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研究業績一覧
年代別 本学における栽培種のハナショウブ、野生種のノハナショウブの研究業績一覧
- 2004年.伊藤誠一・大山貴義・鳥羽啓子・田淵俊人.ハナショウブの花被の萎凋に伴う内生エチレンの生成とAcid phosphatase活性の局在性と消長.園芸学会雑誌.73(2):283.ハナショウブの花被片が萎れる仕組みを酵素組織科学的に解明.
- 2005年.鈴木和子・田淵俊人.シャガの花被の萎凋に伴う内生エチレンの生成とacid phosphatase活性の局在性の消長との関係.園芸学会雑誌.74(2):236.
- 2006年.Suzuki, K.., N.Hiramatsu, Y.Matsushita, Yomizuka, C.Watanabe,T.and Tabuchi.Morphological characteristics in the periath of wild japanese iris at the lowlands Hokkaido in Japan. 2006 Abstracts 27th International Horticultural Congress & Exibition.70−71.北海道に自生するノハナショウブの形質を解析する。
- 2006年.Kobayashi,K., H.Hiramatsu, Y.Matsushita,C.Watanabe,Y.Tomizuka,T.Tabuchi and N.Hashimoto Japanese Iris ‘Hana-shoubu'in the Ukiyo-e pictures.Abstract, 27th International Horticultural Congress & Exibition 8:70−71.浮世絵に描かれているハナショウブについて、品種の同定を行う英文雑誌。
- 2006年.松下芳恵・田邊孝・田淵俊人.日本の伝統的な園芸植物、ハナショウブの外部形態に関する特性評価.1.大船育成品種について.大船植物園育成の品種について諸特性を解明.
- 2006年.石山剛・染谷尚継・伊藤和希子・岡田麻衣子・田淵俊人.植物を利用した環境汚染物質ホルムアルデヒドの除去に関する研究(第4報)ハナショウブの葉における除去効果とイソクエン酸デヒドロゲナーゼ活性の局在性との関係.園芸学会雑誌.75(1):399.ハナショウブの葉に揮発性有機化合物のホルムアルデヒドを代謝・除去するメカニズムにイソクエン酸デヒドロゲナーゼが関与していることを解明。
- 2007年.平松渚・渡邊千春・松下芳恵・鈴木和子・富塚裕美・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第1報)長野県霧が峰高原および八島湿原におけるノハナショウブの外部形態に関する特性評価.この地域のノハナショウブが江戸系品種群の基になると考えて外部形態調査に着手.
- 2007年.平松渚・渡邊千春・松下芳子・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第2報)長野県入笠山湿原に自生するノハナショウブの外部形態に関する特性評価.霧ケ峰に自生するノハナショウブとの地形的関連性を含めて解明.
- 2007年.平松渚・市川祐介・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第4報)富士山麓に自生するノハナショウブの外部形態および花色の変異に関する研究.青色花色を示す原因を科学的に始めて解明.
- 2007年.田淵俊人・忠将人・坂本瑛恵・平松渚・市川祐介・中村泰基.ノハナショウブの変異性に関する研究(第5報)ノハナショウブの多弁花形成に関する内花被の発達過程.花被片数が3枚から6枚、多弁へと発達していく過程とその原因を科学的に解明.遺伝様式も明らかになる.
- 2007年.田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第3報)青森県産ノハナショウブの変異個体北野麗人について.ピンク花色のノハナショウブの発見について解説.
- 2007年.坂本瑛恵・田淵俊人.日本伝統の水生植物、デンジソウの生活環に関する研究(第1報.地下茎の伸長と葉の展開様式について).園芸学研究.6(2):580.日本の伝統的な園芸植物の花勝美伝説に関与するデンジソウの生活環を初めて研究。
- 2008年.田淵俊人・平松渚・中村泰基・坂本瑛恵.日本伝統の園芸植物、ハナショウブの特性に関する研究(第3報明治神宮(林苑)のおける土質および水質について.園芸学研究.7(2):
共同研究先の明治神宮・林苑での土壌、水質調査を行った結果、ホウ素が色素の発現に重要であることを解明。
- 2008年.坂本瑛恵・小熊拓・田淵俊人.日本伝統の園芸植物、デンジソウの生活環に関する研究(第3報)大胞子の発達と、受精後に大胞子より出芽した胞子体の発達過程.デンジソウの生活環を世界で初めて解明.花菖蒲の発達の歴史にも着手.
