やりがみね
槍が峯
Yarigamine
肥後系 | 【花容】垂れ咲き 【英数】六英 【花色】純白 【開花時期】6月中旬から下旬 2022年は6月24日開花 |
分類 | : | 肥後系の「肥後古花」です。垂れ咲きの六英花です。 |
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花被 | : | 花被片は大きく、大きな部分で(6×5cm)、小さい花被片で(6×4cm)です。やや肩の部分が上部に張り出し、大きく軸方向に下垂し、花被片にはフリルと非常に細かい「縮緬状の構造」が発達します。軸方向に細長く皺が幾重にも入ります。周縁部は開花当初は内巻き、開花が進むと次第に下垂し、「ひねり」が入ったようになります。 |
花柱枝 | : | 太く長く、軸斜め上方向に大きく突出します。大きく上に立ち上がるので目立ちます。先端部は2〜4裂開して、大きな爪状のずい弁が水平方向に発達します。くも手はありません。 白色、あるいは淡い黄色(クリーム色)で、雄ずいが突出する個体もあります。 |
備考 | : | 西田信常氏により育成されたといわれていますが年代は不明です。別途、記載してありますが、熊本県では明治維新以降、花菖蒲の愛好家が「満月会」を作り、会員以外には品種を分譲しない規約を作って今日に至っています。この品種を育成した西田信常氏は満月会会員でしたが、横浜に移った後に分与された品種を基にして品種改良を加えて「西田衆芳園」を作り販売しました。この品種はそれらの中の1つです。 同じ時期に開花する「梵天」と類似しますが、花被片の形状や皺の入り方が少なく、ずい弁にくも手がないので判別できます。 |
文献 | : | 田淵俊人.2016.肥後ハナショウブの成立.(監修:柴田道夫,花の品種改良の日本史).悠書館,東京.246-248. |