みやこのたつみ
都の巽
Miyako no tatsumi
江戸系 | 【花容】平咲き 【英数】六英 【花色】薄紫 【開花時期】6月上旬 2022年は6月6日開花 |
分類 | : | 江戸系「古花」で平咲き、開花に従って先端部がやや垂れる六英花です。 |
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花被 | : | 大きい花被片は円形で(6×6cm)、小さい花被片は楕円形で(6×4cm)、花被片はややうねるようにして展開します。花被片色は全体的に見れば薄紫色ですが、弁の基部は青紫色、先端部にいくほど赤紫色で特に周縁部では赤紫色の砂子で、花色は均一ではありません。花色は非常に細かい粒状の砂子模様で、細い筋状の脈が見えます。脈と脈の間は赤紫色の細かい粒状の砂子模様があり、細かく言えば一言では表せないような微妙な花色をしています。 アイの主変部は青紫色の粒状の砂子があり、周辺部は白色で、アイの先端部から1本の白筋が周縁部に向かって鋭く伸びています。なお、花被全体に縮緬状構造が認められます。 |
花柱枝 | : | 小さく立ち上がります。淡いクリーム色で中心部はクリーム色の線、周縁部は薄い赤紫色、先端部は内巻きになり2裂開してずい弁が発達します。ずい弁はやや内巻きになり先端部はくも手が発達します。ずい弁の色は花被片と同じ薄い紫色です。 |
備考 | : | 1856年以前に、菖翁(松平左金吾)により育成された「菖翁花」です。六英の平咲きで赤紫色から青紫色、全体的には薄い紫色の品種です。 花径は16〜18cm、花茎長は60cm、葉は軸方向に直立し、葉幅は2cm程度です。本学ではなかなか開花に至らず、開花させるのに年数を要しました。 |
文献 | : | 田淵俊人.2016.江戸時代中期から後期―ハナショウブ栽培の飛躍的な発展と菖翁の業績.『花の品種改良の日本史』(柴田道夫監修).238−240.悠書館、東京. |