まいこ
舞妓
Maiko
肥後系 | 【花容】先端部がやや垂れる平咲き 【英数】六英 【花色】白色紅覆輪、大輪 【開花時期】6月中旬 2022年は6月16日開花 |
分類 | : | 肥後系の「肥後古花」で、先端部はやや垂れる平咲きの六英花です。 |
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外花被 | : | 白色の地に紅色の覆輪が入る大輪花で、大きい花被片は(9×8cm)、小さい花被片は(6×5cm)です。開花当初は弁質が固く、斜めに上がっている個体がありますが、開花が進むにつれて穏やかに垂れ下がり、周縁部にフリルなどは入りません。花容がいびつでなく、花被片が硬いので開花しても垂れることなく咲き続けます。花被片の基部(底)は、輝くような白色です。 周縁部の紅紫色が特徴的です。 |
花柱枝 | : | 太く水平に伸長します。クリーム色で少し上に向くこともあります。先端部は裂開してずい弁はやや立ち上がり、ごく先端部が覆輪色と同じく濃い紅紫色をしています。 |
備考 | : | 西田信常氏が肥後・満月会を退会した後、横浜にて西田衆芳園を作り販売した品種です。『満月会』の流れをひく品種です。戦後の育成となっていますが、育成年月は不明です。咲きはじめは花被片が上を向き、あたかも舞妓が舞っているような様に見えます(舞妓の文字が異なる品種がありますので注意)。 また、本品種のように、白色で紅の覆輪がある類似品種が多々ありますが、周縁部のフリルが垂れるのでほぼ区別がつけられます。増殖率も少ない品種です。なお、周縁部の紅紫色の覆輪の幅や濃さには株間差がありますので、毎年、同じ濃さにはなりません。下の4枚は上と同じ株からの株分けで栽培し開花した写真ですが、紅色の濃さが異なっているのがわかります。 上の写真4枚は、「万戸の声」→参照と同様、本学・博士課程3年の小林孝至氏が自宅のベランダで開花させたものです。ベランダでは半日、日光が当たるようです。したがって、特に1つ1つの花器官を観賞する「肥後系品種」では、花菖蒲の栽培はベランダで十分可能ということになりますが、開花前には潅水量を増やすなどの対策が必要です。この場合は、トレイに水を張って栽培します。 |
文献 | : | 田淵俊人.2016.肥後ハナショウブの改良家―熊本ハナショウブと西田信常氏の業績.『花の品種改良の日本史』(柴田道夫監修).悠書館,東京.248−250. |