- 2008年.平松渚・市川祐介・中村泰基・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第6報)富士山麓に自生するノハナショウブ実生の外部形態および花色変異.青色を示すノハナショウブの遺伝様式を解明.
- 2008年.田淵俊人・坂本瑛恵・小熊拓.日本伝統の水生植物、デンジソウの生活環に関する研究(第2報)水位の違いが地上部と地下部の成育に及ぼす影響について.デンジソウの栽培方法を確立.
- 2008年.田淵俊人・中村泰基・市川祐介・平松渚.日本産アイリス属植物における外花被片の基部に見られる細胞群の形態的特徴.園芸学研究.7(1):413.アイの部分に「ひげ状」の突起があるシャガやイチハツ(ひげあり、ビアデッドアイリスと、ひげ状の突起がないアヤメとハナショウブにつき、その発生過程、形態的特性を解剖学的に調べた。
- 2008年.田淵俊人・市川祐介・波多腰拓朗・平松渚.ノハナショウブの変異性に関する研究(第7報)日本各地に自生するノハナショウブにおける根のATPase活性の地理的変異.花菖蒲の好適な栽培条件を知るための知見を得るため,各地のノハナショウブの根の発達過程と耐塩性について酵素組織化学的に解明.園芸学研究.7(2):396.
- 2008年.Tabuchi,T.,N.Hiramatsu, Y.Matsushita,and K.Suzuki. Morphological characterization in the perianth of wild Japanese Iris in Lowland Hokkaido in Japan. Acta Horticulturae 769:427-432 .我が国に自生するノハナショウブが初めて世界に報告された論文。
- 2008年.Tabuchi,T.,T.Kobayashi, N.Hiramatsu, N.Matsushita, Y.Suzuki, S.Watanabe,C.Watanabe, Y.Tomizuka and N.Hashimoto. Japanese iris ‘Hana-syoubu' in the Ukiyo-e pictures. Acta Horticulturae 769:421-426.
- 2009年.平松渚・中村泰基・田淵俊人.ノハナショウブにおける変異性に関する研究(第9報)富士山麓に自生するノハナショウブの青色発現について.園芸学研究.8(1):
富士山に自生するノハナショウブに青色花色を持つ個体を発見・報告。
- 2009年.田淵俊人.ノハナショウブ 開発進み絶滅危惧 保護急げ.9月28日.陸奥新報社.
青森県自生のノハナショウブの遺伝的有用性を根拠にして保護活動を行うことの意義が報道される.
- 2009年.田淵俊人・平松渚・中村泰基.ノハナショウブの変異性に関する研究(第14報)神奈川県箱根湿生花園および仙石原湿生植生復元区に自生する、ノハナショウブの外部形態と花色の変異に関する研究.園芸学研究.8(2):582.
江戸近郊の箱根地域に自生するノハナショウブについて調査,江戸系起源との関連性を探求.
- 2009年.平松渚・中村泰基・田渕俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究 (第13報)
茎頂部が花柱枝化し、花被片が形成・発達する移行過程の外部形態と、細胞構造の推移に関する仮説.園芸学研究.8(2):581.
茎頂分裂組織が花被片化していく仕組みを解明.
- 2009年.田淵俊人.(国内文献紹介)ハナショウブが切り花の収穫後生理特性および品質保持財処理効果.65(2):72.誠文堂新光社.農耕と園芸、誠文堂新光社.
花の鮮度保持技術について解明.
- 2009年.松本和浩・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第12報)青森県鶴田町に自生するノハナショウブの外部形態の変異に関する研究.園芸学研究.8(2):580.
青森県に自生するノハナショウブの変異の多さについて解明.
