いたこのゆめ
潮来の夢
Itako no yume
江戸系 | 【花容】やや垂れた平咲き 【英数】三英 【花色】薄い藤紫 【開花時期】6月中旬〜下旬 (2021年は6月23日開花 2023年は6月11日開花) |
分類 | : | 江戸系品種。平咲きで、先端部がやや垂れた品種です。 |
---|---|---|
外花被 | : | 楕円形で平滑、周縁部は非常にゆるやかに波打ちます。基部の肩部分はやや内巻きです。花色は薄い藤紫色の地に、細い紫色の脈が細かく、多く入ります。黄色のアイは花柱枝が重なりやや小さめに見えます。周辺部は白色です。脈と脈の間をよく見ると砂子様の青紫色の模様があり、アイ周辺部では顕著です。 |
内花被 | : | さじ状で軸方向に直立します。先端部は尖ってやや内巻きとなります。花色は紅紫色で外花被片とは異なる花色を形成します。青紫色の細い脈が入ります。 |
花柱枝 | : | 外花被片に沿うように平行に伸長し、先端部は裂開して軸方向斜め上に直立し、さじ弁を形成します。色は淡い藤紫色で、周縁部の特に基部で濃くなります。先端部のさじ弁の形状は楕円形で、形態は爪状、外花被片に類似した青紫色で、先端の中心部には非常に細かい鋸歯が入ります。 |
備考 | : | 1940年以前(昭和15年)に育成された江戸古花と言われています。草丈は40cm前後で緑色の尖った葉が直立します(剣葉)。株や葉、花茎の外観上の形態が、軸方向に立ち上がります。 花径は15cm程度、外花被片と内花被片の花色が、藤紫:紅赤紫、と異なる2色花で、「長井古紫」や「万里の響」と似たような花色のパターンを示します。本品種の場合には、脈の間に著しい青紫色の砂子模様が入るので、外花被片は濃い紫色に見えます。 本来は、やや遅咲きの品種ですが、花蕾は6月に入ると伸長し、晴天が続き25 ℃となる日が5日以上続くと、その後の降雨時には開花しますので(2023年はその例)花茎が伸長し始めるころには、潅水を欠かさずに行うと軸方向に良く立ち上がりま。 なお、同じような品種名に、「潮来」があります。こちらは昭和になって伊藤東一氏が育成した品種ですので、異なります。 本品種の花容は野生のノハナショウブに非常に類似した形態で、ノハナショウブの花器官をそのまま大きく拡大したように見えます。下の4枚のように、降雨にあっても水滴が外花被片を流れるので、庭園などの植栽に向く品種のようです。 |
参考文献 | : |
|