玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
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館蔵資料の紹介 2019年

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THE ILLUSTRATED LONDON NEWS

THE ILLUSTRATED LONDON NEWS

1852年6月12日号 縦40×横27.6㎝
遊佐 肇 氏 寄贈

今回紹介する資料は「リージェンツ・パークの動物園におけるグールド氏のハチドリのコレクション」の記事が掲載された英国の週刊新聞 THE ILLUS-TRATED LONDON NEWSである。英国の鳥類学者で、鳥類図譜制作者のジョン・グールド(1804‐1881)は、ロンドン万国博覧会が開催された1851年に動物園でハチドリの展示を行っているが、この記事は動物園にハチドリ館が新設されたため、再び見学できるようになったことを伝えている。

ハチドリ館は1851年の展示会場とは違う場所にあり、入館のための追加料金も不要とある。追加料金を課さずにハチドリを公開した気前のよいはからいは「あらゆる階層の人々の間で自然史の教養を身につけようとする趣向が増し、動物学協会とグールド氏がこの流れに応じようとしたため」と記している。

19世紀英国は、それまで特権階級や専門職しかアクセスできなかった貴重な資料が「展示」を通して市民に公開された時期である。博物館の時代の幕開けといっても過言ではあるまい。

「全人」2019年9月号(No.841)より

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