- 2009年.中村泰基・田淵俊人・平松渚.日本伝統の園芸植物、ハナショウブの特性に関する研究(第4報)伊勢系ハナショウブの外花被片の「しわ」(縮緬状構造)は、花被の向軸、背軸面の細胞形態の違いと伸長のギャップによって生じる.園芸学研究.8(2):579.
伊勢系品種の「皺」が生じる仕組みを細胞学的に解明.
- 2009年.中村泰基・平松渚・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第11報)外花被片に見られる「とさか状突起の構造」について.ノハナショウブはジャーマンアイリスなどのように、アイの部分にとさか状の突起が見られない「ひげなしアイリス、ビアドレス」と呼ばれているが、ノハナショウブにも変異系統として形態的に存在すること、この形質を利用して「肥後系品種」などが育成された可能性があることを、形態学的に明確に解明.園芸学研究.8(1):412.
- 2009年.平松渚・榎倉麻美・吉田祐・中村泰基・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第10報)アルミニウムおよびリン酸処理がノハナショウブの青色花色の発現要因.園芸学研究.8(1):411.
青色花色が生じる原因が遺伝的要因か環境要因かを調べるために研究した結果,遺伝的な要因であることを解明.
- 2009年.田淵俊人.紫色花色および青色花色の発色に及ぼすアルミニウムの関与と、青色花色発現の分子メカニズム.64(5):682.誠文堂新光社.ノハナショウブ、ハナショウブが青色を示す要因を科学的に解説。
- 2010年.Handa T.,T.Mori, R.Osawa and T.Tabuchi.Development of microsatellite markers in Iris ensata (Iridaceae). 28th International Horticultural Congress.248. 最新のマイクロサテライト法を用いて分子生物学的に初めて解明。長野県のノハナショウブ、日光のノハナショウブ、伊勢地方のノハナショウブがそれぞれの系統育成に関与していることを証明した。
- 2010年.田淵俊人・大坂律子・川嶋盛哉・加々美勉.植物を利用した環境汚染物質ホルムアルデヒドの除去に関する研究(第11報)ノハナショウブの葉におけるホルムアルデヒドの除去・無毒化に関与するグルタチオンの葉肉組織内局在性の地域間差.ノハナショウブの葉が、揮発性有機化合物のホルムアルデヒドを、ノハナショウブの葉が吸収して代謝し、無害のCO2にし、再度、光合成に用いることを発見した。(株)サカタのタネとの共同研究。園芸学研究.9(1):421.
- 2010年.大坂律子・平松 渚・田淵俊人.植物を利用した環境汚染物質ホルムアルデヒドの除去に関する研究第13報 ノハナショウブの葉におけるホルムアルデヒドの除去無毒化に関するアルデヒド代謝関連酵素の葉肉細胞内局在性と消長.園芸学研究.9(2):551.ホルムアルデヒド代謝に関係する酵素を組織科学的に解明。
- 2010年.松本和弘・平松渚・田淵俊人.白神山地に自生するノハナショウブに関する研究(第1報).秋田県藤里町素波里湖に自生するノハナショウブの外部形態と花色の変異に関する研究。
白神研究.7(20):20〜26.白神山地山中の湿地帯に自生するノハナショウブを初めて発見.白色の覆輪を保有する初めてのノハナショウブを有する。
- 2010年.松本和弘・平松渚・田淵俊人.白神山地に自生するノハナショウブに関する研究(第2報)深浦町行合崎に自生するノハナショウブの外部形態と花色の変異に関する研究。白神研究.7(19):14〜19.白神山地の海岸部の断崖に自生するノハナショウブに、青色などの花色変異があることを初めて発見。
- 2010年.平松渚・吉田祐・中村泰基・松本和浩・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第19報)ノハナショウブの自生地における土壌の化学性について―栽培種との比較.園芸学研究.9(1):439.野生のノハナショウブの自生地の土壌環境、水質を調査した論文。これにより栽培種が栽培可能な土壌の物理性や化学性の基礎資料を得ることが可能となる。
- 2010年.松本和浩・平松 渚・百瀬健太・岩本賢治・向後智陽・吉村典朗・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第20報) 外花被片に白色の覆輪を有するノハナショウブ変異個体の細胞学的な特徴について.園芸学研究.9(2):524.ノハナショウブの内、白覆輪を持つ系統について発見、その分析を行う。白色覆輪のノハナショウブは初発見。
- 2010.年.松本和浩・百瀬健太・岩本賢治・向後智陽・吉村典朗・平松渚・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第15報)青森県深浦町行合崎に自生するノハナショウブの外部形態と花色の変異に関する研究.園芸学研究.9(1):435.ノハナショウブの花色において様々な変異が多く、二次的な遺伝子プールになっていることを示唆。
- 2010年.平松渚・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究.第21報 ピンク色,白色花色を有するノハナショウブの外花被片に含まれるアントシアニジンの同定.園芸学研究.9(2):525.
