あげは
揚羽
ageha
大船(例外) | 【花容】垂れ咲き 【英数】三英 【花色】紅紫色 【開花時期】6月初旬 2019年は6月5日開花 |
分類 | : | 大正時代に当時の神奈川県農事試験場の宮澤文吾博士により育成された品種です。一般には江戸系としていますが、本ホームページでは、これらの育成品種は、、育成された時期が大正時代であることや、目的が江戸系とは異なることから、敢えて大船(例外)の三英花としました。早咲きの品種です。 |
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外花被 | : | 丸弁で(6×6cm)、花径は約15cm。大きく波打ち、肩の部分には皺が入ります。軸方向に大きく下垂します。花色は紅紫色の単色花です。アイの周辺が濃い紫色になるので、黄色が目立ちます。外花被全体に細く、濃い紫色の筋が入ります。 |
内花被 | : | さじ状で軸の先端に向かうにつれて幅広く、軸方向に直立します。外花被と同じく紅紫色の単色です。基部に白色の細い筋が入ります。 |
花柱枝 | : | 水平方向に伸長し、白色で(周縁部は紅紫色の砂子模様が入ります)、非常に良く目立ちます。先端部は裂開しずい弁が形成されます。ずい弁はやや内巻きになり、花被片と同じく紅紫色です。ずい弁の周縁部にはどく弱い鋸歯が形成されます。 |
備考 | : | 花被片は紅紫色で単色ですが、花柱枝が白色で、これらのコントラストが非常に明瞭なので区別がしやすい品種です。 1950年(昭和25年)以前に、宮澤文吾博士によって育成されたと言われています。 宮沢文吾博士は、神奈川県立農事試験場で大船系を育成した人物として知られています(→大船(例外)を参照 )。この品種は大正時代の神奈川県立農事試験場の研究論文(1936年)には記載されていないので、海外輸出を目的として、神奈川県立農事試験場(現在のフラワーセンター大船植物園)で育成したのかについては明らかではありませんが、本ホームページでは、宮澤文吾博士により育成された品種であり、歴史的に大正時代に作られたものとも考えられることから、敢えて「大船(例外)」としました。「夕陽(せきよう)」の項目を参照ください。 「揚羽」は、江戸系の古花(品種不明)の早咲きの2色花と、江戸系古花の「千代の春」を交配してできた品種と言われています。 宮澤文吾博士育成の品種は、現在、花菖蒲園ではほとんど見かけません。本品種は、「荒磯」とともに、比較的多くの花菖蒲園に植栽されています。 名札には、江戸系と記されていますが、江戸系古花の品種同士を交配して育成された新花であり、「宮澤文吾博士が育成した品種の1つ」です。 早咲き品種で6月に入るとすぐに開花するので、花菖蒲園の開園初期を彩るので、重要です。 |
参考文献 | : |
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