みよのはるB
御代の春B
Miyo no haru B
伊勢系 | 【花容】垂れ咲き 【英数】三英 【花色】薄藤紫 【開花時期】6月中旬 2019年は6月30日開花 |
分類 | : | 伊勢系で垂れ咲きの三英花です。 |
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外花被 | : | 薄い藤紫色地に、紫色の筋が入り、筋と筋の間の組織には刷毛で掃いたような白色、あるいは紫色の砂子があります。花被片の全体に藤色の筋が入り、花柱枝に隠れるためにアイはあまり見えません。よく見ると、花被片の周縁部には白色の糸覆輪が見られます。 |
内花被 | : | さじ状で幅広く、赤紫色地で3本の目立つ紫色の筋が入ります。また、外花被と同じく白色の糸覆輪が見られます。 |
花柱枝 | : | 地の色は外花被と同じく薄い藤紫色がぼかしたように入り、中心部は白色です。ずい弁には2裂開して上に立ち上がり、ずい弁を形成します。先端部は「クモデ構造」が見られ、淡い藤紫色をしています。 |
備考 | : | 横から見た際には藤色の筋が、また、上から見た際には内花被が目立って見えます。また、縮緬状構造の程度は伊勢系品種の中では比較的弱いです。 「御代の春(A)」が、伊勢・松阪地方で保存されてきたのに対して(→「御代の春A」、あるいは「青木家御代の春」を参照)、本品種の「御代の春B」は、同じ品種名でありながら、三重県・津市を中心にして維持・保存、あるいは改良されてきたのですが、外観上の色彩が異なることが多いので、これを区別するために便宜上、本品種では「御代の春(B))としています。同じように、同一品種名にアルファベットのAとBを付与するものに、「四海波」がありますが、非常に混乱をするので注意が必要です。 本品種は、1935年頃(昭和10年頃)、津市在住の吉川万吉氏に伝えられ、育成されました。現在、伊勢の古花と呼ばれる品種群で、残っている品種は、青木家由来の品種群と、吉川万吉氏の維持・保存系統が多いです。本来、江戸時代、明治時代に育成されたものを「伊勢古花」とするべきでしょうが、昭和の初期に発見されて記録があるので、この記録をもって「伊勢古花」としています。 |