ピンク色や白色のノハナショウブの花色を構成するアントシアニジンの色素を同定。
- 2010年.田淵俊人・平松渚・中村泰基・松本和浩.ノハナショウブの変異性に関する研究(第18報)ピンク色および白花花色を有するノハナショウブの特性の比較.園芸学研究.9(1):438.
花色の変異系統につき、色素の分布を解剖学的に調べた。
- 2010年.平松渚・中村泰基・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第22報) 日本各地のノハナショウブにおける色差計を用いた花色分析.園芸学研究.9(2):526. 色差計を用いてハナショウブやノハナショウブの色彩を計算式で表記。客観的な判断方法を確立。
- 2010年.田淵俊人・矢口雅希・萬代有紀・平松渚・中村泰基・松本和浩.ノハナショウブの変異性に関する研究(第17報)外花被片の形態の定量的評価。園芸学研究.9(1):437.
外花被片の形状について、円形、楕円形、細長などの定量化する計算式を提案。
- 2010年.松本和弘・田淵俊人.今別 花々色の競演,透かしユリなど高野崎で見ごろ.東奥新報社.7月9日.今別地方のノハナショウブを紹介。
- 2010年.松本和弘・田淵俊人.ノハナショウブを守れ 弘大など3大学が共同研究.陸奥新報社,7月20日.津軽半島のノハナショウブの貴重な遺伝資源としての有用性を紹介。
- 2011年.平松渚・松本和弘・田淵俊人.白神山地に自生するノハナショウブに関する研究(第3報)素波里湖に自生する多様な変異個体とその生態。白神研究.8:40〜49.
- 2011年.松本和浩・向後智陽・平松渚・田淵俊人.素波里湖に自生するノハナショウブの多様な変異と園芸学的な活用の可能性.平成22年度白神研究会研究発表要旨 4月17日.花色の変異の多さに関して遺伝的な重要性と育種への可能性を発表。
- 2011年.松本和浩・向後智陽・田村文男・鳥居保邦・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第30報)青森県津軽半島に自生するノハナショウブの外部形態、花色について。津軽半島のノハナショウブを全て調査して網羅した結果、花色変異が多いことを発見。園芸学研究.10(2):522.
- 2011年.森敬紘・練春蘭・大澤良・田淵俊人・半田高.SSR解析によるハナショウブ園芸品種群とノハナショウブ野生集団との関係について.園芸学研究.10(1):209.最新のSSR解析によってハナショウブの品種群がどこのノハナショウブから育成されたかをDNAレベルで解明。江戸系品種群は長野県由来であることを解明。
- 2011年.松本和浩・田淵俊人.ピンクのノハナショウブ変異体 津軽初 中泊で発見.陸奥新報.6月27日発行.津軽半島の断崖にピンク色のノハナショウブを発見、命名する。
- 2011年.田村文男・松本和浩・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第29報)鳥取県大山周辺、岡山県蒜山高原に自生するノハナショウブの外部形態、花色について.園芸学研究.10(2):521.岡山県に自生するノハナショウブについて初発見、形態形質を発表する。
- 2011年.百瀬健太・向後智陽・岩本賢治・吉村典朗・平松渚・田淵俊人・松本和浩.ノハナショウブの変異性に関する研究(第27報)岩手県安比高原周辺に自生するノハナショウブの外部形態と花色の変異に関する研究.園芸学研究.10(1):434.
