2〜3月の作業は1.前年の残った茶色の芽のあとを除き、新芽を日光に当てる、2.水やりはたっぷりと、3.施肥はしないが重要です。
新芽が伸長しやすくなること(前年のものが残っていると、芽の伸長が物理的に阻害されて、結果的に地下部の根腐れを起こしやすくなります。
1の場合:新芽の伸長の程度に差があるのは、品種間差よりも、前年から残っている茶色の株によって、芽の伸長が物理的に抑制されているからです。新芽を切らないように、外側から丁寧に剥ぎ取ります。
2の場合:前年からの茶褐色の部分を取り除き、たっぷりと潅水を行うと、晴天時にはこれくらいの芽が伸長します。また、2月の新芽が出る前からこの時期に花芽の分化が行われますので、日光に当てることで、「出来上がった、花芽の発達」が行われます。新芽が伸長するほど、光合成産物の花芽への転流が促進されることが、本学の研究で明らかになっています。長日植物(日の当たる時間が長くなる、正確には、暗期の時間が短くなる)ことで、花芽の分化・発達が促進されます。
この時期は、前年の株に蓄えられた養分だけで、芽の伸長が行われるので、水のみとし、肥料はあげないようにします(前年の株の養分が逸脱する)。
左:前年の茶色の株が残り、新芽の伸長を物理的に阻害している。
右:茶褐色の部分を取り除いた場合。直ちに新芽の生長がみられ、「花芽の分化と発達」を促進する。花芽の分化は、開花当年の2〜3月です(本学の研究により)。
写真は、3月に新芽が出た状態ですが、一旦、土を全部、手ですくようにして茶色に褐変化した根を全て取り除いて、水洗いします。
左側の白色の根が出ている場合には、その後のシュートが伸長します。右に積んであるものは、茶色に腐敗してしまった根で、これらを除かないと根腐れを起こして、その後の気温上昇とともに白い根の部分まで腐らせてしまいます。