館蔵資料の紹介 2013年
玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2013年 > 荻生徂徠門弟の図
1幅 本間探兆画
佐藤一斎賛撰
堀左山書 紙本著色
掛軸装
1820-30年代か
縦114.8×横47.1cm
正面奥に描かれた荻生徂徠(おぎゅうそらい)(1666-1728)と、その門弟たちの会合図である。これは実際の場面ではなく、先行する肖像画を集めて再構成したもので、その際徂徠一門とは別人の肖像も参考にされている。
作者の本間探兆(ほんまたんちょう)(?-1839)は、名を守興といい、佐渡国畑野の出身で、初め父に絵の手ほどきを受け、文化年間の初めに江戸に出て、狩野探信(かのうたんしん)(守道)の絵所で学ぶ。山水画や人物画を得意とした。
図にある賛文は、林家塾の塾頭や昌平坂学問所教官を務めた佐藤一斎(さとういっさい)(1772-1859)の撰で、堀左山(ほりさざん)(1799-1843)により記される。左山は佐渡国藤津の豪農で、江戸に出て成島司直(なるしまもとなお)、佐藤一斎に学んだ。佐渡に戻ってからは、農事の見回りの際も読書を欠かさず、入門者には懇切に教えたという。
本図は絵師、賛者共に佐渡の人であることから、同地での制作と推定される。その年代は、左山が江戸から戻り、探兆が没するまでの間で、概ね1820-30年代の作と考えられる。