あわせんにょ
淡仙女
Awasennyo
江戸系 | 【花容】平咲き 【英数】六英 【花色】薄紅紫 白吹掛絞/中輪 【開花時期】6月中旬 (2023年は6月14日〜18日開花) |
分類 | : | 江戸系で平咲きの六英花です。 |
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花被 | : | 形状は楕円形で平たく、周縁部がやや波打ったようになります。薄い赤紫紅色の地に白色の絵の具をはけではいたような絞りが入り、ぼかしたような花色に見えます。「刷毛ぼかし」、ともいうようです。花被片の基部が、他の部分よりも濃い紅赤紫色になります。アイは黄色く、白色のハローがわずかに見られます。脈は紅紫色で非常に細く、脈と脈の間には、紅紫色の細かい砂子模様が入ります。 |
花柱枝 | : | 中心部と筋の部分は白色で、周縁部は花被と同じように紅紫地に白色の絵の具をはけではいたような絞りが見られます。先端部で2列開して丸いずい弁が上に立ち内巻きになります。ずい弁の先端部は紅紫色で、花被片と同じく紅赤紫色の砂子模様が入ります。 |
備考 | : | 1920年以前(大正9年)に育成されたと言われていますが、育成者は不明です。昭和以前に育成された品種なので江戸古花と呼ばれています。江戸時代に松平菖翁が育成した「仙女洞」と似た花色のパターンを示しているので、一説には「仙女洞」の花色が薄くなった品種が本品種「淡仙女」で、濃くなったものが「濃仙女」であるとも言われています。しかし、花色には年次変化があり、上の4枚のように白地に紫色の刷毛や絞りが入る品種、あるいは下の4枚の写真のように、薄い紅紫色に白色の刷毛や筋が入る品個体が生じます。このように、同じ株であっても花色の地の色の濃淡のパターンには年次変化があることが多く、株間差も認められます。このように、濃淡に変化が生じると、間違った品種と思い、廃棄する傾向にありますが注意が必要です。 本学では同一品種を異なる場所から導入して、同一環境条件下で栽培して、遺伝的な変異か、あるいは環境変異かを継続的に調査を行っています。 また、撮影の際の天候により晴れている場合には、白色部が目立ち、太陽光を反射するので紫色の着色部が淡く見えるようになります。また、曇りの日には紫色部が濃く見えることがありますので、撮影の方法にも留意が必要です。 |