岩手県に自生するノハナショウブの変異性を報告。
- 2011年.田淵俊人.サイエンス 科学と技術 江戸の知恵 ハナショウブ.日本経済新聞,9月18日.江戸時代の人々の心意気とハナショウブとの関係を新聞に掲載。
- 2011年.松本和浩・田淵俊人.身近な場所に多数自生 大館のノハナショウブ 北鹿新聞.2月22日.秋田県大館に自生するノハナショウブを報告。
- 2011年.松本和弘・田淵俊人.種差のノハナショウブに塩害なし.東奥日報.7月12日.東日本大震災の影響を受けた種差海岸のノハナショウブに塩害の影響がないことを調査・報告。
- 2011年.向後智陽・百瀬健太・石田誠孝・岩本賢治・吉村典朗・平松渚・田淵俊人・松本和浩. ノハナショウブの変異性に関する研究(第26報) 秋田県大館市に多数現存するノハナショウブ自生地の特徴.園芸学研究.10(1):433.
秋田県のノハナショウブの多様性を研究。
- 2011年.定延葉子・松本和浩・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第28報)葉姿の地域変異と耐塩性との関係.園芸学研究.10(2):520.
ノハナショウブの葉の形態が地域により異なることを初めて報告。
- 2011年.田淵俊人・定延葉子・平松 渚・松本和浩.海岸に自生するノハナショウブにおける葉肉細胞内のATPase活性の酵素組織化学的研究.園芸学研究.10(1):431.
海岸部に自生するノハナショウブには、葉に塩類をため込む仕組みがあることを証明。
- 2012年.松本和浩・田淵俊人.貴重な花再確認して 弘大と玉川大 合同調査 五所川原.陸奥新報.津軽半島に自生するノハナショウブの内、花色の変異系統を紹介し保護活動を啓蒙。
- 2012年.定延葉子・松本和浩・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第33報)NaCl処理がノハナショウブにおける根や葉のATPase活性に及ぼす影響。園芸学研究.11(2):489.
海岸部に自生するノハナショウブには、根や葉に塩類を除去する能力を保有していることを初めて発見。
- 2012年.定延葉子・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第31 報) 神奈川県箱根における国指定の特別天然記念物地区に自生する,ノハナショウブの外部形態と花色の変異に関する研究。箱根地域の自然保護地域に自生するノハナショウブを探索し発見。園芸学研究.11(1):417.
- 2012年.松本和浩,鳥居保邦,定延葉子,田淵俊人,田村文男.ノハナショウブの変異性に関する研究(第32報).本州最北端・青森県大間湿原におけるノハナショウブの外部形態特性について。青森県下北半島全域に自生するノハナショウブを網羅、調査した。園芸学研究.11(1):418.
- 2012年.田淵俊人.ノハナショウブ見頃 富士見の入笠湿原。長野日報。入笠山湿原のノハナショウブの変異系統を紹介。
- 2012年.田淵俊人.ノハナショウブ、自生地急減 日本の「古典園芸植物」を守れ.日本経済新聞.電子版 江戸時代に育成されたハナショウブがいかにして当時の人々に受け入れられていったかを解説。
- 2013年.田淵俊人・小林孝至・松本和浩.ノハナショウブの変異性に関する研究(第34報)葉肉細胞、液胞の発達とNaClの局在性との関係について。園芸学研究.12(2):473.
- 2013年.田淵俊人.八戸・種差海岸のノハナショウブ 順調な開花を確認 弘大と玉川大 津波塩害を調査.東奥日報.東日本大震災後のノハナショウブの復元について、耐塩性との仕組みを交えて解説。
- 2013年.江戸東京博物館開館20周年記念特別展 花開く江戸の園芸東京都江戸東京博物館.179.写真を提供.
- 2013.Toshihito Tabuchi, Azusa Komine and Takayuki Kobayashi.Histological structure of the 'crepe-like' structure of the outer perianth in the Ise type cultivar in the japanese irises.
