館蔵資料の紹介 2012年
玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2012年 > ジョン・グールド書簡 J. H. ガーリー宛
紙にペン
縦20.3×横25.4cm
1859年7月11日付
ジョン・グールド(1804-81)は、インペリアル・フォリオ判(約56×39cm)という大きな判型の鳥類図譜(10タイトル・全40巻)を制作したことで知られる英国の博物学者である。図譜は当時新しい印刷法として開発された石版画(リトグラフ)の技法でつくられている。販売は予約制で、できあがった分冊を購入者のもとに送り、分冊がそろった時点で購入者自身が製本するという形であった。
この書簡は、当館所蔵のグールド制作『オーストラリア鳥類図譜』の中から発見された4通の書簡のうちの1通である。ガーリーはノーフォークのノリッジという町に住んでいた鳥類研究者で、ノリッジ博物館の館長でもあった。『オーストラリア鳥類図譜』の予約者リストに記載されている140名の名前のうち、71番目にガーリーの名前がある。
内容は飼育していたハクチョウが卵を生んだというガーリーからの書簡への返信で、グールドが卵の平均重量を知りたいことや殻の構造などに興味をもっていることが書かれている。