あさひまる
旭丸
Asahimaru
伊勢系 | 【花容】垂れ咲き 【英数】三英 【花色】濃い紅紫色 中輪 【開花時期】6月初旬〜中旬でやや早生(2018年は6月8日開花、2022年6月1日開花)下段の4枚は町田市薬師池公園から導入した株です。 |
分類 | : | 伊勢系の古花。抱え込むように丸く見える、垂れ咲きの三英花です。 |
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外花被 | : | 形状は円形で、全体的にうねりが入ったように波打っています。外花被片の花柱枝付近の基部と、アイの先端部の周縁部は波打って盛り上がったようになります。周縁部、中心部ともに波打ち、伊勢系独特の縮緬構造は周縁部に見られ大きく皺が入ります。花色は鮮やかな紅紫色で、アイの周縁部は青紫色、先端部から白色の筋が3本程度、先端部に向かって入ります。8×8cm、花径は18〜20cm。 |
内花被 | : | さじ状でやや斜め上に立ち上がります。全体的に皺が入り波打っています。外花被とほぼ同じ鮮やかな紅紫色で、細かい白色の筋が入ります。特に周縁部にごく細い白色の覆輪が入ります。 |
花柱枝 | : | 全体的に白く、中心部に紅紫色の筋が入ります。外側にいくにつれ薄い紫色が着き、ずい弁はやや斜め上に立ち上がり、先端部ほど細くなり内巻きで、やや尖って見えることがあります。ずい弁の色は花被と同じく紅紫色です。 |
備考 | : | 1931年以前(昭和6年以前)の育成とされている伊勢系品種群の古花です。目立つ特徴は、花容全体が丸く、抱え込むように丸みを帯び(地蔵型→不知火を参照)、外花被片基部の黄色いアイの周縁部は青紫色で、この部分から先端に向けて目立つ3本の白筋の線(脈)があることです。葉はやや垂れます。別名を「聡角」ともいうようですが、一般的には「旭丸」として知られています。花径は20cm以上になる大輪花です。花茎長は50cm程度。開花当初は平咲きに見えるので、この時期に広げてみないとわからないです。開花時間の経過とともに外花被片が内巻きになるながら、垂れ下がるようになります。花被片と花柱枝の結合部が深い位置にあるので、「深咲き」とも呼ばれています。 本学での分子生物学的な研究により、本品種は、松阪市郊外に自生するノハナショウブと遺伝的に非常に近いことが証明されました(2020).よって、本品種を含めた伊勢系の古花品種は、伊勢・松阪地方に自生するノハナショウブから育成されたことになります。 |
引用文献 | : |
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