で田んぼを耕します,そして田植機,稲刈機ですね,使い道はその名前の通りです.
それ以外に「クワ」があります.これは機械でやれないような狭いところや,ちょっとしたところを掘ったり,田んぼと田んぼの間の道)あぜ)をなおす時などに使います.また鎌も草を刈ったりするのに使います.
お米はたくとなんでふんわりするんですか,白くなるんですか?
お米の主な成分である「でんぷん」に水を加えて加熱するとなる,ふっくらとして粘りのある状態になります.そうなる前のでんぷんをβ-(ベーター)でんぷん,ふっくら炊けたものをα-(アルファ)でんぷんと呼び、ご飯の」状態になることをアルファ化とも言います.この状態で白くなります. αでんぷんは、水と熱の作用で構造がほどけた状態になるためふっくらとして、消化が良くな ります.
おいしいお米の炊き方のコツなんかありますか。あれば教えてください。
ははは,これはどなたかオバアチャンに聞いた方が早いかもしれないね.先生はボーイスカウトのリーダをしているため,良くキャンプに行きます.そこでご飯をたくのですが美味しくふっくらとたく方法がいくつかあります.
1.(常識型)お米を良く研ぐ.水加減をしっかりとる.はじめチョロチョロ,中パッパ.(火加減).ふたを絶対にあけない.パリパリいったら火をとめる.じゅうぶん蒸らして.ハイできあがり.
2.(常識破り型)水加減までは1と同じ.沸騰してきたらふたを開けて,スプーンやお箸でかきまぜる.ふたをして「もうすぐ水分が無くなるなあ」と思ったら,またかきまぜる.それからふたをして弱火にする.パリパリ言いはじめたら一度強火にして,すぐ火からおろす.十分に蒸らして.ハイ,できあがり.
キャンプでは2のほうが上手にたけます.
3.今は電気釜でしょ.説明書に書いてある通りにすればだいたいうまくいきます.一番難しいのは水加減です.新米は水分が多いのでやや少なめにするのがコツですが,ただし,少なすぎちゃうと固くなるので注意.
4.太い青竹を切って,その中に研いだお米をいれて,たき火で炊き上げるご飯もうまい!
5.そうそう,良く洗った白炭を入れて炊くと,ふっくら真っ白に炊けるそうです.やってみてください.
お米で作れる料理、または作れるものありますか。
「全中」「全農」のページが良いと思います.先生のホームページからも入れます.
4つも5つも質問しちゃってすみません
いえいえ,しかし,他にも質問がたくさんきていますので,ホームページは検索エンジンなんかで調べてください.
米はなぜ小さいのですか??おしえてください!
ゲンボー先生
愛梨さん メールをありがとう.
植物にも動物にも「遺伝子」(いでんし)というものがあり,この遺伝子によって葉っぱの形や高さ,それに実の大きさが決まっています. 愛梨さん,あなたもあなたの髪の毛の色や鼻の形や目の色など,すべてお父さんから半分,お母さんから半分を遺伝子によってうけついでいます.
あなたの質問に答えるとしたら「お米の遺伝子」によって大きさが決まっている,ということになります.ただし,同じ種類のお米でも水の温度や太陽の光など様々な条件によって多少大きさが違います.それでもその差はほんのわずかですね.
人間にも大きい人から小さい人までたくさんいますがガリバーみたいに大きい人や,おやゆび姫みたいに小さい人はいないでしょ・・・
もう一つ説明を加えるなら,「なす」や「きゅうり」や「りんご」や「なし」などの果実は品種改良によってずいぶん大きくなっていますが,穀類である「ヒエ」や「アワ」それに「お米」は,品種改良してもなぜか野生種に比べて大きくならなかったのです.
考えられることは「とれる量が多い」ということですが,くわしいことはわかっていません.
とにかく,すべては遺伝子の命令なのです.
さて,これから先のことですが,遺伝子の中でDNAというものが,「ものの性質」や「形」などを決める大切な役割を持っていることがわかりました.このDNAをいじくってものの性質をかえようという研究が進んでいます.それをバイオテクノロジーといいます.
この技術を使ってしょうらい大きなお米が作られるようになるかもしれません.なぜなら地球の人間の数はどんどん増えつづけていて,このままでは食べるものが無くなってしまうかもしれないからです.
しかし,バイオテクノロジーはうまくいけば,人の生活に役に立つものも生まれますが,恐いばい菌とか恐ろしい植物や動物が生まれないともかぎりません.それにその時は良いと思って作ったものも,後になって環境や生き物にとってよくないものになることだって十分に考えられます.
ですから,バイオテクノロジーはよほど注意しないと,「取り返し」のつかないこともおこる「アブナイ」面もあるということも覚えておいてくださいね.
ゲンボー先生
米ぬかがどうやってできるのか教えてください,よろしくお願いします.
ゲンボー先生
収穫されたばかりのお米は「モミ米」といって,稲の穂についているのとおなじように茶色の皮をかぶっています.君も田んぼで見たことがあるでしょう.倉庫にしまっておく時はこの状態です.
次にお米屋さんに出荷する時には,そのモミをとりのぞきます.これを籾摺り(もみすり)といいます.そうすると茶色の薄い皮と,胚芽(はいが=お米の頭の部分に斜めに小さく気色っぽい部分があるでしょ・・・あの部分です)のついた玄米(げんまい)の状態になります.お米屋さんに届く時はほとんどがこの状態です.
玄米にはビタミンBやセンイがたくさん含まれていて,身体にはとても良いのですが,皮の部分がかたいのでご飯をふつうに炊くことが出来ません.圧力がまという特別なお釜で炊きます.
また,炊きあがりもボソボソしていて良く噛まないといけません.本当はこのほうがいいのですが現代人にはあわないため,あまり食べられていません.
善貴君が普通に食べているのは「白米」といい,この玄米の皮と胚芽の部分をとりのぞいたものなのです.これを精白(せいはく)と言います.君が質問している「糠」はこの時に出来ます.つまり白米にする時出てきた余分な皮や胚芽なんですね.
糠にはそれ自体に営養がありますが,そのままでは「まずくて」食べられません.そこで昔の人は
1.「ぬかみそ」の糠どこ
2.魚の糠漬け
3.床や柱を磨く「糠袋」
4.身体を洗う洗剤
5.畑の肥料
などに利用しました.
最近になって「糠パワー」が見直されて,「糠せっけん」や「糠化粧品」なんて言うのも出てきましたね.ゲンボー先生の家でも人にすすめられて「糠せっけん」を使うようになったのですが,驚くほど油汚れがおちます.
君の家にもなにか「糠」を利用したものはありますか?