玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
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館蔵資料の紹介 2022年

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自由雑記帳

自由雑記帳

1933(昭和8)年頃
縦19.0 × 横13.8cm

今年もクリスマスの季節がやってきた。そこで今回はクリスマスに関する資料を紹介したい。この資料は1933(昭和8)年頃に制作された自由雑記帳である。
ノートの表紙にはTANOSHIKI XMAS NO YŪBE (楽しきクリスマスの夕べ)とローマ字で書かれている。雪の日であろうか、玩具をいれた大きな袋を担いだ笑顔のサンタクロースと、幸せそうな表情を浮かべる2人の子どもの絵もある。1人の子どもは靴下と人形をもち、もう1人の子どもはおもちゃの飛行機を抱えている。
実は昭和初期の日本ではクリスマスが大盛況であったようだ。クリスマスの集いが盛んに開かれ、新聞でもサンタクロースやクリスマスのお祝い料理を紹介する特集が組まれていた。カフェーやダンスホールといった大人向けの遊興施設でもクリスマスの催しが行われていたようである。
キリストの降誕を祝うクリスマスを昭和初期の日本人は世俗的なイベントとして楽しむようになっていたのである。この習慣は今日の日本人にもみられるものであろう。

「全人」2022年12月号(No.877)より

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