TOP > 研究テーマ02「花菖蒲」 > 02-1.「花菖蒲」とは? - 花菖蒲はどうやってできたの?
現在の豪華な花色や形を持つ花菖蒲が、シンプルな野生のノハナショウブからどのようにしてできたのでしょうか?これについてはいまだに諸説があり詳しいことはわかっていません。仮説として考えられる系図は以下のようです。
奈良時代 | ―― − − − | 江戸時代 | |
600 | 1600 | 1700 | 1750 |
日本各地の野生のノハナショウブは、田のあぜに植えられていた | |||
はなかつみといわれた時代 | 田のあぜ道に植えた | 変異系統を庭先に植えた | |
「花勝美、花克見」とは万葉集にも登場する幻の花で、実在しないが大変優雅な花として当時の人々の憧れの花として信じられていた はなかつみと信じられた 植物の一つ ノハナショウブもはなかつみの 候補であった |
田のあぜ道に植えられた野生のノハナショウブ稲作の際にあぜに移されて残る。 当時は「水田雑草」として見られていたようである。しかし、廃棄されることなく稲作文化に深く結びついて愛でていたとされている 水田脇に植えられていた ノハナショウブ |
花色の変異を有するノハナショウブは農家の庭先などに集められて管理されるようになった。これらの間で変異系統同士が交雑を繰り返した結果、新しい花色が生まれるきっかけになったといわれている 白花の変異系統 ピンク色の変異系統 淡い青色をした系統 |
江戸時代 | 明治時代 | |||
1700 | 1750 | 1800 | 1850 | 1900 |
野生のノハナショウブ -稲作文化とのかかわりあい | ||||
江戸に各地のノハナショウブが持ち込まれる-堀切の花菖蒲園全盛-江戸系花菖蒲 | ||||
池や水田に植えて群生させてその美しさを楽しむために改良されたので、花色、花形が豊富。小高園など多くの花菖蒲園が開園されて、江戸庶民の娯楽の場となった |
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松平左金吾(菖翁)花育成 | ||||
これまでの江戸系品種に改良を加えて名花を育成した 自ら最高傑作と絶賛した品種「宇宙」 |
明治時代 | 大正時代 | 昭和時代 | 平成 | |
1850 | 1900 | 2000 | 2007 | |
野生のノハナショウブ -稲作転換と環境の変化で激減(貴重な遺伝資源が滅亡する) | ||||
堀切の花菖蒲園全盛-江戸系花菖蒲−貴重な文化財として保護する必要がある | ||||
大船系-神奈川県大船フラワーの宮沢文吾により育成 -文化財として保護 | ||||
松平左金吾(菖翁)花育成 | ||||
肥後系 | ||||
菖翁より譲り受けて育成 | ||||
伊勢系 | ||||
吉井定五郎により育成 | ||||
長井系統 | ||||
昭和37年山形県長井市で発見された野生のノハナショウブに似た スレンダーな系統 |
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外国系 | ||||