館蔵資料の紹介 2022年
玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2022年 > 臺北州立臺北第一中學校 絵はがき
縦8.8cm × 横13.7cm 紙、印刷
旧制臺北(たいほく)第一中學校(現台北市立建国高級中学)は、現地に暮らす日本人の子どもを対象として1898(明治31)年に創立された、台湾でも最古の公立校である。台湾における近代教育の始まりの学校で台湾トップの進学校と呼ばれるに相応しく、卒業生は各界で活躍している。戦後は現地の子どもを集めて授業を開始し、一時は生徒総数7、500人を超える台湾でも最大規模校となった。
斜めから撮影された学校の象徴、ネオ・バロック様式の赤レンガ校舎は、人々に「紅楼」と呼ばれ親しまれている。1950年と66年の2度にわたり大規模な補修工事を行い、87年には台北市重要文化財に指定された。
校舎は台湾総督府土木局営繕課近藤十郎の設計で、台北市内では他にも赤レンガを用いた旧西門市場(現西門紅楼)、現代美術のミュージアムとして利用されている台北当代芸術館、現在も病院として機能している台湾大学医院附設旧館などに、彼の建築を見ることができる。
なお旧制臺北一中は、台湾総督府交通局に勤めた小原國芳の弟、一二(いちじ)の子息の母校でもある。