玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
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館蔵資料の紹介 2018年

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勉強する童男(わらべ)

勉強する童男(わらべ)

文部省製本所 木版色刷
縦34.0×横23.9㎝ 1873〜74(明治6〜7)年

戌年ということで、犬のいる資料を選んでみた。これは家庭教育に役立てるために、文部省が11種ほど製作した刷物のうちのひとつである。行いの良い子どもを、道徳的教訓として描いている。

煎餅屋の周囲の路上には、バイガイの貝殻に鉛を流し込んで作ったベーゴマの勝負に興じたり、犬と一緒に走り回る、あるいは犬に悪さをしようとする子どもがいる。それを横目に主人公の男児が、店番をしながら箱を机代わりにして習字に励んでいる。

この刷物のシリーズは、1873〜74(明治6〜7)年に製作された。子どもたちの髪型は、新旧のものが混在している。勉強する子を感心そうに見ている男性も、羽織袴の正装に山高帽とステッキという洋装を、一部取り入れている。明治初期におけるおそらく東京の最新風俗を、見出すことができよう。

さて、犬は茶と黒のブチ柄で、首輪をしており、飼い犬であろう。名札がついているが、残念ながら判読できなかった。ちなみに1874年も戌年であった。

「全人」2018年2月号(No.824)より

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