ししんでん
紫震殿
Shisinden
肥後系 | 【花容】やや垂れた平咲き 【英数】六英 【花色】濃いルリ色紫 【開花時期】晩性 2019年は7月8日開花(撮影:大学院農学研究科・知野奈苗氏) |
分類 | : | 肥後系で先端部がやや垂れた、平咲きの六英花です。 |
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花被 | : | 花被片は楕円形で、花色は濃いルリ色です。周縁部、特に基部(いわゆる肩)の部分から先端部にかけて波打ったようなうねりが生じ、花被片の随所に皺が発達します。 |
花柱枝 | : | 淡い紫色で中心部は白色で直立します。細く短く、花被片に埋もれるようになるのであまり目立ちません。この部分は非常に特徴的で、基部から先端部にかけて裂開が多く、先端部のずい弁は裂開する、あるいは内巻きになるなど非常に複雑な形状となります。ずい弁の色は花被片と同様に紫色です。なお、中央に肥後系に特有の「働き花」や「樋弁」が非常に多く発達し、これらが花の中央部に密集して存在します。また、花柱枝の基部から弁化した雄蕊が発達することもあります。この写真では、これらの発達している様子がよくわかります。したがって、外観は花被片の中心部に、紫色の直立した花柱枝や、ずい弁、働き花、樋弁が集まって見えるようになります。一見すると、アメリカ系品種の「センターオブイントレスト」に似ていますが、花被片が、濃いルリ紺の単色であることで区別が可能です(→センターオブイントレストを参照)。 |
備考 | : | 1890〜1891年に(明治23〜24年)に、肥後満月会の野田三郎八氏によって育成された品種です。花被片が弱いので、雨の当たる屋外での栽培は花色の減退を招くので、むずかしいですが、室内ではおおらかに開花します。なお、同じ品種名に、伊勢系の「紫宸殿」がありますが、こちらは家系特有の3英花で、花色は赤紫色で垂れ咲きなので区別ができます(伊勢系の「紫宸殿を参照」) |