International Symposium on Diversifying Biological Resources.1:46−47.伊勢系品種、ノハナショウブの花被片に皺が生じる仕組みを英文で初めて紹介。
- 2014年.Toshihito Tabuchi. Plant structure and its componet tissues related to physical properties.In: Physical and Biological Properties of Agriculural Products, Kyoto University Press.Kyoto University press.2:34−59.ハナショウブやノハナショウブの花被片の横断面について構造と色素分布を英文で解説した教科書。
- 2014年.田淵俊人.日本伝統の園芸植物,ハナショウブの特性に関する研究 4.アメリカ品種群について.大正時代から昭和初期にかけてアメリカ人が育成した花菖蒲の品種とその形質を紹介。アメリカ人がみた日本のハナショウブをどのようにして見て育成したかを紹介。
園芸学研究.13(2):507.
- 2014年.岩科 司(国立科学博物館 筑波実験植物園)・田淵俊人(玉川大学)・小林伸雄(島根大学)・倉重祐二(新潟県立植物園).公開講演会「伝統園芸植物の保全とナショナルコレクション」―「古典園芸植物の花菖蒲―その起源となったノハナショウブの文化財、遺伝資源としての保存」.花菖蒲の品種群(古品種)についてナショナルコレクションとしての可能性を公開講演。
- 2014年.松本和浩・小林孝至・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第35報) 青森県種差海岸におけるノハナショウブの変異と地域の人々との関わり。ノハナショウブを復興のシンボルとして取り上げた論文。園芸学研究.13(1):382.
- 2015年.田淵俊人.日本固有植物と文化 (1)ノハナショウブと農村文化 日本固有植物の保全に向けた提言 (1)日本の風土が育んできた、固有の植物と文化の関係 『花かつみ伝説』に見られる園芸文化.日本固有植物と文化―生態系の喪失が日本固有植物に及ぼした影響とこれら植物の保全について―p13-14、23-29 万博記念Cosmos.
- 2015年.小林孝至・松本和浩・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第36報)ノハナショウブの変異個体「紫アイ」に関する解剖学的研究。ノハナショウブの黄色い部分の「アイ」に、紫色の変異系統を世界で初めて発見。色素解析を行う。園芸学研究.14(2):505.
- 2015年.田淵俊人.花卉懇談会ニュース 花卉懇談会30周年に寄せて.東京農業大学30周年記念誌 花卉懇談会ニュース:9. ハナショウブの育成過程を解説。
- 2016年.田淵俊人.入笠湿原のノハナショウブと、その周辺の高山植物.入笠山湿原講演会.
2016年.田淵俊人(花菖蒲、分担執筆)監修 柴田道夫・東京大学教授.花の品種改良の日本史 第10章 ハナショウブ.231〜257.悠書館。
ノハナショウブからハナショウブが育成された育成過程を形態的、歴史的な視点から集大成した書籍。
- 2016年.田淵俊人.日本固有種に学ぶ自然のしくみと共生の知恵 幻の花 花勝美.(公益社団法人)花と緑の博覧会 記念協会.花勝美の伝説からハナショウブの育成過程について民俗学的に解説。
- 2016年.田淵俊人.「花菖蒲の品種分化の歴史と、その原種ノハナショウブ」.一般社団法人 京都園芸倶楽部 講演会(京都府立植物園)。江戸時代にハナショウブが育成されていった過程を一般に解説。
- 2016年.田淵俊人.ハナショウブ.全人教育:玉川大学出版部.806.日本伝統の園芸植物,ハナショウブについて解説。
- 2016年.田淵俊人.花菖蒲の維持管理における諸問題の解決法.東京都公園協会主催.東京都神代植物公園にて講演。
2017年. 唐澤健太・人見明佳・小林孝至・田淵俊人.ノハナショウブの花蕾伸長に伴う花器官の発達に関する解剖学的研究。園芸学研究.16(1):418.
花芽の発達について初春であること、その後、花器官を形成しながら花茎をのばすことを初めて解明。
- 2017年.小林孝至・人見明佳・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究(第37報)長野県霧ヶ峰周辺に自生する個体群の外部形態的特性.園芸学研究.16(1):413.
