こしょう
虎嘯
Kosyou
江戸系 | 【花容】平咲き 【英数】六英 【花色】紅紫色 薄色絞 中輪 【開花時期】6月中旬 (2023年は6月15日開花) |
分類 | : | 江戸系の品種。「江戸古花」です。平咲きで中央部から先端部にかけてやや下垂する六英花です。 |
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花被片 | : | 丸弁で、開花当初は水平から平咲きで水平方向に伸長し、周縁部は波をうったようにゆるやかに曲線状となります。花径は15cmから18cmです。
花色は、薄い藤色の地に、明瞭な白色と紫色の絞りが入っています。 この刷毛模様の入り方には、年次変化があります。内花被片に該当する3弁(小さい花被片)は赤紫色に、外花被片に該当する3枚(大きい花被片)は、青紫色に見えます。周縁部には、非常に細い白色の糸覆輪が入ります。アイの周縁部は濃い青紫色です。 |
花柱枝 | : | 軸方向に立ち上がり、しばしば途中で裂開して本来であれば、3本ですが4本になることもあります。 花被片色と同色の薄い藤色で、中心部は淡い藤色、花被片と同様に細かい刷毛状の白筋が入ります。先端部は2裂開してさじ状のずい弁が発達します。ずい弁は内巻きで、先端部には細かい鋸歯が発達します。 |
備考 | : | 1853年(嘉永6年)以前に松平左金吾(菖翁)により育成された『菖翁花』であると言われています。この点については、分子生物学的に菖翁花であることも確認しています。非常に読みにくい品種名ですが、明治神宮との共同研究により譲渡され、本学で20年にわたって保存している品種の一つです。 本品種は、直射日光が当たり、蒸し暑い日には、開花後2日目で花被片全体が下垂しますが、曇り空で涼しい場所では、水平方向に伸長生長します。 本学では品種を確実に保存することを重点にしているので、1品種ずつ鉢植えにして維持・保存をしています。しかし、このことが原因ですが、花茎が弱く、毎年開花させるのが非常に難しい品種です。 また、近年の地球規模による温暖化により、7〜9月は町田市でも猛暑日が続くので開花後にはできるだけ暑くならない場所に移動するなど、栽培管理には気を遣う品種になっています。 |
参考文献 | : |
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