かめのい
亀の井
Kame no i
江戸系 | 【花容】平咲き 【英数】三英 【花色】藤色 【開花時期】6月中旬 2022年は6月17日に開花 |
分類 | : | 江戸系品種。平咲きで外花被片の先端部は垂れさがる三英花です。 |
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外花被 | : | 江戸系品種の「古花」です。平咲きで外花被片の先端部は垂れさがる三英花です。 円形で藤色です(7×6cm)。赤紫色の細かい筋が入ります。しばしば、花被片に部分的に赤紫色が混じることがありますが、年により異なり、全くの藤色の年もあります。 アイの色は淡い黄色で円形、その周辺部」は淡い藤色(白く見えることもある)で花被片に溶け込むようにして存在しあまり目立ちません。 |
内花被 | : | さじ状で丸く見えます(4×3cm)。やや斜め上に立ち上がります。以前に開花したものは、外花被と同じく藤色でしたが2022年のものは藤色にならず、赤紫色の絞り状の模様が見えました。ただし、この場合でも部分的に外花被片と同じ藤色があるので、おそらく紫色の色素を形成する細胞が混ざった、枝変わり(キメラ)になっているものと思われます。以前に開花した同株では外花被片、内花被片ともに藤色でした。 |
花柱枝 | : | 白色で周縁部は藤色、先端部は2裂開して爪状のずい弁が水平に発達します。 |
備考 | : | 1920年以前に育成された「江戸古花」です。本品種には同じ名称で、明治神宮の「亀の井」があるといわれています。この写真は本学で保存している「堀切花菖蒲園」にある「亀の井」です。下段の最後の2枚は明治神宮由来の「亀の井」です。後者の場合は、外花被片と内花被片が同じ藤色、花容も花器官の形状も酷似しています。両者の違いは、明治神宮のものは「藤色の砂子模様」と言われています。本学の保存株の場合は、内花被片の形状は、「堀切の亀の井」では、さじ状でやや丸いですが、「明治神宮の亀の井」では、軸方向に直立し、形状も先端部がとがっていてやや赤紫色です。したがって、本学で保存している株は両者の形状を併せ持ったような花容になりましたので、株間差異があるかどうか、今後調査をしていきたいと思っています。 |