玉川大学「特色ある大学教育支援プログラム」
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実施プロセス

背景と玉川大学の課題

玉川大学では、1929年の創立以来「全人教育」の理念のもとに担任制を設けて、学生に対して、きめ細やかな指導を行ってきました。しかし、今の大学を取り巻く状況から大学大衆化にかかわる問題が生じ、玉川大学でもそうしたさまざまな問題への対策が求められてきました。具体的には、受験科目以外の科目の学力格差、他人とコミュニケーションをとることが苦手な学生の増加、あるいは、自分はどういう人生を歩みたいのか、という将来設計が描けていない学生たちにどう対応していくか、ということです。また、大学に入学して、半年もたたないうちに大学生活につまずいて、不登校になったり、退学してしまうケースも少なくありません。

課題解決に向けての検討とプログラムの構築

上記のような状況への対応について、大学としてさまざまな観点から検討を重ねました。その結果、なによりも基本的なことは、大学新入生が高校生活から大学生活に円滑に移行できないことが大きな要因になっている、という結論に至り、「学生が自覚をもって有意義な大学生活を送り、やがて自律した社会人となる」ことを支援するプログラムを構築する必要性が生じたのです。

玉川大学では、米国で進められている「一年次教育」に注目し、米国内で開催される一年次教育の学会や研究会Linkに教員を参加させるなどして、研究を進めてきました。米国の一年次教育は大学の大衆化による低学力・低意欲学生への対策として考えられたプログラムで、まさに玉川大学が抱える課題への対策として考えられるものでした。そうした過程を経て、米国の一年次教育を参考に玉川大学独自のプログラムを開発し、導入しています。

一般に、一年次教育の目的として「中等教育から高等教育への転換教育」「専門導入教育」「リメディアル教育」「教養教育」の4点が挙げられます。このなかでも、玉川大学では「中等教育から高等教育への転換教育」に主眼をおいています。他の3つの事項については、各学部でこれまでも十分に取り組んできているからです。

玉川大学の一年次教育プログラムでは「大学が学生になすべきこと(Mission Statement)」を次のように設定しました。

  1. 大学生として学習する力を育て、専門知識をもった教養人を養成する
  2. 学生それぞれに早い時期にアイデンティティを確立させ、社会で生きていく基盤を形成させる

科目名は「一年次セミナー101(2単位)」、「一年次セミナー102(2単位)」。2005(平成17)年度から全学部で必修科目として開講しています。ただし、その2年前の2003(平成15)年度から一部の学部において試験的な授業を行いました。その経験と反省をふまえて2005年度から開始したわけです。玉川大学では全学部を通して、この一年次教育プログラムを学部教育の基礎として、また、学生を社会に送り出す大学の責任からも必要不可欠なものと位置づけました。