長野県に自生するノハナショウブの外部形態、花色を詳細に研究、江戸系品種群の成立と密接であったことを証明した。
- 2017年.小林孝至・和田 瞳・人見明佳・田淵俊人.アイソザイム解析から見た、ハナショウブの起源―ノハナショウブとの比較―.園芸学研究.16(1):412.
この論文で、江戸系の品種群(菖翁花)は、長野県の霧ケ峰に自生するノハナショウブと日光のノハナショウブを交雑して育成されたことが明らかになる。分子生物学的、解剖学的の両面でハナショウブの育成過程が初めて解明される。
- 2019年.田淵俊人.湘南モノレール「大船花菖蒲」.湘南モノレール「空でぶら〜ん」.8月17日 大船植物園で育成された独自の品種群を解説し、モノレール内のデジタル版で紹介された。
- 2019年.田淵俊人.活動や植物の魅力紹介 入笠ボランティア協会が会報発行 長野日報.
- 2019年.田淵俊人.はかなく、清く、潔く。日本の伝統的園芸植物、花菖蒲−人の鮮烈な情熱が花開かせた文化.KOSMOS(EXPO90)6号.
- 2019年.鶴の毛衣とは しつかに逢わんといふ事 『大和言葉』あなどれない江戸時代の女性の教養書。
- 2020年.小林孝至・田淵俊人.エステラーゼアイソザイム分析による伊勢系ハナショウブの起源.園芸学研究.19(1):416.伊勢系のハナショウブは、伊勢地方の斎宮に自生する野生のノハナショウブから育成されたこと、江戸から品種を持っていって育成されたのではないことを初めて分子生物学的に証明・確認された。
- 2020年.監修・田淵俊人 明石浩司.ハナショウブリーフレット作成の取り組み.東京都建設局発行『緑化に関する調査報告(47):1−10.東京都建設局
- 2020年.Kobayashi Takayuki and Toshihito Tabuchi. Characteristics of the Japanese wild iris mutant showing white color on the rim of the outer perianth found around the Shirakami Sanchi.
Shirakami Kenkyu, HIrosaki Univerisity, press.14:49-64.
- 2021年.小林孝至・田淵俊人.「上向きに咲く」ハナショウブ品種における外花被片の組織学的特性について.園芸学研究.20(1):295.
- 2022年.田淵俊人・小林孝至.ハナショウブ品種群に関する年別評価.園芸学研究.21(1):319.
ハナショウブ品種群の内、江戸系、肥後系、伊勢系の好みの変遷について江戸時代から現代までアンケート調査した結果を紹介。以降の品種育成に役立つ形質や花色の基礎資料を得ると同時に、古品種の保存の重要性を報告。
- 2023. 田淵俊人・川口聖加・日高慶士・小林孝至・2023. エステラーゼアイソザイムを用いた肥後系ハナショウブの起源に関する研究.園芸学研究.22(1):156.
江戸時代に肥後(現在の熊本県)で発達した独自の品種群について、エステラーゼアイソザイム法を用いて、その由来を調べた。その結果、江戸系の菖翁花と呼ばれる品種のそれぞれから品種が形成されていったことを初めて明らかにした。また、肥後系品種群のその後の発達について、明治時代の西田信常氏育成品種の起源についても明らかになった。この研究において、野生のノハナショウブから江戸系、伊勢系品種群が育成され、肥後系品種群は、江戸系の菖翁花から育成されたことが初めて明らかになった。
- 2024. Kobayashi,T. and T.Tabuchi. 2024. Characteristics and apprication style of Japanese irises (Hana-soyubu) 1. Edo-group and Higo group.
5th International Symposium on Woody Ornamentals of the Temparate Zone in Matsue. International Society for Horticultural Science. WOTZ Book, 98.
