でわのあけぼの
出羽の曙
Dewa-no-akebono
江戸系 | 【英数】三英 【花色】濃い紅紫色 開花当初は平咲きで2日目で垂れ咲き 中輪(15cm) 【開花時期】2024年は5月26日開花 |
分類 | : | 江戸系品種で、開花当日は平咲き、2日目には垂れ咲きになる三英花です。 |
---|---|---|
外花被 | : | 濃い紅紫色地で、黄色いアイの周辺は青紫がかり、先端部から外花被片の先端に向かって白色の細長い筋が入ります。周縁部は細い白色の覆輪です。外花被片の背軸面(裏側)は、淡い白色になります。形状は細長い楕円で6cm×4〜5cm。 |
内花被 | : | さじ状で細長く、軸方向に直立します。花色は外花被片と同様の濃い紅赤紫色です。先端部は2裂開しずい弁が発達します。ずい弁はやや内巻き、周縁部は細かい鋸歯(蜘蛛手)が生じ紅紫色です。花柱枝の紅赤紫色の部分やずい弁先端にもごく細い白色の糸覆輪が入ります。 |
花柱枝 | : | 大きく広がり、白色です。周縁部は濃い紅赤紫色で小さく、花被片に沿うように展開、先端部は小さく裂開してずい弁になります。白色地に紫色の覆輪が入ります。 |
備考 | : | 一般的には開花期は中生であると言われていますが、2024年開花時には、5月下旬に開花したため草丈も50cm弱で花茎も細い状態でした。4〜5月にかけ晴天で25℃以上の日が続いたのが影響している可能性があります。戦前の育成品種で江戸古花に分類されていますので、本ホームページでは江戸古花として紹介します。 本学での調査によると、形状、花色は山形県から青森県の日本海側に自生するノハナショウブに酷似していること、特に外花被片の背軸面が白色の個体はこの地域の野生のノハナショウブに多く認められること、長井の品種に似た品種があることなどから(長井の品種は明治時代に、現地のノハナショウブを集めて自然交雑により選抜・品種としたため戦前となっています)、江戸古花に分類されている栽培品種ですが、明治時代に育成された長井地方の野生種に近い形状ですので、由来については今後の研究が必要と考えられます。写真では、背景にデンジソウとメダカを入れて撮影しています。 一般には美しい花として紹介されています。 |
引用文献 | : | Kobayashi,T.and T.Tabuchi. 2020. Characteristics of the Japanese wild iris mutant showing white color on the rim of the outer perianth found around the Shirakami Sanchi. Shirakami kennyu. 14:49-64. (英文) |