玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
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館蔵資料の紹介 2022年

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學術生徒進歩双六

學術生徒進歩双六

綱島亀吉(画工) 嶋鮮堂(発行) 木版色刷
明治時代 縦36.8×横50.0㎝

新年を迎える今号では、正月遊びの一つである双六(すごろく)に関する資料をとりあげる。明治期の制作と推定される「學術生徒進歩双六」では明治前期の様々な学びが描かれている。
読書、講義、作文、習字、絵学、算術、裁縫などに加えて暗射や問答といった、今日ではあまり耳にすることのない学びの風景もある。
「暗射」とは暗射地図を用いて、地名の暗記や地学の学習を行うものである。「問答」とは事物の名称、特徴、素材、用途等を教師が生徒に質問を通して行う注入型の教育方法である。当時の小学生徒の体操風景もある。「体操」の升目では洋装の男子生徒が徒手体操やワンズ体操(球竿よりもやや短い鉄あるいは木の棒を用具とする体操)を行っている。「女運動」の場面があるところから、女子には女子の運動があったようである。
本双六以外にも明治前期の小学生徒の体操図は複数存在するが、男子は洋装、女子は和装で描かれることが多い。

「全人」2022年1月号(No.867)より

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