現在の「江戸系のハナショウブを育成した最初の人物」の松平左金吾(菖翁)が、信州と日光に自生する野生のノハナショウブを用いてわが国で最初のハナショウブという園芸品種を育成したことを、分子生物学的にエステラーゼアイソザイム法と、形態学、生理学的な手法を用いて、詳細に明らかにした。
また、その後、肥後藩主の細川斉護に懇願されて、菖翁から肥後にわたった品種がそのまま品種改良されていき、今では「肥後系」と呼ばれる独自の品種群を育成したことも、科学的に証明した最初の英語論文である。
品種の育成過程において、江戸系と呼ばれる品種群は「花菖蒲園に植えて」観賞できるように形態を変えて育成されたこと、肥後系と呼ばれる品種群は「武士道の精神」の基、屏風の前で鎮座して観賞できるように、花の形態を変えて育成したことを証明した。
- Tabuchi,T. and T.Kobayashi. 2024. Characteristics and apprication style of Japanese irises (Hana-soyubu) 2. Ise-group.
5th International Symposium on Woody Ornamentals of the Temparate Zone in Matsue. International Society for Horticultural Science. WOTZ Book, 99.
現在の「伊勢系」と呼ばれる品種群は、江戸時代に紀州藩・吉井定五郎によって現在の三重県松阪地方で育成されたと言われている。これらの品種群は、いずれも3英花で、外花被片が大きく下垂することで、「江戸系」や「肥後系」の品種群とは全く異なった形態をしている。この理由について、科学的に証明した最初の英文論文である。
まず、形態的には外花被片に「皺(しわ)」が生じる。これは、外花被片の葉肉細胞中に空隙が生じ、その間にタンニンが蓄積して生じることを明らかにした。外花被片が大きく下垂する原因は、外花被片が大型になるように育成したほか、この「皺」の発達により強度が弱ることが原因であること、下垂させるように育成したのは、鉢植えにして3段の雛壇にして「横から鑑賞するため」であることも文化的な理由があることを突き止めた。
また、「伊勢系」の品種群には2n=25の異数体が発見されるが、これらの種子形成率が劣るのは花粉不稔によることが多いこと、幾度も交配した結果生じたものであり、「皺」の形成とは直接、関係がないことを明らかにした。
花色は紫、白、桃色に限定され、外花被数が3枚に限定されること、根が細く弱い形質はノハナショウブに酷似するので、三重県周辺の自生地のノハナショウブを用いて分子生物学的に調べた結果、「伊勢系」の品種群は、松阪市郊外の「斎宮」に自生するノハナショウブと遺伝子が一致し、江戸系の下垂する品種とは全く無関係であることが、科学的に証明されたので、江戸系、肥後系とは異なった由来のノハナショウブ由来であり、当時の伊勢地方に独自に発達した観賞価値に合うように育成されたことを科学的に証明した。
- 2024.Makiko Mimura, Marina Takeuchi, Takayuki Kobayashi, Shun K. Hirota, Yoshihisa Suyama, Hirofumi Yamaguchi, and Toshihito Tabuchi.2024.
Genetic diversity in the traditional cultivars and wild ancestor (Iris ensata Thunb.) of near-threatened Japanese iris.Conservation Genetics.Springer Nature1−8.
日本伝統の園芸植物、「ハナショウブ」の基になった野生のノハナショウブについて、次世代シークエンサーを用いて調べた。その結果、野生のノハナショウブは、「北海道と東北」、「関東・甲信越」、「九州と中国地方」の3群に分類されることが科学的に初めて明らかになった。
ノハナショウブは、氷河期の残存植物で北海道から南下して日本列島に来たものと思われていたが、ロシアと九州・中国地方のDNAが一致したことから、朝鮮半島経由で日本列島にわたって来た可能性が高いことが明らかになった。
また、現在、「江戸系」の基になっている菖翁花の由来は、関東・甲信越の物と一致したことから、これまでにアイソザイムを用いた結果と同じことが証明された。信州と日光由来という結果が得られた。
日本各地の北海道、東北、関東、信州、北陸、中部、近畿、中国地方、九州の34か所の野生のノハナショウブと、ロシアの野生のノハナショウブと、現存する確かな菖翁花品種を14品種を用いた成果である。
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