館蔵資料の紹介 2016年
玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2016年 > ガスパール カサード 原 智恵子 ソナタ演奏会チラシ
カラー 片面印刷 縦25.9×横18.2cm
1958(昭和33)年
1958 (昭和33)年の春、第1回大阪国際芸術祭(第2回より大阪国際フェスティバルに改称)が開催された。ガスパール・カサドはこの参加を機に、自身の伴奏を務めるピアニストのヘルムート・バルトと初来日、5月8日に伊丹空港に到着し、大阪、京都、神戸、福岡、東京など、日本各地で演奏会を開催した。
招かれた国の音楽家と共演することこそ、その国への最大の賛辞であると考えていたカサド。来日に際して陰ながら尽力した「敬愛する日本の一女流ピアニスト」原智恵子と本チラシの演奏会で初共演し、好評を博した。当時は来日した演奏家がその国の演奏家と共演するのは、きわめて異例なことだった。
「日本に行くこと、これは私の永い間の希いであり夢でした。私はいま、現実にその憧れの国にいるのです」。演奏会のプログラムに寄せられた、カサドの言葉である。演奏曲目は、J・S・バッハに始まり、ベートーヴェン、ブラームス、ドビュッシーと、作曲者の活躍した年代順に構成されている。