つるのけごろも
鶴の毛衣
Tsuru no kegoromo
江戸系 | 【英数】三英 【花色】純白 中輪 【開花時期】6月中旬〜下旬 2014年は6月24日、2018年は6月18日に開花 |
分類 | : | 江戸系の「古花」。垂れ咲きの3英花です。 |
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外花被 | : | 形状は丸弁で、軸方向に大きく下垂します。肩部は内巻きとなり、花被片全体がゆるやかに波打っています。基部のアイは濃い橙色がかった黄色で小さいです。花色は純白です。 |
内花被 | : | 形状はさじ状で、軸方向、斜め上に立ち上がります。花色は外花被片と同じ純白です。 |
花柱枝 | : | 軸方向にやや斜め上伸長します。内花被片の間に位置し、色はクリーム色を帯びた白色で中心部には薄い黄色の筋が入り、基部で濃くなります。 先端部は2裂開し、円形のずい弁が発達します。先端部はごく細かい鋸歯が入ることがあります。ずい弁の色は純白です。花被片と平行になります。 |
備考 | : | 1856年以前に育成された菖翁花で菖翁の著『花菖蒲花銘』にも記されている品種です。葉は濃い緑色で軸方向に直立し、花容も垂れ咲きで、内花被片が軸方向に立ち上がります。 本学で分子生物学的に調べた結果においても、菖翁花であることが先らかになっています。伊勢系の品種に花容が似ていますが、形態的には、伊勢系のような花被片に皺がなく、ずい弁にクモ手様の鋸歯が発達しないなどの他に、遺伝子が全く異なります。 なお、この品種名は一般の方々の興味を引くようで、児玉敏昭氏著の『鶴の毛衣とは しつかに逢んといふ事 『大和言葉』あなどれない江戸時代の女性の教養書』(文芸社、2019, p142-143)でも紹介され、本学より写真の提供を致しました。 |
参考文献 | : |
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