館蔵資料の紹介 2014年
玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2014年 > 大天使の集まり
ロシア・イコン 板、テンペラ
19世紀 縦31.0×横26.4cm
天使という言葉は、知らせをもってくる使者を意味する。キリスト教において、天使は霊的存在として神の栄光を人間に伝え、人間の祈りを神に伝える御使いになる。
画面には、キリストのメダリオン(肖像が印された円盤)を捧げもつ、雲上の大天使ミカエル(左)とガブリエル(右)が前面に大きく描かれている。画面上部には父なる神が祝福を与え、メダリオンの下には熾天使セラヒムが2人いる。光輪に記された文字が消えているため、天使名は定かではないが、キリストのメダリオンの後ろがラファエル、その後ろに並ぶ4者はバラキエル、イフディエル、ウリエル、セアルティエルと推測される。
天使には9つの階級がある。セラヒムは最高位の天使で、愛の天使(赤は愛の象徴)として、神の玉座にもっとも近い存在である。ミカエルやガブリエルが属する大天使は8番目の階級になるが、下位の階級にありながらも、人間界に近い存在として悪魔と戦い、神の言葉を伝える使者の役目をもっている。