TOP > 研究テーマ02「花菖蒲」 > 02-3. 機能性を探ってみよう! - 水田雑草と呼ばれた植物の今後
水草といえば、一昔前までは水田の稲作においては「雑草」であり、徹底的に防除しました。近年ではその防除にアイガモが使われたりします。しかし、灌漑用水が発達した昨今、日本昔ながらの「水田雑草」はメダカやフナ、タガメ、ホタルなどとともに急速に姿を消し、もはや絶滅危惧種に指定されているものがあります。
私どもの分野では、稲作にとっては厄介なものである「水田雑草―ノハナショウブも含まれますが」の水質浄化作用という「機能性」に注目して、貴重な遺伝資源として維持・保護に関する研究を展開しています。
デンジソウとメダカの共存はその一つにすぎません。これらの共存は、われわれ稲作文化を大切にしてきた「日本人の心の姿であり風景である」と考えています。
室内園芸では、水槽内にメダカや水草を入れて心の癒しを誘う、「アクアリウム」が静かなブームを呼んでいます。しかし、残念ながら使われている水草はすべて生活力の強い海外産の水草です。
日本の水草を保護し育てていくことができれば、第2のトキを作るようなことがないかもしれませんね。