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ぴんくとらいあんふ
ピンクトライアンフ
Pink Triumph
アメリカ(例外) | 【花容】平咲き 【英数】六英 【開花時期】6月上旬 2008年は6月9日開花 |
分類 | : | アメリカ(例外)の品種です。平咲きで先端部が下垂する六英花です。 |
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花被 | : | 形状は丸弁で半八重状になることもあります。花色は薄い藤色地で白色の細い筋が見られます。アイの色は明るめの黄色で、花被片の基部は白色です。花被全体に縮緬構造が見られます。 |
花柱枝 | : | 水平に伸長し白色で、中心部には少し黄色を帯びた白い筋が入ります。花柱枝全体の周縁部は花被片とと同じ薄い藤色です。先端部は2裂開し、さじ状のずい弁が発達します。先端部はやや内巻きになり平滑ですが、部分的には小さな鋸歯が発達することがあります。 |
備考 | : | 1956年(昭和31年)に、アメリカ人のウオルター・マルクス氏によって育成されました。マルクス氏は昭和初期から昭和40年代の戦前、戦中、戦後から戦後復興の高度経済成長期にわたり、わが国の伝統的な園芸植物の花菖蒲の育種に携わりました。この品種はマルクス氏の育成した代表的な品種の一つで、他にも「ピンクフロスト」などがあります。 科学的に最も重要なことの一つとして、4倍体であることが挙げられます。したがって他の2倍体の品種と交配しても受粉、受精が正常に行われず、雑種後代が得られません。倍数性育種の特徴として、目標とする植物の器官が大きくなる(当然、成分含有量も増えると考えられる)ことですが、花器官が大きいので重く、花茎が硬くないと倒伏しますが、本品種は花茎が硬い品種になります。 |
文献 | : | 田淵俊人. 2014. 日本伝統の園芸植物,ハナショウブの特性に関する研究 4. アメリカ品種群について園学研.(Hort. Res. (Japan)) (別) 2: 507. 田淵俊人.2016.アメリカ人による花菖蒲の育種―国外に認められた日本伝統の美.柴田道夫監修 (→参照)『花の品種改良の日本史』 p254.悠書館,東京 |