館蔵資料の紹介 2024年
玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2024年 > SYLLABAIRE FRANÇAIS
暁星中学校 ア、ゼロム編集兼発行
縦18.5×横12.8cm 1908(明治41)年
明治期になると、欧米諸国からキリスト教宣教師たちが来日して布教活動や教育活動を行った。フランス人、ギヨム・ヨゼフ・シャミナード神父(1761-1850)によって創設されたカトリック修道会マリア会もその1つである。マリア会の修道士たちは暁星中学校や暁星小学校を設立し、フランス語を教えていた。
今回、紹介する資料SYLLA-BAIRE FRANÇAIS(フランス語練習帳)は、暁星中学校で発行された初心者向けのフランス語の教科書である。挿絵入りで単語や短文が記載されている。本書でとりわけ力を入れているのが発音である。例えば「Uノ文字ニハ日本語ニ適當(てきとう)ノ音ナシコレヲ發音(はつおん)スルニハ上下ノ兩唇(りようくちびる)ヲ尖(とが)ラスベシ」と書かれている。
ちなみにジョセフ・ヴェルニエ『日本マリア会史』は、この教科書が小学生向けのフランス語教科書であると記している。挿絵の制服を着た男子たちは暁星小学校に通う子どもであろうか。仲良くフランス語の学習に励んでいる姿が描かれている。