しめいのあき
紫溟の秋
Shimei no aki
肥後系 | 【花容】平咲き 【英数】六英 【花色】藍色 【開花時期】6月下旬〜(2019年6月30日撮影) (小林孝至,文章・写真) |
分類 | : | 肥後系の平咲き六英花です。 |
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花被片 | : | 外花被は楕円形で先端が丸い大きな弁が特徴で、肩が内巻きとなり、先端にはフリルが僅かに生じて垂れます。内花被は、楕円形で縦に長い弁が特徴で先端が垂れます。また花被片の根元から延びる白筋が認められます。花被片全体が藍色で、ハローが白色、アイは黄色となります。 |
花柱枝 | : | 花柱枝全体が白色を呈し,周縁部に沿って藍色が認められます。ずい弁は2裂で上向きに立ち、先端に細かく切れ込みがはいる「くも手」となります。また、花柱枝と外花被との間に認められる雄蕊の先端部が藍色となる「飾り花」が特徴です。 |
備考 | : | 草丈は46.1cmほどで、花径は15.2cmの中輪です。花被片が平咲きで先端が垂れる花容で、花被の基部が白くぼかしが入ることから、花色の藍色や黄色のアイがよく映えます。一輪でも見応えあることから、観賞は室内で鉢植えにする方法に向いています。 1873年(明治6年)以前に、熊本(肥後)の満月会会員の三宅為五郎氏により育成された品種で、「満月会」の流れを組んでいること、この品種から、肥後系の濃い紫色に白色の太い筋が入る品種が育成されていますので、歴史的な品種といえるでしょう。「蒼茫の渉(そうぼうのわたり)、参照」は、この流れを組んで育成された品種のようです。 |
参考文献 | : | 田淵俊人.2016.ハナショウブ(監修:柴田道夫,花野品種改良の日本史).悠書館,東京.245-249. |