あかつきのしぼり
暁の絞
Akatsuki no shibori
新花(江戸花容) | 【花容】垂れ咲き 【英数】三英 【花色】薄紫 吹掛絞り/中輪 【開花時期】5月下旬〜6月上旬 |
分類 | : | 昭和になって、交配親の品種は不明同士の交配によって育成された「新花」で、外見上の花容は(江戸花容)です。極早咲きの垂れ咲き、三英花です。 |
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外花被 | : | 形状は丸く、垂れ咲きで周縁部にしわの入る三英花です。紅紫地に白色もしくは濃い紅紫色の絞りが入ります。外から色を吹っ掛けたように見えるので、「吹っ掛け絞り」、とも言います。なお、絞りの程度には多々あり、例えは白地が多いものや、紅赤紫地が多いものなどが表現型として現れてきます(→東鹿子を参照)。この写真では紅赤紫色を基調するものを選んでいます。 |
内花被 | : | さじ状で短く上に立ち上がります。紅紫色の白色、あるいは濃い紅紫色の絞りが入ります。 |
花柱枝 | : | 白色で、ずい弁は2裂となります。ずい弁の色は内花被も同様で紅紫色で絞りが入ります。 |
備考 | : | 1970年代に長野県辰野市に在住の吉江清朗氏により育成された品種です。吉江氏は神奈川県立農事試験場長の宮沢文吾博士(大船系品種を多く育成)との交流もあり、その後を継いで花菖蒲品種を育成した人物で、「端午の節句、5月」にも開花するように極早咲きの品種を多く育成しました。その結果、「端午の節句」には間に合わないものの、花菖蒲園では5月の終わりから6月上旬に開園初期に開花する花として、これらの品種は非常に好まれることとなりました。花菖蒲園の開花期間を大きく広げたと言っても過言ではないでしょう。なお、吉江清朗氏の品種群は長野県の地名に因んだ名称が多いのが特徴です(→八ヶ岳を参照)。本品種は、昭和になって育成された新花で、「江戸花容」ですが、3英花で垂れ咲きの花容は、伊勢系品種に類似しています。 |