すみえのりゅう
墨絵の竜
Sumie no ryuu
肥後系 | 【花容】平咲きで先端が垂れる 【英数】六英 【花色】わずかに黒味のかかった濃い赤紫色 【開花時期】6月中旬〜(2018年6月10日撮影) (小林孝至,文章・写真) |
分類 | : | 肥後系のやや先端部が垂れる、平咲き六英花です。いわゆる「狂い咲き」になり ます。 |
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花被 | : | 外花被、内花被ともに花被片は楕円形で、先端が垂れる平咲きです。花色は、 わずかに黒味のかかった濃い紫色となります。アイは黄色で、ハローが青味か かった紫色になるのが特徴です。 |
雄ずい | : | 花被片のように雄ずいが多数発達します。大きさは花被片よりも非常に小さ く、斜めに立つのが特徴です。先端は割れて尖り、花被と同様に濃い赤紫色 となります。 |
花柱枝 | : | 中心部が白色の地に赤紫色がのり、花被に対して垂直方向に立つのが特徴です。濃い赤紫色のずい弁は大きく先端が割れて尖り、縁にわずかにフリルが認められます。 |
備考 | : | 草丈は高く60cmほどで、花径は15cmの中輪となります。花被が捻じれたよう に見える「狂い性」を示し、花柱枝と雄ずいが上に立つことから、花容が立体 的にみえます。 観賞の際は、花容を様々な角度からみることのできる単独での観賞に向いてい ます。本品種は、西田信常氏により1931年に育成されました。西田氏は、肥後 ハナショウブが世間に初めて知られるきっかけをつくり、ハナショウブの育種 に大きく貢献した人物として有名です。→「庭燎(ていりょう)」を参照。 |
参考文献 | : | 富野耕治.1967.ハナショウブ.泰文館,東京.pp71 田淵俊人.2016.ハナショウブ(監修:柴田道夫,花野品種改良の日本史).悠書館,東京.248. |