組織性
玉川大学の一年次教育プログラムは、全学部(6学部)の1年次生必修科目「一年次セミナー101」「一年次セミナー102」として開講し、原則として1クラス30名以下の人数で実施されています。1年次生は約1,800名ですので、担当する教員は60〜65名に及びます。授業の担当にあたっては、大学全体で取り組む大掛かりなプログラムであることへの対応と、担当教員全員が新しい概念を理解し、その「意義と価値」を共有する必要があります。そのため、授業にあたっては、関連する教員のミーティングはもとより、広く全学的な講演会や研修会、意見交換会を開催しています。
コア・FYE教育センターの設置
2005(平成17)年度、全学の一年次教育とコア教育の教育内容・方法について担当する研究施設「コア・FYE教育センター」を設置しました。一年次教育プログラムにかんしての業務は次のとおりです。なお、教科書をはじめとして、全学共通の「シラバス」「中間・期末試験問題」「学習教材」等の作成も、コア・FYE教育センターが中心となって取り組んでいます。
※2009年度よりコア・FYE教育センターは学士課程教育センターとなります。
項目 |
一年次教育に関する主な業務内容 |
授業 |
・教科書及び授業教材の作成
・全学共通シラバス、中間・期末試験問題の作成 |
担当教員 |
・講演会、研修会の企画、開催
・担当者指導マニュアルの選定、作成 |
評価 |
・学生による授業評価アンケートの実施、分析
・「学習記録」ノートの記載内容の分析 |
研究 |
・国内外の学会、研究会への参加及び教員の派遣
・一年次教育に関する研究及び情報収集 |
組織的な「一年次セミナー」の教育サイクル
「一年次セミナー」を安定的に運営すると同時に、その継続的な改善を果たすために、玉川大学では全学的に「一年次教育プロジェクト会議」を設置しています。会議はセンター所属教員と各学部の一年次教育プロジェクト・リーダーにより構成されています。「一年次教育プロジェクト会議」は新年度に向けての一年次教育の年次プランニングの策定(シラバスの作成、教員研修会の計画等)と授業改善検討会の実施がその主たる業務ですが、それらに加えて、月例会議を開催し、各学部の「一年次セミナー」が正しく行なわれているかを確認しています。また、夏期休暇期間や春期休暇期間には、一年次教育研究会なども開催しています。
一年次教育プログラムのシステム
全学的な支援体制
玉川大学では、各学期末に「学生による授業評価アンケート」を実施しています。これは、授業の改善を目的に、授業を受けた学生にその授業についての率直な意見を求めるものですが、「一年次セミナー101・102」についても実施しています。その結果は、担当の教員に知らせるとともに、「FD活動報告書」(大学FD委員会作成)をとおして公開しています。さらに、前述のように、各学部の「一年次セミナー」の担当教員のなかからプロジェクト・リーダーを選任して、定期的に「一年次教育プロジェクト会議」を開催しています。会議では一年次教育プログラムについてさまざまな面から検討、討議をし、その結果は教授会、学科会に報告され、内容によってはそれぞれの会議で審議されるといった全学的な体制をとっています。
また、授業の展開にあたっては、玉川大学教学部を中心に、キャリアセンター、教職センター、学生センターなどの関連した部処から資料の提供、助言を受けています。その具体的な支援例は次のとおりです。
- eラーニング方式による「バーチャル・キャンパス・ツアー」プログラムの作成。コア・FYE教育センターによる立案、eエデュケーションセンターによる制作
- 「一年次セミナー102」における大学の入口(入学)から出口(卒業、就職等)が見えるキャリア形成指導。キャリアセンターおよび教職センターとコア・FYE教育センターとの協同授業コンテンツ開発
- 「一年次セミナー102」における最新の学生実態調査の成果にもとづく学生生活指導。学生センターによる資料提供と協同授業コンテンツ開発
- アカデミック・スキルの学習と連動した図書館による書籍検索指導(カード検索およびコンピュータ検索)。大学図書館、国会図書館の利用方法と役割にかんするeラーニング方式による研修
- 教育博物館による文化財の保護と保全意義の教育。「一年次セミナー101」の授業内見学をとおしての文化遺産研修
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