わだつみ
和田津海
Wadatsumi
江戸系 | 【花容】平咲き 【英数】三英 【花色】薄紺青 白筋 【開花時期】6月初旬から中旬 2022年は6月10日開花 |
分類 | : | 江戸系の「江戸古花」です。平咲きの三英花です。 |
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外花被 | : | 丸弁で水平方向に伸長します(6×5cm)。青紫色の地に脈(維管束)は太い白筋が目立ちます。アイの周辺部は青紫色の細かい粒状の砂子が見られます。周縁部はゆるやかに波打った形状をしていますが、これは咲き始めの頃の方がより明瞭です(3番目の写真)。 |
内花被 | : | さじ状で直立し(3×2cm)、やや内巻き、赤紫色です。中心部には白色の筋が1本認められ、基部の部分(底)は白色です。花柱枝の長さより短いです。 |
花柱枝 | : | 外花被に沿うようにやや直立し、太く短いのが特徴です。白色の地で基部はクリーム色がかった黄色、周縁部は青紫色になり、先端部は2裂開してずい弁を形成します。ずい弁は爪状で水平に伸長し青紫色。先端部は平滑でやや内に巻きます。 |
備考 | : | 1856年(安政3年)以前に松平左金吾(菖翁)によって育成された「菖翁花」です。本人が著した『花菖蒲花銘』にも記載されている品種です。 外花被の白筋と、花柱枝の芯の白色が目立ちます。 写真撮影時の天候や、開花初期か、盛期かにより花色が若干異なります。開花初期は青紫色、その後、全体的に赤紫色になるようです。 この写真では、花被片が水平に伸長していますが、実際にはもっと波を打ったようになるようです。 「菖翁花」は、概して開花時期により花色が微妙に異なってきますが、いずれの場合でも、3英で平咲き、白色の筋が明瞭なこと、内花被片が直立することで区別が可能です。花径は12〜15cm、花茎長は60cm程度です。 本学での分子生物学的な研究でも、菖翁花であることが確認されました。古文書では「三英藤紺青白網」と形態的な特徴が述べられています(花菖蒲花銘)ので、この株は科学的にも古文書とも内容が合致する品種の一つです。 |
参考文献 | : |
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