いずのうみ
伊豆の海
Izu no umi
江戸系 | 【花容】平咲きで先端部がやや下垂 【英数】三英 【花色】青紫色 白筋 【開花期】6月中旬から下旬(2021年は、6月下旬から集中豪雨で7月8日開花) |
分類 | : | 江戸系で平咲き、先端部がやや垂れさがる三英花です。 |
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外花被 | : | 形状は円形に近い楕円形。周縁部はやや波打っています。花色は鮮やかな青紫色で、花被片の基部から先端部にかけて白色の筋が、基部から先端部に向かって放射状に入ります。アイの黄色周辺部は白色で、この部分から白色の筋が花被片の先端部にかけて放射状に伸びているように見えます。 |
内花被 | : | 外花被片と比較して非常に小さく、さじ状です。周縁部はやや細かいフリルがあります。花柱枝とほぼ同じ長さです。花色は基部から中心部にかけては白色で、先端部は外花被片と同様に青紫色ですが、白筋はなく、境界はやや白色の「ぼかし」が入ります。 |
花柱枝 | : | 軸方向に直立します。花柱枝の中心部は白色で、周縁部は外花被と同じく青紫色です。先端部は裂開してずい弁を形成し、その先端部は丸くやや内巻きになります。ずい弁の色は薄い青紫色です。 |
備考 | : | 1960年(昭和35年)頃に平尾秀一氏により育成されました。1つの花茎から多くの分枝が生じて開花する形質を持っているようですが、本ホームページの株では1〜2花が開花しました。平尾氏は、青色の花菖蒲品種育成に注力し、三英花、六英花を育成しています。三英花では、藍草紙、朝戸開、青岳城などを育成しています。このような青色に見える色素については本学で詳細な研究を行っています(平松ら、2009)。青色を示す水溶性色素のデルフィニジンが関与していますが、施肥量や土壌の化学的性質、pHにより赤紫色が入ります。 |
文献 | : | ・平松 渚・中村泰基・田淵俊人.2009a.ノハナショウブの変異性に関する研究(第9報)富士山麓に自生するノハナショウブの青色発現について. 園芸学研究.8(別1) ・平松 渚・中村泰基・吉田祐・田淵俊人.2009b.ノハナショウブの変異性に関する研究(第10報)アルミニウムおよびリン酸処理がノハナショウブの青色花色の発現要因.園芸学研究 8(別1):411 |