玉川大学脳科学研究所は、2007年4月に玉川大学の附置機関として、従来学術研究所に所属していた脳科学研究施設を拡充し設置されました。
人間の知性の基盤となる記憶、推論や創造、また喜怒哀楽などの感情、そして知性や感情をコントロールする意志は、‘こころ’のはたらきであり、脳の神経細胞同士の信号伝達とネットワークによる情報処理によって実現します。したがって、脳の機能を理解することは、まさに人間を理解することです。その観点から、「全人教育」を理念とする本学に脳研究から人間を根源的に見つめようとする研究組織が存在する意義は深いといえます。
脳科学研究所は、脳科学研究センター、知能ロボット研究センター、言語情報研究センターの3つの研究センターを設置しています。これらの研究センターでは、知、情、意のはたらきの基盤となる脳のしくみを研究すると共に、脳科学研究の応用面を重視する立場から、人間の知能の一部をロボットに実現させる研究を進めています。また乳幼児の言語発達、認知機能を研究し、その成果を言語教育や認知発達領域にも応用し、学習プログラムの開発を行っています。さらに、社会性を生み出す脳のしくみを解明するために、人間の脳機能イメージング、動物を対象とする実験研究、そして応用研究を統合的に進めています。
脳科学研究所では、「世界の先端を行く脳研究」を着実に進め、エキサイティングな研究の成果を世界に発信する拠点として、今後もより一層の努力を重ねていく所存です。
玉川大学
脳科学研究所長
木村 實