あさか
安積
Asaka
大船(例外、江戸花容) | 【花容】やや垂れた平咲き 【英数】三英 【花色】藍色を帯びた紫色 中輪 【開花時期】6月中旬 2022年は6月7日開花 |
分類 | : | 大正時代に江戸系古花の仙女洞と岩手県自生のノハナショウブとの間で交配して育成された品種で、「新花の平咲き」「大船[例外、江戸花容]の三英花です。 |
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外花被 | : | 細長い楕円形で、藍紫色の単色で紫色の細かい筋が入ります。アイの色は黄色で周囲は「青紫色で白色の部分がなく」、「脈が青紫色で濃く目立ちます」。ハローは外花被片と同じで発達しません。 |
内花被 | : | 細長く直立しており、色は外花被と同じ紫色です。 |
花柱枝 | : | 紫色を基調としますが、「中心部は薄い紫色」で「薄い紫色の筋」が入っており、ずい弁は花被と同じく紫色で内に巻いています。 |
備考 | : | 1921年(大正10年)に神奈川県立農事試験場の宮沢文吾博士により育成されました。江戸系で松平菖翁が育成した「菖翁花」の、「仙女洞」(6英咲きで白色の吹っ掛け絞りがある)に、岩手県産の藍色のノハナショウブを交配して育成した品種です。この場合は、3英花が6英花に対して優性ということになりますが、「安積」には絞りが入っていないので、その遺伝様式については調べていく必要性を感じています(→仙女洞を参照)。 本品種は、「江戸古花」の同じ品種名、「安積」と類似していますが、花被片が赤紫色で、「濃い青紫色の脈」が目立ちます。「アイの周辺は濃い青紫色」です。「花柱枝の色が青紫色」で、「中心部が薄い紫色」(「江戸古花」では白色)ですので、ここで区別できるようです。外花被片の白色の「吹っ掛け絞り」が目立つ点も異なる形質です。「江戸古花」よりも若干、早咲きです。「江戸古花」で記載したように、これらの形質が遺伝的なものか、環境変異によるものか、あるいは何等かの枝変わりによるものかについては今後、経年栽培をして結果を明らかにしていく予定です。2022年時点では、両者に上記のような違いが認められました。(→「江戸古花」の「安積」を参照) |