玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
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館蔵資料の紹介 2016年

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徳富蘇峰筆蹟

徳富蘇峰筆蹟

紙本墨書 扁額装
縦33.4×横135.0cm 1955(昭和30)年

徳富蘇峰(とくとみそほう)(1863‐1957)は熊本出身、本名猪一郎(いいちろう)、同志社英学校で新島襄の薫陶を受けるが、言論で身を立てようと志し、卒業目前で退学した。

ジャーナリストとしての蘇峰は、民友社を興し雑誌「国民之友」を創刊、国民新聞社から「国民新聞」を出し、論陣を張った。その後いくつもの新聞雑誌に関わりを持ち、言論界に重きをなした。また、蘇峰は歴史家、評論家としても健筆を振い、『近世日本国民史』『国民叢書』等、多数の著書がある。

上掲の書は、「履正莫懼(正(せい)を履(ふ)むに懼(おそ)るること莫(なか)れ)」とある。正道をふみ進む際は懼れてはならない、という意味であろう。 1955(昭和30)年に数え93歳の蘇峰から小原國芳に、「人天偕和」の書と共に贈られたものである。前年に小原がかねてより親交のあった蘇峰の自宅を訪ねたが、面会できなかったことに対する返礼と考えられる。最晩年の筆ながら、大変に力強い印象を受ける。この書を元にした刻字額が、かつて玉川学園の塾食堂(現りんどう)内に掲げてあったので、記憶している卒業生もいるであろう。

「全人」2016年5月号(No.805)より

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