館蔵資料の紹介 2024年
玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2024年 > 演奏会プログラム 第434回NHK交響楽団定期公演
公演日:1962年11月14、15、16日 東京文化会館
紙、印刷 縦25.8×横18.2cm
「ガスパール・カサド 原智恵子コレクション」所収
1962年11月、チェロ独奏にG.カサドを迎えて行われた3日間のNHK交響楽団定期公演のプログラムは、ベートーヴェン《交響曲第8番》、ドヴォルザーク《チェロ協奏曲》、ラヴェル《ダフニスとクロエ》の3曲で、指揮は27歳の小澤征爾である。後年、小澤は新聞インタビューでカサドとの共演を振り返り「ぼくはこの時はじめてこの曲を指揮したわけです。ホテルで勉強会を開いてくれ何でも教えてくれる。ここはこうなる可能性があるとか、オーケストラのバランスとか、ていねいに教えてくれた。以来、あの曲はぼくの十八番になった」と語っている。
今では「世界のオザワ」と呼ばれる巨匠だが、若き指揮者として困難に直面していたこの時、カサドとの共演は前向きな刺激となったのではないだろうか。
59年にイタリアで結婚したG.カサドと原智恵子夫妻が2人そろって来日したのはこの約1カ月間のみ。ソリストあるいはデュオ・カサドとして、東京や京都、大阪、福岡などで演奏会を行い秋の楽壇を彩った。