てんにょのかんむり
天女の冠
Tennyo no Kanmuri
江戸系 | 【花容】やや垂れた平咲き 【英数】十英以上 【花色】淡い紅色で基部(底部)は白色 【開花時期】6月中旬(撮影日:2018年は6月12日) |
分類 | : | 江戸系。先端部がやや垂れる平咲き、弁数の多い八重咲き品種です。 |
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花被 | : | 細長く周縁部は内巻き、あるいはその逆で「さじ状」にないます。薄い紅色で基部(底)は白色でぼかしたようになります。花被片数は10枚以上で、八重咲き、花被片がしばしばひねりが入るようになり、波打っています(狂い咲き)。葉、茎、ともに細く長い品種です。雄ずいが弁化するので花粉ができません。 |
花柱枝 | : | 細長く、白色で多数分化します。先端部は2〜3裂開して先端部にずい弁が発達しますが、寝た状態になるので花被片と区別がつかず、花被片のように見えます。ずい弁の先端部は薄い紅色で細かい「くも手」状となります。しばしば、ずい弁が大きく発達して花被片に見えることもあります。 |
備考 | : | 1885年(明治18年以前)に育成されたと言われている古くから存在する品種ですが、育成者などは不明です。花茎が非常に細いので倒伏しやすく、特に花器官の重みで花全体が垂れやすいです。江戸系の中では、この品種のように、花柱枝や雄ずいまで弁化する品種は、「珍花」とも呼ばれ花容に特徴があります。花径は大きく見えますが、あまり大きくなく13〜15cm程度の中輪花です。 |
引用文献 | : | 田淵俊人. 2016. 江戸ハナショウブの特徴.柴田道夫監修『花の品種改良の日本史』p242-244. |