館蔵資料の紹介 2016年
玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2016年 > ガスパール・カサド 原智恵子 ポートレイト
撮影者不詳 紙焼き写真 モノクロ
縦23.9×横18.2cm 1960年代前半
「デュオ・カサド」―それは国際的名声を持つ2人の音楽家が、芸術の理想に燃える精神にもとづいた愛の結晶として誕生した奇蹟の結実である(LP盤『DUO CASSADÓ』渡辺三七雄・ライナーノーツより抜粋)。
ガスパール・カサド(1897‐1966)は、20世紀を代表するスペインの世界的チェリストである。幼少より音楽家の父に学び、9歳でパブロ・カザルスに見出され、瞬く間に腕を上げて名声を高めた。原智恵子(1914‐2001)は、戦前より国際的に活躍した日本人女性ピアニストの草分けで、1937年に日本人として初めて、第3回ショパン・コンクールに参加、特別賞を授与された。
1959年にイタリアのシエナで結婚式を挙げた2人は、フィレンツェに居を構えて常に最高の芸術を目指し、共に歩んでいった。1966年12月にカサドが亡くなるまでの7年余りの間、それぞれがソリスト、そして「デュオ・カサド」として、世界各地で活発な演奏活動を行った。