はじめに
玉川学園は東京都町田市、神奈川県横浜市と川崎市にまたがる多摩丘陵南端の一角を占め、今なお緑豊かな二次林、谷戸が存在する「都会のオアシス」になっています。
小田急線を挟むように広がる約56haの敷地内には聖山、経塚山、東山と呼ばれる3つの丘と、人工の池(玉川池、奈良池)があり、標高は60〜108m程の起伏に富んだ地形をしており、構内にはほぼ全域にわたって各種教育・研究施設が散在し、農場には水田や畑、果樹園がみられます。このように起伏に富んだ地形から成る多様な自然環境は、校舎の改築や新設など教育環境が充実した現在でも創立当時の1929年(昭和4年)から保たれており、1963年から2024年までに記録された鳥類は約150種近くにもなります。
特に1963年の記録ではアカショウビン(カワセミの仲間で赤い鳥)の繁殖記録もあります。また、世界的に有名なのは、本学のシンボルになっているハヤブサの仲間(タカの一種)のチョウゲンボウで、1987年に新体育館が建造されて以来、36年間を経過した現在でも毎年4〜6羽が営巣し、概算で約180羽が巣立ったことになります。
本来は山岳地帯の河川の崖に営巣していたチョウゲンボウが、都会の「人工建造物に36年間も継続して営巣した」記録は本学しかありません。
チョウゲンボウは、「ゲンボウ君」と称されて本学のマスコットキャラクターになっています。ここでは、ページでは、1963年から2024年までに学園で観察された全記録のうち、65種を網羅しました。末長く教育活動に活用していただければ幸いです。