玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
全人掲載年

玉川大学教育博物館
〒194-8610
東京都町田市玉川学園6-1-1
Tel:042-739-8656
Fax:042-739-8654
mail:museum@tamagawa.ac.jp

館蔵資料の紹介 2011年

玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2011年 > 聖母子像

聖母子像

聖母子像

シエナ派・作者不詳
キャンバスに油彩
138.5×97.0cm
15世紀


シエナ派は、13世紀から14世紀にかけて興隆した画派である。フィレンツェ派と同様に、当時のイタリア美術を代表する画派であった。フィレンツェ派の合理的、写実的な造形性に対し、シエナ派は情緒的な装飾性を特徴としている。本作品にはシエナ派独特の様式にビザンティン的伝統の表現様式が加わり、優雅で荘厳な聖像を形成している。聖母マリアが左手で幼児イエスを抱き、幼児は右手をあげて祝福し、左手で聖なる書(あるいは巻物)をもつ図像は、ホディギトリア型の聖母子像と呼ばれる。

なお、本作品ときわめて関係が深いと思われる図像に「ヤスナ・グラの聖母」がある。「ヤスナ・グラの聖母」は、ポーランドのチェンストホーヴァにある14世紀に建造されたヤスナ・グラ修道院に納められている。本作品にもみられる聖母の右頬にある二筋の線をふくめて、構図は酷似している。伝説によると、「ヤスナ・グラの聖母」の傷は、この地が侵略されたときに敵軍につけられたもの、あるいは盗賊が略奪しようとしたときに傷つけられたものと言われている。

「全人」2011年11月号(No.755)より

前の記事を見る  次の記事を見る

玉川大学教育博物館

このページの一番上に戻る