館蔵資料の紹介 2013年
玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2013年 > 『ロンドン動物学協会年報』(合冊)
ロンドン動物学協会
繁栄の時をむかえていた19世紀の英国は、世界の様々な地域から多様な動植物や物産がもたらされ、かつまた、これらを研究しようとする情熱にあふれていた。1826年に設立されたロンドン動物学協会もその一つである。ロンドン動物学協会では、動物に関心のある学者や知識人があつまり、動物の新種の紹介や研究活動が行われた。
この資料は、1851年から1853年までの協会の活動状況の概要を報告した年報である。本来は、年度ごとに発行されていた年報が合冊されて保存されている。
この記事は鳥類学者であり、豪華な鳥類図譜を刊行したジョン・グールド(1804-1881)が、ホワイトナイル川上流地域に生息する、ペリカン科のハシビロコウを紹介したもの。美しい挿絵はグールド工房で働いていた、ヨゼフ・ヴォルフ(1820-1899)の手によるものである。この時代、挿絵は鑑賞の対象としてだけでなく、情報を伝達するメディアとしての役割も果たしていた。