日時 | 2006年4月28日 |
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発案者 | 山崎良彦(山形大学) / 倉重宏樹(玉川大学) |
グリアはニューロンの活動に積極的に関与しています。
グリア細胞は、活動電位を発生しないという事実により、電気的に静かな細胞であるとみなされてきた。しかし、近年では、多くのイオンチャネルや神経伝達物質受容体を発現していることが知られており、ニューロンの活動に対し積極的に関与していると考えられてきている。そこで、ニューロン回路網という枠を超えた「ニューロン−グリア回路網」という視点で脳機能を理解することが必要となってきている。我々は、グリア細胞によるニューロン活動への直接的な修飾効果を実験的に調べるために、ニューロンの細胞体に付随しているグリア細胞 perineuronal glial cell: PG)に着目した。両者の相互作用を検討する第一ステップとして、PGの電気生理学的・形態学的特徴について調べた。近赤外微分干渉顕微鏡による画像を観察しながら、PGの細胞体よりホールセル記録を行い、PGの静止膜電位と入力抵抗を記録した。さらに生理学的実験終了後、注入したバイオサイチンに対する染色を行った。また、PGとニューロンとから同時にホールセル記録を行うことにより、ニューロンで記録される興奮性シナプス後電流と発火パターンに対するPGの修飾効果について検討した。
私のモデルでは、STDPの時間的特性を従来のモデルより再現可能です。
これまで、シナプス強度変化はカルシウム濃度の絶対量にもとづいて決定されるものとしてモデル化されてきたが、しかしそのようなモデル化では、スパイクタイミング依存性可塑性(STDP)のもつ特性を再現できないことが指摘されてきてい る。そこで、我々はまずSTDPの時間的特性を分析することで、これらの欠点が生じないようなモデルを提案した。このモデルをNEURONシミュレータを用いて検討した結果、シナプス強度変化のタイミング依存性や初期値依存性をうまく再現できていることがわかった。また初期値依存性が生じる原因についての検討も行った。今回の発表ではこれらの結果についての報告とともに、現在進めている、より生理条件に近いプロトコルを用いてのモデルの検討についての報告も行いたい。