玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
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館蔵資料の紹介 2010年

玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2010年 > しん板土俵大角力両面組上

しん板土俵大角力両面組上

しん板土俵大角力両面組上

長谷川小信(はせがわこのぶ)画
細判錦絵2枚組
明治22(1889)年
鈴木三郎助氏寄贈資料

紙相撲は相撲を模した紙細工で、相撲の人気が高まる江戸時代からはじまった。紙製の力士人形を紙や板でつくった土俵上にのせ、土俵を指でたたいて振動を起こし、力士人形を動かしながら戦わせる遊び方をする。本物の相撲と同じように、相手の力士を土俵から押し出すか、倒したほうが勝ちである。

この資料では、力士人形を正面と背面を張り合わせてつくるようになっており、合計すると32人分の力士ができる。力士の化粧回しにはその頃活躍していた力士の名が入れられている。土俵も当時のものと同様に4本柱の方屋(かたや)がつくられ、力水(ちからみず)を入れる水桶も置かれるなど凝った細工になっている。

作者は大阪を代表する錦絵師、長谷川小信(二代貞信)である。小信は、初代貞信の長男として嘉永元(1848)年に生まれた。父のもとで絵を学び、慶応元(1865)年頃から小信と号して絵師としての道を歩みはじめた。主に役者絵、開化絵、戦争絵、新聞錦絵などを得意としたが、おもちゃ絵を多く描いた絵師としても知られている。

「全人」2010年10月号(No.743)より

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